波紋! 日本GP会見での激怒騒動に「品がない」の声 フェルスタッペンに退席を命じられた英記者が胸中激白「彼は私との力関係を楽しんでいた」

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リチャーズ記者とにらみ合いながら、怒りを露わにしたフェルスタッペン(C)Getty Imags

なぜフェルスタッペンは「出て行け」と怒鳴ったのか

「ちょっと待って。彼が立ち去るまで僕は何も言わない」
「出て行け」

 F1の絶対王者は、怒気をはらんだ言葉が響いた。3月26日に行われた日本GPの公式会見に出席したマックス・フェルスタッペンが、居合わせた英国人記者に激怒し、退出させる騒動が勃発。そのやり取りが波紋を呼んでいる。

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 異例の事態だった。会見に姿を見せたフェルスタッペンは、昨シーズン最終戦アブダビGP後の会見で、同年6月のスペインGPにおけるジョージ・ラッセル(メルセデス)との一件を説いた、英紙『The Guardian』の記者に対して「出て行け」と強く言い放つ。

 これに記者が「本気で言っているの?」と聞き返すと、「ああ、そうだ」と強調。さらに「アブダビで僕が君に尋ねた質問のせいなのか」「なぜそんなに腹を立てているのか」とふたたび確認すると、フェルスタッペンは「いいから。出て行ってくれ!」と一喝。進行の都合上から当該記者が退席すると、レッドブルのエースは、何事もなかったかのように会見を始めた。

 4連覇王者の激怒騒動は、国際的な波紋を呼んだ。そうした中で怒りの矛先を向けられた『The Guardian』のジャイルズ・リチャーズ記者は、同紙に掲載したコラム内で「彼ほどの男が会見から私を追い出したことには、深く失望した」とフェルスタッペンへの不満を書き出し、「わずか30秒ほどのやり取りの中で、彼は私に“出て行け”とまで言った。私はこれまで記者会見から退席を求められたことは一度もない。F1ジャーナリストにとって、これは極めて稀な出来事だ」と問題視した。

 さらに「10年以上このスポーツを取材してきた中で、私はフェルスタッペンにも10回ほどインタビューしたが、いずれも友好的で和やかな雰囲気だった」と、互いの関係性を説いたリチャーズ記者は、「昨年のある出来事が、どうやら彼の神経を逆撫でしたようだ」とし、ラッセル(メルセデス)との一件を振り返った。

フェルスタッペンの振る舞いに苦言

 そもそもタイトル争いの中でのインシデントが発端だった。

 昨季のフェルスタッペンは、サマーブレイク明けから序盤戦の失速を猛烈にカバー。トップを独走していたランド・ノリス(英国)を追い上げていた。最終的に2位となり、5年連続の総合王者とはならなかったものの、差はわずかに2ポイント。偉才ぶりが際立った。

 そうした中で2ポイントの差を生んだのが、ラッセルとの騒動だった。第9戦のスペインGP決勝で、競り合っていた両雄は接触。タイムペナルティを科されたフェルスタッペンは順位を10位にまで落とし、獲得ポイントも「1」に終わっていた。結果的にこのポイントロスが逆転優勝の運命を変えたと言っても過言ではなかった。ゆえにリチャーズ氏は、最終戦となったアブダビGP後に「(接触を)後悔していることはないか?」と聞いていた。

 当時を「どうしても聞かなければならない質問だった」と振り返ったリチャーズ記者は、フェルスタッペンが「君は僕のシーズン中に起こったすべてのことを忘れている。バルセロナのことしか言わないし、今、君は馬鹿げた笑みを浮かべているね」と返答していたことも紹介。その上で、「私は彼の言うように面白いとは思っていなかったし、彼をからかって楽しんでいたわけではなかった」と断言。そして、改めて今回の会見追放について言及している。

「退去命令を受け、私はその場を後にした。フェルスタッペンは終始笑顔だった。もしかしたら、彼は私との力関係を楽しんでいたのかもしれない。一日が過ぎ、F1ドライバーに怒られることよりも、世の中にはもっと深刻な問題が山ほどあると思っている」

「報道の仲間たちは皆、衝撃を受け、私を気にかけてくれている。ある記者は、『品がない』とフェルスタッペンの振る舞いを軽蔑したように言った。私は無事だ。むしろ一番居心地が悪いのは、この出来事を一人称で書くことだ。ジャーナリストは決して自分がニュースの主役になりたくないものだが、今はそうせざるを得ない状況だ」

 自身のモットーとして「できる限り正直かつ公平に報道すること」と記したリチャーズ記者は「フェルスタッペンを尊敬しているし、より良い関係を築けることを願っている」と断言。一方で「我々は、時に、彼らにとって難しい質問や気まずい質問をしなければならないこともある」とジャーナリストとしての苦悩も綴った。

 F1の新レギュレーションに不満を募らせる今季のフェルスタッペンは、新型マシンの不調にも苛まれ、スタートダッシュで躓いた感が否めない。ゆえに彼を取り巻く空気は芳しくなかった。そうした中でメディアとの確執も生まれ、緊張感はより高まっていると言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]