BTSが兵役完了、日本と韓国で全く違う「徴兵制」に対する考え方
韓国でアイドルグループ「BTS」が4年ぶりに活動再開のイベントを開催した。メンバーが兵役についていたため活動を中断していた。
朝鮮戦争の休戦中であること、敵国と地続きであることなど、韓国と我が国では周辺状況が違うとはいえ、同じ民主主義国家で隣国同士にもかかわらず「徴兵制」についての考え方は全く違う。
我が国では「徴兵制」を口に出した途端、戦場に若者を送るのか!戦争を始めるけしからん企み!と問答無用の全否定だ。
しかし、国家防衛は国民の義務であるという考えに立てば「徴兵制」は公平な制度。超有名なアイドルであろうと、大金持ちの身内であろうと、国民の義務である兵役を務めなければならない。
BTSは「Bangtan Sonyeondan(バンタン・ソニョンダン)」の略で、日本語では「防弾少年団」と訳される。グループ命名の趣旨は、社会の抑圧や向かい風に立ち向かう若者をイメージして名づけられたそうだが、何となく北朝鮮からの弾を防ぐということを想像してしまうのは私だけだろうか。
その後、世界進出に伴い、現在は「Beyond The Scene」という英語のブランドスローガンも込められており、「今を超えて」という意味が持たされている。
2022年2月24日から4年に及んで今なお戦争が続くウクライナの現状を見る時、誰が国を守るのか?という問いに、国民自身と答えるしかないのが、厳しいが避けられない現実であることがわかる。誰だって自分自身、あるいは家族や身内が生死をかけて厳しい戦場へ行くことは望まない。
志して兵役に応じるという人もいるだろう。しかし、継続的に兵力を維持するためには、望まない人々も兵役に服してもらうことがいずれ必要になる。
その時、一定の年齢、身体条件などにより、公平に兵役の義務を履行する制度が「徴兵制」。権力者の子弟、身内だからと言って兵役の義務は免れない。大金持ちが、金の力で兵役を免れることもできない。
日露戦争での乃木希典将軍の話は有名だが、国家防衛に等しく寄与するという精神が、国を守る礎になるものと思う。
国民に等しく知見が備わり、国防が身近になる徴兵制
「徴兵制」には別の側面もある。治にいて乱を忘れず、一朝事ある時に備えるため、国民に等しく精神的、技術的な知見を付与できるということが一点。もう一点は、国防をより身近な事柄と認識できることだ。
個人が兵役について関心を持ち、具体的に従事することにより知見が備わることはもちろん、家族なども兵役について理解が深まる。
超人気グループBTSの兵役については、追っかけのファンはもちろん、ごく一般的な日本人も、冷静に受け止めている。基本的な国防に対する考えは国によって変わらない。少子高齢化は今後も続く。国防という崇高な使命を担う人材を確保する制度について、真剣に考える時期ではないだろうか。
文/島本順光 内外タイムス
