効率良くすぐに飛距離を出すには?PGAツアープロの動きを真似しよう
飛距離を出すにはどうすればいいのでしょうか?
今回は、米ツアーのトッププロを元に教えてもらいます。
効率よく飛ばすには「技術」が必要だ
プロゴルファーとアマチュアゴルファーの距離の差は、フィジカルやパワーだけが理由ではありません。
もちろんプロの多くはトレーニングを行なっていて強い筋力がありますが、それ以上にボールを飛ばすテクニックをもっていて、より効率よくヘッドスピードを上げ、飛距離につなげることができているのです。
最大のポイントは、ダウンスイングからフォローにかけてクラブをスムーズにリリースするテクニックにありますが、その前段階も大事。地面反力を使ってバックスイングし、切り返しでそれを受け止めてシャフトをしならせることも重要です。
言い換えればアマチュアの多くはこの3点に大きな原因があり、クラブの遠心力やシャフトのしなりなどを上手に使えていません。プロにとっては当たり前のこの飛ばしのテクニックを身につければ、一気に飛距離アップできるはずですよ。
Point1:始動
地面反力を使ってスピーディに上げる
飛ばしの技術においてバックスイングは非常に大事です。「スムーズかつスピーディなバックスイングで右手の位置が高いトップを作る」。これが切り返しで大きなパワーを生むことにつながり、ひいては上手なリリースも導きます。
ポイントは、地面反力を使って体の右サイドを高く引き上げること。地面反力はダウンスイング以降で使うものと考えている人も多いと思いますが、じつはバックスイングにおいても不可欠。右サイドを引き上げるのに、手の力ではなく足で地面を押した反力を利用するのです。
始動の際に左足で地面を押し、それを右足で受け止めるようなイメージをもってください。フォロー方向から振り戻すように、右手とクラブを右上に一気に放り上げるような感覚です。「ゆっくり上げる」では飛ばせませんよ。
バックスイングの際は、右の背筋を使って体の右サイドを引っ張り上げるイメージ
右足のカカトを浮かせた状態から踏み込み、フォロー側から振り戻してバックスイングするとこの動きを強調して体感しやすい
左足を蹴った力を右足で受け止め、その地面反力で右手とクラブをポンと高く放り上げるようにバックスイングする
Point2:切り返し
バックスイングの力を受け止める
地面反力を使ってバックスイングをしたら、それを切り返しで受け止め、方向転換してダウンスイングに向かいます。
このとき「バックスイングのエネルギーを右手できちんと受け止める」ことができればシャフトをしならせ、インパクトに向けて大きなエネルギーを貯めることができます。
ポイントは右手のグリップ。右手首を甲側に折り、右手の人差し指の付け根と親指で作る「V字」のところでクラブを支えてストッパーにします。右手のグリップが悪いとここでエネルギーロスが生じ、効率が大きく低下してしまうので要注意。
また、切り返しのタイミングも重要で、クラブがトップに達してから切り返そうと思ってももう遅い。バックスイングのかなり早い段階、手元が腰の高さくらいでもう切り返し動作をスタートする感覚が不可欠です。
クラブを受け止めるのは右手の人差し指の付け根。顔の前でクラブを立てて引っ張り、どこにグリップが当たっているか確認してみよう
右ヒジが外側を向いているとクラブを受け止められない。トップで右ヒジは下を向いていることが肝心だ
押し上げた右手でクラブを受け止める
右手1本でクラブを持ち、右の背筋で引き上げるようにバックスイングして右手の形をチェック。右手首は背屈し、ヒジが下向きであることが大事
バックスイングのエネルギーを活かすには、トップに達してから切り返しても遅い。バックスイングで手元が腰まで上がったくらいでもう切り返し動作をスタート
Point3:インパクト
いかに右手に何もさせないか
飛ばしのテクニックの最重要項目がリリースです。切り返しまでに貯めたエネルギーをフォローに向けて一気に開放することでヘッドを加速させます。
しかし、じつはリリースは、「何かをすることよりも何もしない」ことが大事。切り返したあと、いかに右手に仕事をさせないかが重要で、だからこそ難しいポイントでもあるのです。
リリースできず飛ばせないアマチュアの多くは、フォローに向けて余計な力を使いすぎています。インパクトで右手を放してもナイスショットできる脱力感を目指してください。
気をつけるとしたら、エネルギーを開放する方向です。フォロー方向、ターゲット方向ではなく、ボール位置に向かって腕を放り出すようなイメージでリリースできるとスムーズにヘッドが加速し、スピードアップできます。
リリースの方向はターゲット方向ではなくボールのある下方向。体を回転し続けるなかで、腕を下に放り出すようにリリースする
「右手の使いすぎ」はリリースの妨げ!
右手の力感が抜けないと、リリースが遅れ体が先行しすぎたり(左)、リリース方向が左になって(右)振り遅れてしまう
インパクトで右手を放せるくらい右手の力を抜くことが、スムーズなリリースでヘッドを走らせるコツ
まとめ:フィニッシュがバロメーター
バランスのいい下半身(左)リキみのない上体(中央)クラブを振り戻す(右)
飛ばしのテクニックがうまく使えているかどうかの見極めポイントは、フィニッシュに現れます。
フィニッシュまで振り抜いたあと、クラブを胸の前まで振り戻し、バランスよくボールを見送れていれば合格です。
フィニッシュで右足に体重が残り、左足1本でバランスよく立てない人は、バックスイングで地面反力を使えず体重移動がスムーズにできていません。
フィニッシュまで振り切れず「インパクトで終わり」になっている人は、右手の力感が強くリリースができていない証拠。反対に振りすぎてフィニッシュ後にクラブを振り戻せない人は、フォローの力感が過多でリリース方向に問題があります。
このフィニッシュをバロメーターに3つのポイントをチェックして、飛ばしの技術を磨きましょう!
インパクトの力感が強すぎてリリースができないと、ブレーキが強すぎてフィニッシュがとれなくなる
リリースできずフォローまでアクセルが抜けない状態だと、フィニッシュ後にクラブを振り戻せない
バックスイングで地面反力が使えないと体重移動が妨げられ、逆体重の「右残り」の形になりやすい
いかがでしたか? 飛ばしたい方はぜひ参考にしてください。
レッスン=森山錬
●もりやま・れん/1996年まれ。代々木高校ゴルフ部出身でジュニア時代から活躍。19年に「Futako Golf Club」を設立してレッスン活動をはじめ、SNSでの発信も行なっている。
ローリー・マキロイ●1980年生まれ、北アイルランド出身。175cm、73kg。07年に18歳でプロ転向し、欧州ツアーに参戦。09年に初勝利をあげ、11年には全米オープンを制覇。以後、欧・米通算49勝をあげ、昨年はマスターズを制してキャリアグランドスラムを達成した。
ルドビグ・オーバーグ
●1999年生まれ、スウェーデン出身。193cm、86kg。アマチュア世界ランク1位から23年にプロ転向。同年、早くも欧州・米国ツアー両方で初優勝し、24年にはマスターズ2位。25年には米ツアー2勝目をあげる。
構成=鈴木康介
写真=田中宏幸、田辺安啓
協力=取手国際ゴルフ倶楽部
