バイク乗りから見た「ビベルトライク」とは?

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バイク乗りから見た「ビベルトライク」とは?

バイクは好きだけど、ヘルメットを脱いだ後のぺちゃんこな髪型が嫌」とか、「あの開放感は捨てがたいけど、信号待ちのたびに重い車体を支えるのはもう疲れた。」

 そんな、ベテランから初心者まで、多くのライダーが密かに抱えている「バイクにまつわる本音の悩み」に対し、一つの回答を示してくれるのが「VIVEL TRIKE(ビベルトライク)」です。

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 パッと見は、デリバリーなどでよく見かけるホンダ「ジャイロキャノピー」の進化版に見える最新のデザインを纏ったスタイリッシュな三輪スクーター ですが、その中身を紐解いていくと、これまでの「バイク」という概念をいい意味で裏切ってくれる、まったく新しい乗り物であることが分かります。

 今回はバイク乗りの視点から、この「クルマでもない、バイクでもない」第3の選択肢がもたらすリアルなメリットとデメリットを深掘りしていきたいと思います。

 まず、このビベルトライクを語る上で避けて通れないのが、その法的な「立ち位置」の面白さ。

「えっ、バイクの免許はいらないの?」と驚く方も多いと思いますが、この車両を運転するために必要なのは「普通自動車免許(AT限定可)」のみ。

 なぜなら日本の道路交通法では、以下の基準を満たした三輪車両を「自動車」とみなす規定があるためです。

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・3つの車輪を備えていること。
・左右の車輪の間隔(トレッド)が460mm以上あること。
・車体を傾けずに曲がる構造であること。
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 ビベルトライクはこの基準をすべてクリアしているため、法的には「三輪の普通自動車」扱い。

 つまり、大型二輪の免許を必死に取らなくても、クルマを運転できる人なら誰でも公道を走行可能です。

 さらに、ビベルトライクには用途や好みに合わせた複数のラインナップが用意されています。

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・ビベルトライク(3人乗りモデル): 側車付軽二輪登録で、最大3人まで乗車可能なスタンダードモデル。バッテリーの種類により「ST MODEL(鉛バッテリー)」と「Li MODEL(リチウムイオンバッテリー)」の2種類が展開されています。
・ビベルトライクCOCO: よりコンパクトで丸みを帯びたデザインが特徴のモデルです。
・ビベルトラック: 1人乗り専用で、荷台を備えた実用性の高いミニカー登録モデルです。
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 走行性能の面でも、操作感や装備にこだわった「スムースモデル(1500Wモーター)」と、坂道や多人数乗車に強い「パワーモデル(2000Wモーター)」といった選択肢があり、自分のライディングスタイルに合わせて選ぶことができる点も魅力的なポイントとなっています。

 バイクユーザーがこのシートに跨がって、何よりも先に感動するのは「ヘルメットがいらない」という事実。

  法的には「自動車」として扱われるため、標準装備されているシートベルトさえ着用していれば、ヘルメットを被る義務はありません。

 晴れた日の海岸線を、お気に入りのサングラス一つで流していると、風が髪を通り抜け、周囲の景色や空気の香りがヘルメットという「壁」を介さずにダイレクトに伝わってくる。

 この瞬間、バイクともクルマとも違う、トライク特有の「むき出しの自由」を感じることができます。

 もちろん走行中の飛び石や、万が一の転倒リスクを考えればヘルメット装着を推奨したいところですが、「被らなくてもいい」という選択肢があるだけで、精神的なゆとりはまるで変わってくると思いませんか。そんな走りを想像するだけで、ワクワクがこみ上げてきます。

 そして、多くのライダーを立ちごけの恐怖から救ってくれるのが、三輪構造による「自立」の恩恵。

 バイクの場合、乗り慣れたライダーでも、渋滞でのノロノロ運転や、信号待ちのたびに重い車体を足で支える必要があり、地味に疲れが蓄積していきます。

 特にキャンプ道具を積んでいたり、タンデムをしていたりする際は、常に立ちごけの不安が付きまとうもの。

 その点もビベルトライクは停車中でもビシッと自立してくれ、足を地面につける必要すらないので、長距離移動やストップ&ゴーの多い市街地でも、身体的な疲労感はバイクより格段に少なく感じると思います。

 足元がフラットなスクーター型の設計という事もあり、初心者でも「乗る前から疲れる」という心理的なハードルがかなり軽減される構造です。

気になる維持費はどう? バイク乗りだからこそ感じる「もどかしさ」

 維持費の面でも、ビベルトライクは非常に優秀。この車両は電動(EV)モデルが主流で、2026年現在のスペックを整理すると以下のようになっています。

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・区分: 側車付軽二輪(250ccバイク相当)として登録されるため、車検は必要ありません。
税金: 軽自動車税(種別割)は、年間わずか3600円程度です。
ランニングコスト: 満充電(走行距離 約60〜80km分)にかかる電気代は、わずか100円前後です。
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 ガソリン代が高騰し、1リットルの価格に一喜一憂する現代において、この燃料費の安さは圧倒的なアドバンテージではないでしょうか。

 パワー感は125cc〜150ccクラスのスクーターと同等なので、急な登り坂では少し厳しい場面もあるかもしれませんが、普段の足としては十分すぎる性能となっています。

 そんないいことばかりに見えるビベルトライクですが、バイク乗りだからこそ感じる「もどかしさ」も正直にお伝えしなければなりません。

 最大のポイントは、全幅が1000mmを超えているというサイズ感。 これは大型バイクより幅広で、軽自動車よりは狭いという、なんとも「絶妙な」大きさです。

 そのため、渋滞中の車列の脇をすり抜けるのは絶対不可能。バイクのつもりで車列に並んでいると、「あれ?これなら普通にクルマに乗っているのと変わらないかも?」というストレスを感じることは否めません。

ルーフに荷物を積載することもできる

 また、走行中に後続車に道を譲りたくても、三輪なのでバイクほど端に寄ることができず、少し申し訳ない気持ちになるプレッシャーを感じることもあるでしょう。

 さらに、最大の障壁は「駐車場問題」。

バイク用駐輪場に停めればいいや」と安易に考えてはいけません。多くの駐輪場は「二輪車」を対象としており、幅のあるトライクは門前払いされるケースがほとんど。

  法的には自動車なのでクルマ用の駐車枠に停めるのが正解ですが、あまりにコンパクトなため、少しもったいない気がしてしまいます。

 また、車庫証明は不要ですが、マンションなどの保管場所についても「バイク枠には入らず、クルマ枠はもったいない」という板挟みになりがちな点は、事前にしっかり確認しておく必要があります 。

 そんなメリットとデメリットを天秤にかけた時、ビベルトライクが見せてくれる景色は、バイクの「尖った利便性」を少し削ぎ落とす代わりに、「心の余裕と、誰もが楽しめる自由」を付け足した世界観。

 渋滞でのストレスや駐車場の悩みは確かに増えるかもしれませんが、そんな不便さを補って余りあるのが、ノーヘルで海岸線を流す爽快感です。

 それは、ストイックに走りを追求するバイクでも、効率を重視するクルマでもない、第3のカテゴリー「トライク」だからこそ味わえる特別な体験と言えるでしょう。