高校野球「DH制」導入へ 戦力差が広がる可能性も…現場から歓迎と警戒の声
この春、高校野球の戦い方が大きな転換期を迎えます。ピッチャーに代わって打撃専門の選手が出場できる「DH(指名打者)制度」が、いよいよ公式戦で導入。新たなルールによって高校野球はどう変わるのか。現場の声を取材しました。
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導入の狙い
指名打者制度は、メジャーリーグやプロ野球のパ・リーグですでに採用され、セ・リーグでも2027年からの導入が決定しています。
こうした流れを受け、日本高野連は3月19日に開幕するセンバツ甲子園から導入することを決めました。その主な目的は、投手の負担軽減と選手の出場機会を増やすことです。
最も体力を消耗する投手の負担を減らすことで、熱中症対策につながることが期待されます。また、これまで出場機会が少なかった選手が、打撃力を生かして試合に出場でき、練習の成果を発揮する機会が増えるとしています。
現場の投手が寄せる期待
大分県内屈指の実力を誇る大分舞鶴高校の河室聖司監督は、野球の魅力が増すことに期待を寄せています。
河室監督:
「野球が変わると思います。今まで以上に得点の期待値が上がる。DHが導入されることによって、ピッチャーを含めた総合力の勝負になると考えています」
マウンドに立つ選手たちからも、歓迎の声が上がっています。
浦松里吏投手(2年):
「疲労のことを考えると、DHがあるのとないのとでは全然違うので、ピッチングに集中できるのでありがたいです」
久知良晃誠投手(2年):
「自分はバッティングに波があるので、バッティングが得意で、安定して結果が出せる人が入れば、もっと勝てるのではないかと思います」
戦力格差へ警戒…選手層の厚さがカギに
今回の導入でポイントとなるのは、DH制を使用するかどうかが各チームの判断に委ねられている点です。
DH制度は、試合開始前にオーダー表で申告する必要があります。これまで通り投手が打席に入ることも可能ですが、その場合は試合途中からDHを導入することはできません。また、先発投手がDHを兼ねる、いわゆる「大谷ルール」も採用されています。
こうしたことから現場では、選手層が厚いチームとの戦力差が広がるのではないかと警戒する声も上がっています。
河室監督:
「打つことに特化した選手が多ければ、DH制は効果を発揮すると思うのですが、県立高校ではピッチャーもバッティングが良い選手が多いので、春先に一度試してみて検討したい」
ルールの変更が競技の魅力向上と選手のレベルアップにつながるのか。大分県内の公式戦では、3月21日に開幕する春の九州大会予選から指名打者制度が運用されます。
