相場展望3月5日号 米国株: VIX指数の高さ、イラン軍事侵攻、インフレ再燃懸念と難問題 日本株: 日経平均は3日間▲4,605円安->値ごろ感で買い直し予想->米国NYダウの軟調もあり、警戒を忘れずに
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)3/2、NYダウ▲73ドル安、48,904ドル 2)3/3、NYダウ▲403ドル安、48,501ドル 3)3/4、NYダウ+238ドル高、48,739ドル【前回】相場展望3月2日号 米国株: イラン攻撃で原油価格高騰⇒高値の株価下落は避けられず 日本株: 「衆院選・高市トレード・戦略17分野」と高騰⇒負要因に注目
●2.米国株 :恐怖指数の高水準、イラン軍事侵攻、インフレ再燃の懸念と難問題抱える
1)恐怖指数(VIX)は高値警戒水準「20」を超え、警戒感示す ・SP‐VIXの推移 2/25 17.93 3/02 21.44 3/03 23.57 3/04 21.15・不安心理が高まった状況を示す「20」を上回った。3/4はNYダウの上昇で、21.15まで低下した。しかし、依然として「20」台にあるため、慎重さが求めらる。
2)イラン軍事衝突は短期で終了するか? 長期化は間違いない。 ・宗教が絡んだ戦闘は、長期化する。 ・十字軍は、1096年〜1270年までの約200年の間に7回(8回説も)遠征した。つまり、宗教が絡んだ戦闘は長期化する。 ・人口は約80百万人と多く、領土は中東で2番目と大きい164.8万km2。イランの軍事要員は61万人とも言われている。 ・このイランをトランプ米国大統領の指揮下に置くには、地上戦が避けられない。トランプ氏には米国大統領としての残任期が2年10カ月しかない。しかも、米国民の多数がイランとの闘いに賛成していない。結局は、トランプ氏は「短期戦」での戦闘しかない。 ・しかし、イランはトランプ氏の足元をみた交渉となろう。つまり、年間単位での闘争になるとみられる。イランとの闘いは、(1)ベトナム戦争(2)ロシアのウクライナ侵攻(3)アフガン戦争の範疇の戦闘と、同様になる可能性が高い。
3)トランプは、エプスタイン事件から目をそらすために、イラン攻撃を行った ・トランプ氏は、大統領選においてエプスタイン事件の全面公開を表明したため、多数の投票を手に入れた。しかし、いざ、2期目の大統領に就任したとたん、非公開に転じた。理由は、エスプタイン資料に大量のトランプ氏の名前があるため、拒みたかったようだ。
4)金価格は3/2、5,311ドルと最高値、リスク回避の強まり ・金価格の推移 2/02 4,852ドル 2/17 4,905 3/02 5,311 3/04 5,134
・米国・イスラエルのイラン攻撃でリスク回避の金が買われた。
5)イラン攻撃がもたらしたもの「インフレ懸念・ドル高」⇒「金・銀は急落」 ・有事の「ドル買い、金買い」。 ・原油高の高騰で、「インフレ再燃に火が付く」可能性。輸送費の上昇、コストアップなどで、製品・商品の値上がりに直結するため消費支出の減退も予想される。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)3/2、上海総合+19高、4,182 2)3/3、上海総合▲59安、4,122 3)3/4、上海総合▲40安、4,082■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)3/2、日経平均▲793円安、58,057円 2)3/3、日経平均▲1,778円安、56,279円 3)3/3、日経平均▲2,033円安、54,245円●2.日本株:日経平均は3日間で▲4,605円安⇒値ごろ感で買い直しを予想⇒米国NYダウの軟調もあり、警戒を忘れずに
1)日経平均は3日間で▲4,605円安⇒値ごろ感で買い直しを予想 ・日経平均の推移 2/17 58,850円 3/04 54,245 下落幅 ▲4,605円 下落率 ▲7.82%
・下落の推移 3/02 ▲793円安 3/03 ▲1,778 3/04 ▲2,033
・陰の極にある ・日経VI(恐怖指数)の推移 2/27 27.33 3/02 34.99 3/03 29.98 3/04 53.05 ・値上がり・値下がり銘柄数は、値下がり数が約9割と圧倒 値上がり数 値下がり数 3/02 340 21.3% 1,223 76.6% 3/03 70 4.3% 1,515 94.9% 3/04 124 7.7% 1,449 90.8%
・25日移動平均線の55,945円を割り込んだ54,245円と3/4はなったため、いったんは買い直しが入る水準にある。 ・3/4の米国株の上昇も、買い安心感が増し、追い風になる。
2)米国株は軟調が続くため、日経平均は慎重な見方が望ましい ・NYダウの推移 2/17 49,533ドル 3/04 48,739 差異 ▲794ドル安・▲1.60%安
・日経平均は「衆院選⇒高市トレード⇒戦略17分野」を種に海外短期投機筋が先物主導で急伸させた。米国株が軟調に推移したため、日経平均は3/2〜4の下げで調整したとの見方もできる。
・ただ、この3日間の大幅下落の揺り戻しがあっても、3/5の株価上昇を素直に喜べない。警戒心を持って臨みたい。
3)日本の原油は中東依存度が高いため、原油高⇒インフレ懸念が強く株価に逆風
4)日経平均寄与度上位5銘柄の推移 (1)3/2、日経平均▲793円安、寄与上位5銘柄で▲511円安・占有率64.43% ・寄与上位5銘柄 寄与下げ額 株価下げ額 アドバンテスト ▲281円安 ▲1,050円安 ファーストリテイ ▲103 ▲1,280 東京エレクトロン ▲48 ▲480 TDK ▲44 ▲88 ソフトバンクG ▲35 ▲43 合計 ▲511円安
(2)3/3、日経平均▲1,778円安、寄与上位5銘柄で▲554円安・占有率31.15% ・寄与上位5銘柄 寄与下げ額 株価下げ額 ファーストリテイ ▲229円安 ▲2,860円安 TDK ▲122 ▲242 東京エレクトロン ▲93 ▲930 ファナック ▲60 ▲361 イビデン ▲50 ▲750 合計 ▲554
(3)3/4、日経平均▲2,033円安、寄与上位5銘柄で▲882円安・占有率43.38% ・寄与上位5銘柄 寄与下げ額 株価下げ額 アドバンテスト ▲328 ▲1,225円安 ソフトバンクG ▲229 ▲286 東京エレクトロン ▲192 ▲1,910 ファナック ▲67 ▲402 フジクラ ▲66 ▲1,975 合計 ▲882
・下げに牽引したのは半導体関連銘柄であるが、下落の占有率は43.38%と高くはない。下落が広範囲な銘柄まで及んでいる。
・日経平均下落を牽引したのは海外短期投機筋の株価先物売りが主導した。海外勢にとっては、3日間で日経平均が▲4,605円の下落は、再び買い直しのチャンスと捉えやすい。3/5は反騰ののろしを上げるだろうが、問題は持続性である。反騰の支持線となる25日移動平均線にタッチしたが、その下の支持線は200日移動平均線の46,269円である。200日移動平均線に到達するには3/4終値比で▲7,976円の下落が必要だ。このため、当面は25日移動平均線が底値として意識されるだろう。ただ、200移動平均線の46,269円は頭の片隅に置いておきたい。
●2.ニデック、不正会計による減損は▲2,500億円の恐れ、第三者委員会「永守氏も容認」(朝日新聞)
●3.シティグループ、日本株を「格下げ」・英国株を格上げ(日本証券新聞)
1)シティーグループは3/2、米国によるイラン攻撃を受け、 ・日本株の投資判断を「オーバーウェート」⇒「アンダーウェート」に、原油高局面で引き下げ、英国株を「アンダーウェート」⇒「オーバーウェート」引上げた。■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・8136 サンリオ 業績向上期待 ・9602 東宝 業績向上期待執筆者プロフィール
中島義之 (なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou
