「サトテル」が「村上宗隆」の控え? 「菊池雄星」「菅野智之」が先発起用? 「侍ジャパン」の不安要素は「井端監督」の“メジャー組・過大評価”
3月6日の初戦に向け、侍ジャパンの調整が最終段階に来た。国内組が出場した壮行試合4試合を終え、メジャー組も交えた強化試合もスタート。が、ここに来て気になるのが井端弘和監督の選手起用法である。メジャー組偏重とも言える采配が予想され、不安の声も上がっているという。
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足をすくわれる危険性が
WBCで大会連覇を狙う侍ジャパンで際立つのは佐藤輝明、森下翔太の「阪神コンビ」の活躍だ。対外試合で共にアーチを放つなどバットが振れているが、メジャー組が合流する本大会は控えに回る可能性が高い。投手陣も36歳右腕の菅野智之(ロッキーズ)が8日の1次ラウンド・豪州戦(東京ドーム)で先発することが有力視されている。予備登録メンバーにもメジャーで通用していると言い難い小笠原慎之介(ナショナルズ)を入れるなど、井端監督がメジャー組に絶大な信頼を置いているが、「過大評価している」の危惧も。実力主義からかけ離れると、台湾、韓国と対戦する1次ラウンドで足をすくわれる危険性がある。

順調なサトテル&森下
佐藤&森下が阪神のみならず、侍ジャパンでも主力の貫録を見せている。2月22日の壮行試合・ソフトバンク戦(サンマリン)に「4番・三塁」で出場した佐藤は5回2死一、三塁から中越え2点適時二塁打を放つなど猛打賞5打点の大暴れ。「5番・左翼」で先発出場した森下翔太も5回裏2死二塁で左越え2ランを放つなどマルチ安打4打点をマークし、2人で計9打点を叩き出した。
佐藤は2月27日の壮行試合・中日戦(バンテリン)でも初回に先制の3ラン。1死一、二塁の好機で柳裕也の内角低めに食い込む難しいカットボールを右翼席に叩き込んだ。侍ジャパンで出場した壮行試合4試合の実戦で、すべて4番、三塁で出場し、打率.364、1本塁打、8打点と好成績をマークしている。森下も兄貴分の活躍に刺激を受けているだろう。翌2月28日の同戦で2回に左越えソロ。バンテリンドームに新設された「ホームランウイング」第1号となる一撃を放ち、佐藤とベンチで笑みを浮かべた。こちらも壮行試合4試合で打率.308、2本塁打、5打点と順調な仕上がりぶりを見せている。
倍増したメジャー組
ただ、2人がWBC本大会で名を連ねるかは疑問符が付く。
「井端監督はメジャー組が大好きですからね。外野は近藤健介、周東佑京(共にソフトバンク)のほか、鈴木誠也(カブス)、吉田正尚(レッドソックス)も入ってくるので森下の立場は厳しい。佐藤も村上宗隆(ホワイトソックス)と三塁のポジションが重なる。打力で村上に引けを取らないですし、三塁の守備力では佐藤の方が明らかに上です。村上はホワイトソックスで一塁起用されるため、スプリングキャンプでは三塁の守備に力を入れていない。国際試合ではディフェンスで一つのミスが命取りになるので、佐藤を三塁起用した方がいいと思うのですが…」(侍ジャパンを取材するスポーツ紙記者)
また、
「村上を一塁、岡本を三塁で起用の選択肢もありますが、村上は一塁の守備も決して巧いとは言えません。岡本を一塁、佐藤を三塁の方が内野全体の守備力は高いです」(同)
菅野を選ぶなら…
今大会、侍ジャパンのメジャー組の人数は8名(辞退した松井裕樹を除く)で過去最多だ。前大会の4名(辞退した鈴木誠也を除く)と比べても倍増している。
井端監督がメジャー組を重宝する姿勢は投手陣の起用法にも表れている。1次ラウンドの先発ローテーションは初戦の台湾戦が山本由伸(ドジャース)、第2戦の韓国戦が菊池雄星(エンゼルス)、第3戦の豪州戦が菅野の公算が高く、NPBで活躍する宮城大弥(オリックス)、種市篤暉(ロッテ)は第2先発に回る。在京球団の分析班はこの起用法に首をかしげる。
「韓国は直球に強い。パワーピッチャーの菊池より変化球を織り交ぜてゲームメーク能力が高い宮城の方が攻略されにくいと思います。菅野に関しては侍ジャパンのメンバーに選出されたことが驚きでした。メジャー移籍1年目の昨年はオリオールズで157イニングを投げましたが、直球が140キロ台中盤と全盛期より落ちた影響でアリーグワーストの33被弾を喫しました。米国や中南米の強豪国と対戦する決勝ラウンドは怖くて使えないでしょう。菅野を選ぶなら、リリーフの層を厚くした方がよかったのでは」
3月2日に行われた強化試合・オリックス戦(京セラドーム)でも、先発した菊池は初回に3失点を喫するなどピリッとしなかった。
最大の懸案事項は
今大会の侍ジャパンで最大の懸案事項に挙げられているのが、救援陣だ。平良海馬(西武)、石井大智(阪神)、松井裕樹(パドレス)が故障で次々に出場辞退。先発投手が多く選出されている中で、純粋なリリーバーは大勢(巨人)、松本裕樹(ソフトバンク)、藤平尚真(楽天)の3人しかいない。抑えの有力候補とみられる大勢は27日の中日戦に9回から登板したが、2死一、二塁のピンチを招くと右ふくらはぎをつって緊急降板と不安を残した。
現役時代にリリーバーを務めた球界OBは表情を曇らせる。
「大勢は昨年11月の強化試合・韓国戦でも9回に同点ソロを浴びて救援に失敗している。投球内容を見ても安定しているとは言えません。抑え候補だった平良、石井が故障で離脱した誤算はありましたが、そもそもリリーバーが少なすぎる。予備メンバーから選出された隅田知一郎(西武)、金丸夢斗(中日)は共に先発投手です。試合の途中から登板する中継ぎは独特のリズムがあるので、先発と調整法がまったく違います。試合の中盤に投げる第2先発は必要ですが、終盤を任せる投手は中継ぎ専任の投手の方がいい。小笠原を予備登録メンバーに選出したことも疑問符が付きます。昨年はナショナルズで23試合登板して防御率6.98とメジャーで通用しているとは言い難い。菅野、小笠原はメジャーの打者から見れば『チャンスピッチャー』です。NPBは能力の高いセットアッパー、抑えがいるのに選ばないのはもったいないですよ」
今回の侍ジャパンで及川雅貴(阪神)が選考から漏れ、杉山一樹(ソフトバンク)は予備登録メンバーだった。阪神とソフトバンクは選手が大量選出されていることが背景にあったかもしれないが、両球団以外にも田中正義(日本ハム)、田中瑛斗(巨人)、荘司宏太(ヤクルト)、山田陽翔(西武)、高野脩汰(ロッテ)などNPBで結果を残しているリリーバーたちがいる。
「メジャー組を過大評価していないか」。井端監督への懸念が杞憂に終わればいいが、果たして――。
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デイリー新潮編集部
