“ちょうこくしつ座”の美しき棒渦巻銀河 ハッブル宇宙望遠鏡が観測した「NGC 613」
こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した棒渦巻銀河「NGC 613」。
ちょうこくしつ座の方向、約6700万光年先にあります。
明るい中心部から真っすぐ伸びた棒状構造と、その先につながる青い渦巻腕(渦状腕)が見事に捉えられています。
ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のESA/Hubbleは、このNGC 613を「棒渦巻銀河の美しき一例」として紹介しています。

銀河の形成と進化で役割を担う棒状構造
棒渦巻銀河とは、中心部に棒状の構造が存在する渦巻銀河のこと。私たちが住む天の川銀河をはじめ、渦巻銀河のうち約3分の2には棒状構造があるとされています。
こうした棒状構造は、銀河に含まれるガスを銀河円盤から中心部へと導く役割を果たしていると考えられています。中心部に送り込まれたガスは新たな星の材料になるか、中心部に潜む超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)が取り込むことになります。
その一方で、棒渦巻銀河の中心部や渦巻腕では星形成活動が活発でも、棒状構造そのものでは星形成活動が抑制されている可能性を示した研究成果も発表されています。過去の銀河よりも現在の銀河のほうが棒状構造を持つ割合が多いとする研究もあり、銀河の形成と進化を考える上で、棒状構造は重要な手がかりになっています。
冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で取得したデータを使って作成されたもので、ESA/Hubbleから2021年1月11日付で公開されました。
本記事は2021年1月14日公開の記事を再構成したものです。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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