パーツだけで「約1300万円」!? ホンダの「フル無限仕様 ピュアスポーツ」どんな仕様? 「尖ったパーツ」で“武闘派”になった「シビックタイプR」! 2種類の無限パーツを比較!
「シビックタイプR」に設定される2種類の「フル無限仕様」はいかに?
ホンダのスポーツカー「シビックタイプR」には、「無限」ブランドのアイテムが多数用意されています。
このうち、ストリート向けの「Group.A(グループA)」とサーキットなどでパフォーマンスを発揮する「Group.B(グループB)」それぞれのシリーズを乗り比べてみました。
ホンダディーラーで購入可能なカスタマイズパーツの1つが「無限」です。
【画像】超カッコイイ! これが「シビックタイプR ”フル無限仕様”」です! 画像で見る(30枚以上)
日産「NISMO」、スバル「STI」と同じ、ワークスチューナーと呼ばれるジャンルに位置するも、実はホンダとの直接的な資本関係はなく、“パートナー”という関係です。
元々、ホンダのモータースポーツ活動を支える会社として創業されましたが、当時の初代「CR-X」用アイテム(CR-X Pro)を皮切りに、アフターパーツ事業に参入。
当初はサードパーティ(社外品)と同じ扱いでしたが、品質・耐久などが評価され、ホンダ全店舗での取り扱いを開始。さらに初代「ストリーム」の頃から純正アクセサリーと同じように新車と並行して開発を行う体制を取っています。
ただし、純正のようで「純正でない」強みを活かし、純正アクセサリーよりも自由かつ尖った商品が多いのが特徴です。
その中でも、現行型シビックタイプR(FL5)用のパーツは、モータースポーツ直系のこだわりアイテムを豊富にラインアップしていますが、走行シーンやユーザーニーズに合わせて2つのシリーズを設定しています。

1つ目がストリートに軸足を置いた「グループA」です。
注目のパーツは、ノーマルのバランスを崩すことなくダウンフォース25%アップを図るエアロパーツ、正確な操作をサポートするフルバケットシート&ステアリング、車体の振動を減衰させ、本来の性能を引き出すパフォーマンスダンパー、ノーマル比10kg軽量のBBS製鍛造アルミホイール「FR10」、フィールとサウンドをアップデートさせるスポーツエキゾーストなどを装着しています。
見た目は武闘派ですが、走り始めるといい意味で無限っぽくないと感じます。
具体的にはより自然で滑らかになったステアリングフィール、軽やかでスムーズなバネ下の動きと、無駄な動きが抑えられ、落ち着きの増したバネ上の動きのバランス、まるで重量配分が変わったかのような4つのタイヤをより上手に使ったコーナリング姿勢などを実感。
乗り心地は同じミシュランのタイヤながら、「パイロットスポーツ4S」から「パイロットスポーツCUP2」と、よりスポーツ性を重視した銘柄に交換されていますが、「ちょっと引き締められたかな?」というくらいに抑えられていました。
このように、多くの伸びしろを感じたものの、カスタマイズモデルにありがちな「パーツを交換しました!」というわかりやすさはなく、各パーツがクルマに上手に溶け込んで車両全体がバランスよくレベルアップしている印象です。
この辺りはホンダに近い存在ながら、俯瞰して見ることができる無限の“強み”が出たと思っています。
ちなみにシビックタイプRにはドライブモードセレクトが装備されていますが、上記のような印象から、スポーツはよりスポーツらしく(より路面に張り付く感じ)、コンフォートはよりコンフォートらしく(より路面をいなす感じ)なったかなという印象です。
「パーツ単体1280万円」のグループBの印象は?
グループAは良い意味で「大人な無限」に仕上がっていますが、昔のような「大人気(おとなげ)ない無限」を求めるユーザーもいるでしょう。
そんな人たちに提案するのが、サーキットに軸足を置いた「グループB」です。

注目のパーツは、グループAと異なるカーボン製のエアロパーツ/エアロボンネット/フロントエアロフェンダー、純正比マイナス8.75kgのスポーツチタンエキゾーストシステム、ローター径を拡大しながら純正同等の重量を実現させるパイパフォーマンスブレーキシステム(ブレンボ製鍛造6ポッドキャリパー+ブレーキパッド+ブレーキホース)です。
さらにグループAにも採用するBBS製鍛造アルミホイール(タイヤはミシュラン パイロットスポーツ4Sからブリヂストン「ポテンザRE71RS」に交換)、フルバケットシート&ステアリングも装着されています。
このモデルはクローズドコースのみの試乗でしたが、その仕上がりはタイプRの「サーキットベスト」の濃度をより高めたもので、イメージ的にはかつての「NSX R」や初代「インテグラ タイプR」(DC2型)、FD2型(3代目)シビックタイプRのような、男気ある「タイプRらしいタイプR」が戻ってきたといった印象でした。
切れ味鋭いステアリングフィール、無駄を削ぎ、とにかく素早く旋回を完結させようとするハンドリングとより強力なダウンフォースの相乗効果で、路面に吸いつくようなコーナリングを実感。
グループAではちょっとオーバースペックに感じていたフルバケットシートは、グループBでは必須アイテムです。
当然コーナリングスピードは上がっていますが、それがゆえにリアの動きが大きすぎて時折ナーバスな挙動を出すシーンも。より完成度を高めるには、サスペンションにも手を入れる必要があるでしょう。
個人的には純正ダンパー(ZF製)の懐の深さを活かした、「スバルeチューン」のような“無限専用セットアップ+専用スプリング”の組み合わせを期待したいところです(ドライブモードセレクトもそのまま使えるのでメリットも大きい)。
チタンマフラーは、アクセルを踏んだ時のツキの良さに加え、音量控えめながらもチタン特有の乾いたサウンドも相まって、数値よりも官能面での良さを実感。
ブレーキは絶対的な効きを試せる速度域では走ることはできませんでしたが、mm単位でコントロールが可能なくらい繊細なタッチとフィーリング、そしてキャパシティの高さはサーキットでは大きな武器になってくれるはず。ただし、若干のブレーキ鳴きは覚悟が必要ですが…。
ちなみに、グループBの試乗車パーツ総額は約1280万円。ここに車両本体を足すと、約1900万円というスーパープライスとなります。
「いくらシビックタイプRでもこの値段はあり得ない!」という声も聞こえそうですが、無限に聞くと「海外からの問い合わせは非常に多いです」とのことでした。
つまり、「タイプRらしいタイプRにするためならお金は惜しまない」という世界のファンは多いようです。
ただ、個人的にはここまでやるなら、本当の究極を目指してパワートレインを含めたトータルチューンのコンプリートカーに仕立てて販売しても良いと思いました。
実際、無限は過去にFD2型シビックタイプRがベースの「無限RR(ダブルR)」を限定発売しています。
現行シビックタイプRでそれらのモデルを遥かに超える「無限RRR(トリプルR)」。そんな仕様を出してみるのはいかがでしょうか。
