新型コロナ後遺症20歳の誓い

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年明け、各地で開かれた二十歳を祝う会。
長野県岡谷市には、特別な思いを胸に晴れの日を迎えた女性がいました。

【山田幸奈さん】
「きれいだね」
【友人】
「幸奈ちゃんも似合っているよ」
【山田幸奈さん】
「ありがとう」

取材を続けて2年半―。
この日の笑顔が一番輝いて見えました。

【山田幸奈さんの母:笑子さん】
「やっぱりうれしいよ。長く入院していて、どうなるかなと思っていたから。」
【山田幸奈さん】
「ワクワク」

一時は、あきらめかけていた二十歳を祝う会への出席。
ひとつの夢が叶いました。

岡谷市の山田幸奈さん。
高校2年生だった2022年、新型コロナに感染、それから3年以上もの間、体が動きません。

【山田幸奈さん】
「諦めない心と、早く動けるようになりたいのもある」

新型コロナ後遺症と闘う二十歳の誓いです。

今年の元日。
できることなら、この初日の出に向かって願いを込めたかった―。
でも今は、それさえも難しくなっていました。

【山田幸奈さん】
「明けましておめでとうございます」

岡谷市に住む、山田幸奈さん19歳。
2月に二十歳を迎えます。

【山田幸奈さん】
「振り袖。振り袖が楽しみです」

幸奈さんがずっと、楽しみにしていること、それが、振り袖を着て「二十歳を祝う会」に出席することです。

でも、体が言うことを聞いてくれません。

高校2年生だった2022年の9月に新型コロナに感染。
その直後から、体が動かなくなり、1日の大半をベッドの上で過ごしています。
今も、味やにおいを感じません。倦怠感も続いていて、医師からは、「新型コロナ後遺症」と診断されています。

今から10年前の、幸奈さんです。

【山田幸奈さん(当時9歳)】
「ママのことが好きだよ。授業参観日にも来てくれてありがとう」

小学校で開かれた2分の1成人式で、感謝を伝えてくれた娘の姿に母は涙したといいます。

3年以上前の新型コロナ感染をきっかけに、それまでの日常を失ってしまった幸奈さん。

高校へも月に2、3回しか通えませんでした。

そんな幸奈さんがずっと憧れていた晴れ着姿。

母・笑子さんは、なんとかその夢を実現できないかと模索していました。

【母・笑子さん】
「小学校の2分の1の成人式の時も感動したけれど、また本当の成人式の姿というのはその時から楽しみにしていたので、その姿は親としては見たい」

笑子さんは、体が動かない娘に晴れ着を着付けてくれる店を探しました。

【着付けスタッフ】
「おはようございます」

協力してくれたのは隣町にある店。
横になったままでも着替えられるようにベッドが用意されました。
通常よりも多い5人のスタッフで幸奈さんの着付けを担当します。

メイクやヘアスタイルもオシャレに…

1時間ほどかけて、憧れだった晴れ着姿に…。

【母・笑子さん】
「きれい」「ウフフフフ」

(岡谷市・二十歳を祝う会)
今年度、岡谷市で二十歳を迎えるのはおよそ500人。
雪が舞う中、若者たちが新たな誓いを胸に歩み出しました。

幸奈さんも車イスで会場入り。
念願の振り袖姿で迎えた晴れの日です。

中学時代の恩師や高校時代の友人たちとも久しぶりの再会。

【高校時代の友人】
「お母さんからもらって(プレゼント)渡しておいたから」
【山田幸奈さん】「ありがとう」
【中学校時代の恩師】
「少しずついろいろな経験して、大人になっていくから、しっかり今できること、やりたいこととかもがいて中学校の時のようにもがいて、やっていけばいいかなと」

久しぶりに幸奈さんの笑顔がはじけました。

【山田幸奈さん】
「諦めなければ何だってできることを広めていきたい」
「(頑張る姿を見せて)同じように苦しんでいる人の光になりたい」

≪:20歳を迎える娘へ≫

【母・笑子さん】
「みんなと違う(二十歳の)スタートを切るけど、幸奈は幸奈なりのペースでいいから、前向いてあきらめないで進んでいってね」
【山田幸奈さん】「は~い」
【母・笑子さん】
「絶対よくなるから」「ママは幸奈の頑張っていることずっと見てきているからさ。つらい思いこれからもう少しあるかもしれないけれど、すてきな20代スタート切って」
【山田幸奈さん】
「は~い」