[11.18 キリンチャレンジ杯 日本 3-0 ボリビア 国立]

 途中出場から2ゴールに関わる結果を残してみせた。日本代表MF中村敬斗(スタッド・ランス)は後半22分の出場から1ゴール1アシスト。「3人同時に途中交代で入って、上田(綺世)選手と町野(修斗)選手と流れを変えられた」と手応えを語った。

 ベンチスタートの中村は後半22分からFW上田綺世、FW町野修斗とともにピッチに入った。これまでメインで務めてきたWBではなく、町野とともにシャドーでの起用。森保一監督からは「よりゴールに近いから、ゴールを果敢に狙っていってほしい」という指示を受けた。

 役割を見事に全うした。投入4分後の後半26分、右サイドでMF堂安律がボールを収めると、中村はPA右のスペースに進入。「WBだったらパスを出すほうに回る。シャドーならではの動き出しだった。堂安選手がいいパスをくれてポケットを取れた」(中村)。深い位置まで入り込み、最後は強烈な折り返しのパス。「クロスはもう仲間に当てに行きました」と放ったボールは、ニアサイドに詰めた町野がしっかりと決め切った。

 アシストから7分後の後半33分、中村は自らゴールも決める。PA左に入り込んだ上田が折り返したボールを、中村はPA中央で受けた。「あのタイミングで受けたときは自分の形を持っている」。そう胸を張る中村は、後方からのプレスを「イメージしていた」形で引きながらかわしきる。すかさず右足を振り抜き、鋭い弾道をゴールネットに突き刺した。

 歴史的勝利を収めたブラジル戦での同点ゴール以来2試合ぶり、国際Aマッチ10点目で二桁の大台に乗せた。

 改めて、ブラジル戦の勝利の価値を噛みしめる。「間違いなくチームの自信になっていた。でもブラジル戦で勝ったことで、その後の試合で勝利することがすごく大事とみんな言っていた。そういった中でガーナ、ボリビアと2連勝したことはでかい」。今年最後の活動を連勝で終えたことに、安堵の表情を浮かべていた。

 W杯アジア最終予選は出場8試合中6試合でベンチスタートだった。一方で直近3試合は先発していたが、ボリビア戦はベンチから始まった。強烈な個性の中でスタメン争いが続くが、中村は途中出場で結果を出す意味も見出す。

「もちろんみんなスタメンで出たい気持ちもあるし、レギュラー争いもある。だけど、途中出場した選手が試合を決めること、今日みたいに追加点を決めることもある。いかに途中出場の選手が試合を変えられるか。そういうのもすごく大事。最終予選は基本的にベンチにいて途中出場も多かったし、そこは意識していた。必ずしもスタメンで出ることがいいとは思わないし、自分に与えられた役割はある。そこはやるだけ」

 今年最後の活動を終え、次の活動は4か月後の来年3月。中村はフランス・リーグドゥ(2部)の戦いに戻る。「ほかの代表選手に比べたらどうしてもリーグレベルは落ちる。意識的に流されないことが大事だと思うし、違いを見せて結果を残し続けるというのは自チームに帰っても必須」。次の招集まで、そしてW杯イヤーに向けて研鑽を続けていくつもりだ。

(取材・文 石川祐介)