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始まりは2020年『アウディeトロン』

アウディのBEV『eトロン』シリーズがゆっくりと、しかし確実にラインナップを拡充している。

【画像】見た目も走りも『らしさ』溢れる!アウディQ6 eトロン 全98枚

最初に国内で発売されたのは、その名も『アウディeトロン』のモデル名を掲げて2020年にデビュー。続く2021年には4ドアクーペの『eトロンGT』をリリース。そして2022年にコンパクトSUVの『Q4 eトロン』を発売すると、2023年には初代eトロンにマイナーチェンジを実施するとともに、『Q8 eトロン』へと改名。


今年3月に日本導入された『アウディQ6 eトロン』。    平井大介

さらに今年は3月に『Q6 eトロン』、7月に『A6 eトロン』をローンチし、計5モデルのeトロンをラインナップするに至った。

このうち、今回は日本で乗れるeトロンとしては最新作にあたるQ6 eトロンで都内から群馬県までのおよそ100kmをドライブし、その実力を探ってみることにした。

試乗したQ6 eトロンは『アドバンスド』というグレードのエアサスペンション装着車。車両本体価格は998万円だが、ラグジュアリーパッケージ(64万円)、テクノロジーパッケージ(63万円)、Sライン・パッケージ(56万円)、ファンクションパッケージ(12万円)、パノラマサンルーフ(25万円)、プラズマブルー・メタリックの追加料金(9万円)をオーダーすると総額は1227万円に達する。

ひと目でアウディとわかるクリーンさ

もっとも、スペックは十分以上で、BEVでもっとも気になる後続距離は644km(WLTCモード)と十分な『脚の長さ』を確保。前後に計2基のモーターを搭載したシステム最高出力も285kW(約387ps)と、約2.4トンのボディを走らせるには十分以上のパワーを誇る。ちなみに本国発表の資料によれば、0-100km/h加速は5.9秒でクリアし、最高速度は210km/hに達する。

エクステリアデザインは、ひと目でアウディとわかるクリーンかつ端正なタイプ。フロントエンドはデザイン要素が多くてややビジーな印象も受けるが、プロポーションの美しさはアウディならではのもの。


リアクォーターから眺めたときのバランスが良く、どの角度か眺めても造形的に破綻しないと筆者。    平井大介

とりわけリアクォーターから眺めたときのバランスの良さが秀逸で、どの角度か眺めても造形的に破綻しない点は相変わらず感心させられる。こうしたデザイン処理のうまさは、個人的にドイツ・プレミアム御三家のなかでもピカイチだと思う。

インテリアでは異形ステアリングホイールや湾曲した大型ディスプレイが目を惹くものの、奇をてらったところは見当たらない。

乗り込んでから発進するまでのオペレーションにしても、BEVだからといって特別なことはなく、ブレーキペダルを踏んでからスタートスイッチボタンを押し、Dレンジを選択してからスロットルペダルを踏み込めばスルスルと走り出すといった具合で、ごくごく標準的。スイッチ類もあるべきところにあるべきものがあって、戸惑うことは少ない。

100kmの道のりもあっという間

走り出してからの印象も、いかにもアウディらしいものだった。

最新のアウディ製エンジン車が軽く弾むような乗り心地をもたらすのに対して、BEVのQ6 eトロンはしなやかななかにもドッシリとした感触が伝わってきて、極めて快適。高速道路での直進性も良好で、およそ100kmの道のりもあっという間のことのように感じられた。


走り出してからの印象も、いかにもアウディらしいもの。    平井大介

アウディらしいごく自然な印象という意味では動力性能も同じこと。アクセルペダルの踏み込み初期のレスポンスを敢えて過敏にしてBEV特有の急発進を容易にするような味付けにせず、あくまでもエンジン車に乗っているのと同じ感覚でスピードをコントロールできるように仕上げた点も慧眼といえる。

この辺は判断が分かれるところかもしれないが、エンジン車と極めて近い感覚でドライブできるQ6 eトロンを好ましいと思う向きもあれば、「BEVらしさが足りない」と不満に思う向きもあるだろう。

どちらが正解というつもりもないが、個人的には、BEVだからといって特別意識しなくて済むQ6 eトロンのほうが親しみやすく、安心感もより強い。そんな観点でBEV選びをしてみるのも一興だろう。