オフィスで集中できないと感じている人は76% 対処法は「耳栓」「心頭滅却」、そして意外なあのアイテム
リモートワークからオフィス回帰でみえてきた「集中力問題」
日本で新型コロナウイルスの感染が初めて確認された2020年から今年で5年が経ちました。ウィズコロナ、アフターコロナを経てすっかり日常が戻ってきた日本。
新型コロナはわたしたちの働き方にも大きな影響を及ぼしました。感染拡大防止のためにテレワークを推奨する企業も増え、コロナ禍でリモートワークを経験した人も多いのではないでしょうか。この働き方にはメリット・デメリットの両方があるものの、自分に適した作業環境を作りやすく柔軟な働き方を可能にするリモートワークの良さに気づいた人も少なくありません。
そんななか、昨今では国内外を含めリモートワークからオフィス回帰を求める企業が増加傾向にあります。その背景にはコミュニケーション不足の解消、業務効率の向上、イノベーションの促進などの企業の狙いがあります。
リモートワークから久々にオフィスに出社した人が気づかされたのは「オフィスでの集中問題」。自宅での作業時に比べて集中できないと感じている人が多いようです。
今回、ライブドアニュースのアンケート企画「ライブドア大調査」にて、オフィスの集中力問題とその対処法について意見を募集。「周囲の会話が気になる」、「急に話かけられるので集中できない」などオフィスで感じているストレスの内容が明らかになりました。一方、その対処法について聞いてみると、「耳栓をする」「小休憩を取る」など、今すぐ実践できるような役立つ回答も。
※2024年12月24日〜2025年1月5日実施ライブドア大調査「オフィスで『集中できない』と感じる瞬間はある?」にてアンケート募集
76%が実感した集中力低下の実態 対処法は耳栓からガム、心頭滅却まで
コロナ禍でリモートワークを経験した人は約72%。「リモートワーク時と比較して、オフィスでの作業生産性に変化はありますか?」との問いに「はい」と回答した人は全体の約76%にのぼりました。
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集中力に影響を与える事象について聞いたところ、最も多かったのは「オフィスでの周囲の会話」。具体的には「雑談を含む社内での会話やオフィス内にあるテレビの音量」、「スピーカーでオンライン会議をする人がいる」、「ひとりごと」、「話し声のボリューム」などが挙げられました。特に、「自分に関係のない雑談」については集中力の妨げに感じる傾向がみられました。
次に多かったのは「照明や室内の気温」。「社員密集による空気の悪さ」、「室内気温が一括管理されているため年間を通して暑い。眠気が襲う」、「室温が暑すぎたり寒すぎたりする」など、自分に適した室内気温に調整できないことや、換気不足による空気の悪さについて不満を持つ声があがりました。
3つ目に多かったのは、「オフィスで話しかけられること」。「上司に何度も話しかけられる」、「メッセージやチャットで済む内容を口頭で伝えてくる」、「質問等で作業の手が止まる」など、集中したいときに話しかけられることで作業を中断せざるを得ない状況にストレスを感じてる人が多くみられました。
また、「オフィスでの周囲の人の動き」や「フリーアドレスや席のレイアウト」が集中力に影響を与えているという声も集まりました。

一方、集中力を維持するための対処法をたずねたところ、「耳栓・イヤホンをする」という回答が最多に。周囲の会話をストレスに感じている人が多いことに関係していると考えられます。
また、次に多かったのが「コーヒーを飲む」、「適度に休憩を取る」、「ガムを噛む」、「リラックスできる香りを嗅ぐ」など、気分転換をするリフレッシュ法。作業の合間に手軽に取り入れやすい対処法です。
テレワークを許可されている人の場合は、「集中が必要な作業は自宅で。出社する場合はこまめに休憩を取る」、「周囲に人の少ない席に座る」、「会社滞在時間を短くする」など自宅とオフィスをうまく使い分けるなどして工夫をしているようです。
他には、「仕事後の楽しいことを考えて気分転換をする」というほほえましい声や「心頭滅却」を対処法に挙げる猛者も。
対処法をまとめてみると、「耳栓・イヤホンをする」、「集中作業は自宅で」という風に物理的に周りからの影響を遮断する方法と、小休憩を取るなどして気分転換をする方法があるようです。
職場によっては耳栓やイヤホンをしたり、自宅作業をしたりすることが難しい人もいるかもしれませんが、後者の方法は多くのオフィスでも取り入れやすいのではないでしょうか?
対処法の一つにあった、「ガムを噛むこと」は集中力に関係する脳の働きにも影響があることが分かっています。今回は、医師である須田万勢先生に「集中力と噛むこと」をテーマに解説していただきました。
※「リモートワークとオフィスで作業効率性に変化はありますか?」に「はい」を選択した回答者に対して「集中力に影響を与える要因」を質問。「オフィスのほうが良い」「どちらともいえない」といった集中力向上を含むケースは全体の24%を占める
オフィスに「ガム文化」を。医師が解説する集中力との深い関係
―― 「ガムを噛む」という行為は脳にどのような影響を与えるのでしょうか?
ガムを噛むことで脳の血流が増え、集中力に関連する前頭葉と記憶をつかさどる海馬が活性化されます。もう一つは、神経伝達物質と呼ばれる脳内ホルモンの放出が変わります。具体的には、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンというリラックスさせる物質が出やすくなり、ストレスを感じるときに出ると言われている、コルチゾールの分泌を減らす働きがあります。その結果、ガムを噛むと集中力がアップするといえるのです。
―― ガムと集中力の関係について認識している読者も一定数います。ガムを噛むことがホルモン放出に影響をもたらすとのことでしたが、ほかにも身体への変化はありますか?

ガムを噛むというのは一定のリズミカルな運動でもありますよね。これはセロトニンの分泌だけでなく、自律神経にも影響を与えるといわれています。例えば、貧乏ゆすりをする人がいますが、あれもリズムをとって神経を整えたいという無意識の行動だと考えます。
―― ガムと集中力には深い関係性があるんですね。
脳科学的にいうと、「集中」というのは注意を向け続けることを指しますが、実際には複合的な要素で構成されています。同じ環境下にいて、集中できる人もいればできない人もいる。その環境をどういう風に捉えるのかというのは人によって受け止め方が異なります。
ガムを噛むことで脳内ホルモンの変化や脳の血流の増加が起こるので、ストレスの受け止め方を緩和し、それがやる気スイッチにつながったりもします。「ガムによって切り替えができる=集中」につながるのかなと考えます。
―― ちなみに、どのような種類のガムを噛むと良いでしょうか?
自分の好きな香り(フレーバー)を選んでみましょう。香りにはそれ自体に集中力や記憶力を高める要素があるので、自分が集中できると思える香りのものを選ぶのがポイントです。どれが自分に合っているか分からない人には柑橘系がおすすめです。例えば、レモングラスの香りはリフレッシュ効果や集中力を増加させる効果があり、認知症の方々の認知機能を改善するという報告もあります。
―― ガムのかたさや噛む時間についてはいかがでしょうか?
あまりかたいものだと顎関節症になる可能性がありますし、噛む時間についても最初は短い時間から始めるほうが良いと思います。やわらかめのものを10分〜20分を目安に噛んで、徐々に慣れてきたら自分に合った長さに調整していくのが良いですね。
―― 10〜20分噛むとガムの味もなくなってきますね。
10〜20分は人間の集中力が切れてくるタイミングでもあります。ガムのデメリットとして、「紙に出すのが面倒」というのがありますが、出たゴミを捨てに行くという行動も気分の切り替えになるんですよ。
―― ゴミが出るのを面倒に感じている人も多いので驚きです!
席を立ってゴミを捨ててくるというちょっとした行動によって、いったんタスクを離れて集中力をリセットする効果が期待できます。
―― 先生が実践している、ガムの効果的な噛み方はありますか?
お腹が空いたときって集中力の妨げに感じることがありませんか?お昼時なら食事に出れば良いのですが、お昼にはまだ早かったり、午後4時ごろだったりの中途半端な時間帯。僕は、小腹が空いたときにガムを噛むようにしています。
チョコやクッキーなどをフリースペースに置いているオフィスなどもありますが、それらは糖質が高いので食べた後にまた空腹感を感じることが多く、さらにカロリーも高いですよね。一方で、ガムはカロリーが低いのに噛むことで満腹感を得ることができます。集中状態にも入れるので一石二鳥です。
―― 噛むタイミングについてほかにおすすめはありますか?
仕事を始める前のルーチンにしてしまうことですね。営業職など、対面で人と関わる職種の場合、ガムを噛みながらというのは難しいかもしれませんが、資料作成など内省的な仕事をするときにガムを噛むというのを習慣化することで、「ガムを噛む=仕事を始める」というふうに仕事モードに入るきっかけにする働きがあります。
―― ガムをオフィスで噛むことに抵抗を感じている読者も多いようです。
職場の理解を得ることはすごく大事ですよね。オフィスでガムが広まっていない理由のひとつに、「ガムを噛むことは相手に失礼」というのがあると思います。
僕はいま、週2回市役所に勤務していて、もう一つの職場は病院なんですが、どちらも職員がガムを噛んでいるイメージがあまりないですよね。でも、意外とガムのボトルを職場においてみるとみんな噛むんですよ。
―― 先生が在籍されている市役所と病院にはガムを噛む文化が浸透しているんですね!
オフィスにガムを置くというのを文化にしていくことがまず大事です。一人ではなく、部長含めてみんなで噛んでいたらそういう職場なんだと思えますよね(笑)。1チームごとにボトルガムを1つ置いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

須田万勢先生
東京大学医学部卒業。諏訪中央病院 リウマチ・膠原病内科医長。一般社団法人統合医療チームJINを立ち上げ、古今東西の医療と最新のエビデンスを組み合わせながら、「養生」(=「余力」を生み出すためのライフスタイル)のコーチングを行う。
「食」「運動」「睡眠」「呼吸」「思考」の5つの視点でライフスタイルにちょっとした工夫をすることで、気づかぬうちに心身に蓄積していく現代人のストレスを軽減させる手法をYouTubeなどで発信。また様々な企業と協業しながら、新しい集中力アップのメソッドなどの監修も行っている。
YouTube「養生ソムリエ Dr.マシューのほろ酔い養生」:https://www.youtube.com/@Dr-sy6pf
自分に合った対処法を見つけることがカギに
オフィスでの集中力問題は多くの人が直面する課題です。集中力を妨げる要因には、周囲の会話など外部からの影響もありますが、気づかないうちに集中力が切れて作業が停滞したり、なかなか取り掛かれなかったりする問題は、実は場所を問わず発生します。
今回のアンケートで寄せられた「小休憩」や「ガムを噛む」といった工夫は、それぞれの人に合った集中力を高めるための方法として、仕事だけでなく勉強などにも活用できます。集中力が切れたと感じたら、ガムを噛んでみたり、デスクを離れて軽く体を動かしてみることから初めてみませんか?
ロッテ噛むこと研究室
[PR企画:ロッテ×ライブドアニュース]