蔡英文総統

写真拡大

(台北中央社)中国軍が8日から10日にかけて台湾周辺で軍事演習を実施したのを受け、蔡英文(さいえいぶん)総統は10日、中国が「台湾と地域を不安定化した」として非難した。立法院(国会)の与野党議員団も11日、共同で声明を出し、中国に対して「厳正な非難と抗議」を表明した。

中国軍は蔡総統が米国経由での中米歴訪から帰国した翌日の8日、台湾周辺で10日まで、パトロールと軍事演習を行うと発表。国防部(国防省)によれば、8日午前6時から10日午後6時までに中国の軍用機延べ232機、軍艦延べ32隻が台湾周辺で確認された。台湾海峡の中間線を越えたり、台湾南西の防空識別圏(ADIZ)に進入したりした軍用機は延べ134機に上った。

蔡総統は10日夜、フェイスブックを更新。中華民国(台湾)と外交関係を有する国々への訪問やその際の米国立ち寄りで国際社会の友人と交流することは「かねてから行ってきたことであり、台湾の人々の共通の期待だ」と強調し、中国がこれを理由に軍事演習を行い、台湾と地域を不安定にしたことは「地域内の大国の責任ある態度ではない」と批判した。

その上で「軍民一体となって一致団結し、偽情報による誘導を受けず、民主主義の台湾を共に守ることが目下最重要な任務だ」と強い姿勢を示し、国軍や安全保障部門が引き続き職務を全うし、国を守っていくとした。

▽ 与野党議員団「中国当局は武力による威嚇を即時停止すべき」

立法院の与野党議員団は11日、共同声明を出し、游錫堃(ゆうしゃくこん)立法院長(国会議長)が立法院院会(国会本会議)で声明を読み上げた。

声明では「中国当局が蔡総統の外遊と米国立ち寄りを言い訳に台湾周辺で大規模な軍事演習を行い、両岸(台湾と中国)の現状を破壊し、地域の緊張を高め、国際社会の秩序を著しく破壊した」と批判。立法院として「台湾の2300万人を代表し、中国当局に厳正な非難と抗議を表明し、中華民国への武力による威嚇の即時停止を求める」とした。

また「国際社会に対し、中国当局の野蛮な行為を共に非難するよう呼び掛ける」と同調を求めた。

(葉素萍、王揚宇/編集:名切千絵)