この記事をまとめると

■災害時に交通規制が実施される道路がある

■理由は緊急自動車等を円滑に通すため

■大震災発生後、クルマの使用は控えるべき

震度6弱以上の地震で第一次交通規制が実施される

 阪神淡路大震災(1995年1月17日)から28年。東日本大震災(2011年3月11日)からもうすぐ12年。地震大国日本では、つねに地震への備えが必要だ。

 警察庁では、平成24年3月、首都直下地震発生後速やかに警察、消防、自衛隊等の部隊を派遣したり、水、毛布、食料等の物資を被災地域に輸送することができるよう、関係都県警察と共に広域交通規制計画原案を策定。

 現在では、大震災(震度6弱以上)が発生した場合、大震災発生直後から、次の交通規制が実施されることになっている(第一次交通規制)。

・環状七号線内側方向へ流入する車両の通行は禁止。

・環状八号線では都心方向へ流入する車両の通行は抑制。

・次の7路線が「緊急自動車専用路」となり、緊急自動車等以外の車両の通行が禁止。

 国道4号(日光街道ほか)、国道17号(中山道・白山通り)、国道20号(甲州街道ほか)、国道246号(青山通り・玉川通り)、目白通り・新目白通り、外堀通り、高速自動車国道・首都高速道路等 高速道と首都高等を併せて1路線とし、合計7路線。

 こうした第一次交通規制は、人命救助、消火活動等に従事する緊急自動車等を円滑に通すために実施されるもの。

 言うまでもなく、災害発生時に誰もがクルマを使おうとすると、激しい渋滞が発生し、緊急自動車が通れなくなってしまうからだ。

 これらの路線は、「幅員が広い主要道路であること」、「被災により通行が困難になるおそれがある区域内の道路を避けること」及び「通過交通の排除等実効性が担保できること」を条件に、

・高速道路等

・高速道路等が通行不能となった場合の代替路線

・主要幹線道路(上記の高速道路等と接続する路線)

・都心部へ流入する幹線道路で、並行する一般道路をう回路として確保できるもの

・中央防災会議で定められた緊急輸送ルート

・部隊の進出拠点、物資の集積拠点と高速道路等を結ぶ幹線道路

 などから選定されたという。

都市部で大地震が起きたらクルマ移動は控えるべき

 なお、一般ユーザーに関しては、大震災発生後、新たに自動車は使用しないのが基本中の基本。また移動中に地震に遭った場合は、急ハンドル、急ブレーキを避けるなど、できるだけ安全な方法により道路の左側に停止するのがルール。高速道路を通行中のクルマは、交通情報板や警察官等の誘導に従って行動し、目的地に到着したあとは、新たに自動車は使用しないことが大前提になっている。

 警視庁が平成26年に行なったアンケートによると、大震災発生時の交通規制は62.9%、自動車利用のお願い(被災後はクルマを使用しないなど)については60.7%の都民が認知しているとのこと。

 知らなかったという人は、下記の2点だけでも覚えておこう

・大震災発生後、基本的に都心方向へ自家用車では向かえない。

・高速道路を含む7路線(高速道路、国道4号、国道17号、国道20号、国道246号、目白通り、外堀通り)は、大震災発生後、人命救助及び消火活動に従事する消防、警察、自衛隊等の緊急自動車専用路の路線となり自家用車は走行できない。

 さらに、被害状況及び道路状況を勘案した上で、復旧復興のための災害応急対策を円滑に行うため第二次交通規制も実施されることになっている。第二次交通規制では、国道1号(第二京浜ほか)、国道6号(水戸街道ほか)、国道14号(京葉道路)、国道15号(第一京浜ほか)、国道17号(新大宮バイパス)など35路線が、「緊急交通路」に指定されるので要注意。

 また、都内で震度5強の地震が発生した場合、交通混乱を防止するため、都心部における帰宅困難者の滞留状況、交通渋滞の発生状況等を勘案し、必要に応じ、次の交通規制が実施されることにもなっている。

・環状七号線から都心方向へ流入する車両の通行を禁止

・環状八号線から都心方向へ流入する車両の通行を抑制

 いずれにせよ、都市部で大地震が起きたら、マイカーでの移動、避難にはかなり規制がかかるので、自家用車での移動は極力控えるようにしよう。