貴方は「港区」にどんなイメージを持っているだろうか?

キラキラ、ギラギラ、高級、派手――。もちろんそれも正解だが、それ以上に多様な魅力があるのがここ港区なのだ。

今回は、大きな変化が続く港区を不動産の視点で紐解いていこう。

港区の中で「次にくる土地」はどこ?そしてそもそも、なぜ富裕層は港区に集まるのか。港区の歴史と最新情報をぜひキャッチアップしてほしい。


『都内随一の再開発が各所で続く港区の現在』



東京屈指の煌びやかな街、港区。洗練された飲食店や商業施設が立ち並ぶ“遊び”に事欠かない街だが、街を歩けば、各所で再開発の工事が行われている。

そんな港区のこれまでとこれからについて、高級マンションガイドとしてさまざまなメディアで活躍する坂根康裕さんにお伺いした。


Q.今、港区ではどのような再開発が行われている?


「各所で開発が進んでいますが、今後のランドマークになるのは、森ビルが進めている『虎ノ門・麻布台プロジェクト』でしょうね。神谷町近辺での大規模工事をしていますが、あの一帯は劇的に変わります。

オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設などを融合させたスケールとインパクトは、『六本木ヒルズ』に匹敵するといわれています。

新しい街がひとつでき上がるといっても過言ではないでしょう」

同プロジェクトの最も高いビルであるA街区の最上部には世界トップレベルの住宅「アマンレジデンス 東京」ができるなど、“これぞ港区!”といったトピックが満載。

そのほかにも、白金や高輪、虎ノ門などで大きな再開発のプロジェクトが進行中であり、街のうねりを感じる。


未来のランドマークとなる「森ビル」のふたつのプロジェクト

©DBOX for Mori Building Co.

?神谷町と六本木一丁目をつなぐ一帯が生まれ変わる


約8.1haの敷地に3棟の超高層タワーを配置。最も高い「A街区」は高さ約330mとなり、東京タワーと肩を並べる。

「アマンレジデンス 東京」のほか、姉妹ブランドの日本初進出のラグジュアリーホテル「ジャヌ東京」も開業。チームラボによるミュージアムもお台場から移転する。


?「虎ノ門ヒルズ」周辺が最高のビジネス街になる


「虎ノ門ヒルズ」の界隈は現在も開発が進行中。今は3棟のビルが並ぶが、2023年7月に「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が完成する。

緑化や歩行者用デッキなどが備えられる予定で、虎ノ門が新たに生まれ変わるのだ。


『港区は地形的にも恵まれたエリアだった』



Q.いつから港区に富裕層が集うようになったのか?


住むこと自体がステータスとなった理由としては、都心にもかかわらず、住宅にできるエリアが多いということが挙げられる。

「不動産業界では、千代田区、中央区、港区を『都心3区』と呼んでいます。東京の中心であり、多くの人が集う場所。

あらゆる土地の用途は、住居、商業、工業に分類されていて、その3つの割合で街の個性が形作られます。それでいうと、都心3区の中でも最も住居が多いのが港区なのです。

都心部の住宅地として考えたときに、最も住みやすく、また住む場所が多い区が港区でもあるのです」

そもそも、これだけ都心にもかかわらず、住宅地が多いというのが港区の特徴にして、魅力だとか。

また、港区といえば坂の多さも有名だが、それはつまり、高台が多くあるということ。都心で高台の平坦な住みやすい場所を探すと、自然と港区に行きつくともいえるのだ。



江戸幕府のお膝元だった麻布・広尾周辺には、大名の屋敷が点在。その多くは南傾斜の高台に建てられていて、その跡地は港区内でも地価が高い。


加えて、「地域の歴史や沿革を知ると、エリアの特徴がよく分かる」と坂根さん。

「港区は昔から、大名屋敷や武家屋敷など大規模な建物が多く、それらが小分けにされず残っている場所でもあります。

例えば、六本木の『東京ミッドタウン』の敷地にはもともと防衛庁がありましたが、その昔は毛利家のお屋敷があった場所で、大きな土地が小分けされずに残されてきた歴史があります。

また、広尾の有栖川宮記念公園は、かつては武家屋敷の庭園でした。

昔の大名は、日当たりの良い南傾斜の土地に木々を植え、池を作って花鳥風月を描き、庭の美しさで自分の位をアピールしていました。後にその庭が公園になり、向かいには公園向きのバルコニーを設えたマンションが建設されるように。

今もこの一帯は、高級住宅エリアとされています」

地政学的にも、また歴史的にも港区というのは住みやすく、富裕層が集う場所だったということだ。


Q.港区のなかでも特に高級なエリアとは?


港区の中でも別格といわれるのが、“3A”といわれる麻布・青山・赤坂エリア。どこも弩級の高級マンションが立ち並ぶエリアだ。

中でも、有栖川宮記念公園付近の南麻布5丁目や、『CICADA』などがある南青山5丁目には目を見張るような豪邸が立ち並ぶ。代々住み続ける人も多く、物件が出ることも少ないのだとか。

「例えば、赤坂は国会議事堂のお膝元であり、政治とともに発展してきた街。青山はクリエイターやアートとともに発展し、現在はファッションの街でもある。

麻布は外国文化が根っこにあって、夜のイメージが強いのはメディア関連企業が多く、深夜まで働く人が多いから……などなど。

街の個性は突然出来上がるものではなく、何かしら歴史上の起点があって積み上がっていくもの。という意味では、港区は非常に凄く個性的で面白いエリアが多いです」

各街の個性が際立ち、再開発などのトピックも多く、今後の発展も約束されている。このような街を他で探そうとしても見当たらないというのが現実だろう。

加えて、歴史や土地の特色から見ても、昔から人が集う場所だったのだ。


『麻布・青山・赤坂。港区の「3A」は個性もそれぞれ』


外国人とともに歩んできた「麻布」


現在港区には80以上の大使館があるが、半数を超える施設が麻布にあるそう。

南麻布近辺を歩けば、大使館と豪邸、外国人専用のマンションにインターナショナルスクールが立ち並び、静かで、独自の雰囲気がある。


クリエイティブな街として発展してきた「青山」


ファッションやアートなど、クリエイティブな風土が根付いているのが青山。美術館やギャラリーが点在し、街行く人々のお洒落さも際立っている。

通りを入れば、ヴィンテージマンションも多く、富裕層も多数住む。


政治家のお膝元として歩んできた「赤坂」


永田町や霞が関にも近く、政治家が利用する料亭など、独自の発展を遂げてきた。

また、政界や弁護士がセカンドハウスを構えることも多く、1970年には「パークハウス」の最初の一軒ができた。こちらは、赤坂に今も健在。


お話を伺ったのは……


「住宅情報スタイル首都圏版」(現「SUUMO新築マンション」)「都心に住む」元編集長。

「Fact Stock」主宰、最新データに基づいた不動産市況・購入ノウハウの情報を動画・コラムで発信中。日本不動産ジャーナリスト会議会員。



これまでの歴史や文化があってこそ、港区はその名をとどろかせる。

いつの時代も、この街は我々をワクワクさせてくれるに違いない。

まだまだ大きな可能性を秘める港区に、今後も注目せざるを得ないのだ!



東京カレンダー最新号では、こちらの記事の全文をお読みいただけます。
気になる今後の港区不動産の資産価値は?

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