中国の研究チームが、オープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)・RISC-Vを用いてArmの「Cortex-A76」に迫る性能を持ったCPU「XiangShan」を開発しました。研究チームは新型コロナウイルスの感染拡大に伴って封鎖された深圳で開発に取り組み、超高速なCPU開発を成功させています。

GitHub - OpenXiangShan/XiangShan: Open-source high-performance RISC-V processor

https://github.com/OpenXiangShan/XiangShan

首届 RISC-V 中国峰会 2021 年 6 月 21 日起在上海举行,有什么值得关注的地方? - 知乎

https://www.zhihu.com/question/466393646/answer/1955410750

XiangShan open-source 64-bit RISC-V processor to rival Arm Cortex-A76 - CNX Software

https://www.cnx-software.com/2021/07/05/xiangshan-open-source-64-bit-risc-v-processor-rival-arm-cortex-a76/

RISC-Vは、MicrosoftやIBM、Qualcomm、Micron、Samsungといった大手テクノロジー企業開発に参加するオープンソースISAで、ライセンスフリーで使用できることから業界全体に新たなエコシステムを構築する技術として注目を集めています。

2021年6月には、IntelがRISC-Vを用いたCPUを製造する企業・SiFiveの買収を検討中であることが報じられました。その後、2021年6月22日にはSiFiveがArmの「Cortex-A75」を上回る性能を持ったCPU「SiFive Performance P550」を発表し、「RISC-Vが既存のCPUの安価な代替品として扱われる時代は過ぎ去った」と述べていました。

2000億円超えでIntelがRISC-Vプロセッサ開発企業「SiFive」の買収を検討中との報道 - GIGAZINE



そんなRISC-Vをめぐる状況の中、2021年6月22日〜24日に中国で開催されたRISC-Vの国際会議・RISC-V World Conference China 2021で、「Cortex-A75」の上位機種「Cortex-A76」に迫る性能を持った「XiangShan」が発表されました。

「XiangShan」は中国科学院の研究員であるバオ・ユウンガン氏と25人の学生からなる研究チームが開発したCPUで、TSMCの28nmプロセスで作られた試作品は最大1.2〜1.3GHzで動作するとのこと。さらに、2021年中にSMICの14nmプロセスを利用して最大2GHzで動作する試作品が作られる予定で、最終的には「Cortex-A76」と同等の性能を発揮することを目指しています。

ユウンガン氏によると、「XiangShan」の開発は2020年6月11日に始まったとのこと。その後、2020年7月6日にはベンチマークソフトの「Coremark」の実行に成功し、2020年9月12日にはLinuxの起動に成功と、驚異的なスピードで開発が進みました。



ユウンガン氏は「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖によって、研究チームは深圳の閉鎖的な実験室で3カ月間にわたって非常に集中した状態で開発に取り組みました。その間、1週間に150件を超えるコードがコミットされました」と述べ、「XiangShan」の超高速な開発に新型コロナウイルスの感染拡大という特殊な状況が関わっていたことを明かしています。



テクノロジー関連のニュースサイト・CNX Softwareは、「『XiangShan』は研究プロジェクトであるため、商用化されるかどうかは不明です。しかし、中国政府がx86やArmの代替品を探していることを考えると、『XiangShan』が中国市場向けのプロセッサとして成長することも不思議ではありません」と述べ、「XiangShan」の普及の可能性を指摘しています。

なお、「XiangShan」のソースコードは公式リポジトリで公開されています。