アイドリングストップでどのくらい燃費は向上するのか

 信号待ちなどの停止中エンジンを止め、燃費向上に貢献するアイドリングストップは今や当たり前の装備である。しかし、その流れとは対照的にRAV4やヤリスといった最新のトヨタ車のガソリン車にはアイドリングストップが付いていない。このような動きもあり、改めてアイドリングストップの効果をいくつかの方面から考えてみよう。

 このテーマを検証するために同じパワートレインでアイドリングストップのありなし両方があるクルマを探したのだが、そういったクルマは少なく、該当するのはトヨタ・アルファード&ヴェルファイアの2.5リッターガソリンFFと1.5リッターエンジンのマツダ・ロードスターソフトトップのMT(後者は減速エネルギーをバッテリーに貯め、オルタネーターの負担を減らし燃費を向上させるi-ELOOPも含まれる)くらいだった。

 2台のカタログ燃費でのアイドリングストップありなしの燃費は以下の通りだ。

 クルマによる違いもあるにせよ、2台のカタログ燃費を参考にするとアイドリングストップによる燃費の向上は総合して5%、もっともアイドリングストップによる燃費向上が大きい市街地で10%といったところだ。しかしリアルワールドでは室内環境の維持のためクーラーやヒーターを作動させるので、停止してもアイドリングストップできない場合も多々あり、現実的にはアイドリングストップによる燃費向上はさらに少なくなるだろう。

アイドリングストップ自体の費用やバッテリーのコストも大きい

 加えてここ数年若干の問題になっているのがアイドリングストップ付きのエンジン車の12Vバッテリー交換にかかる費用の高さだ。

 というのもアイドリングストップ付きのエンジン車の12Vバッテリーはアイドリングストップ対応品となるため、アイドリングストップなし用のものに対し1.5倍程度もするさらにアイドリングストップ付きのエンジン車の12Vバッテリーはアイドリングストップによりアイドリングストップなしに対して寿命も7割程度と短い。

 この2点を総合するとアイドリングストップ付きのエンジン車は12Vバッテリーにかかる費用がアイドリングストップなしの2倍程度かかる。

 さらにアイドリングストップ機構自体も量産によるコストダウンも進んでいるにせよ、装着すればタダという訳ではない。

 このあたりを踏まえると、昨今はエコカー減税の基準が厳しくなりアイドリングストップ装着によりエコカー減税の対象になることは少ない、燃費の向上はあるにしても12Vバッテリー代と差し引きしたら費用対効果が微妙、アイドリングストップで燃料消費が減っても12Vバッテリーの消費が増えたら本当にエコなのかということになり、トヨタの最新エンジン車にアイドリングストップが付いていないことも大きな意義のある見識だ。

 そのためアイドリングストップ付きのエンジン車に乗っている人は総合的な出費や環境負荷を考えて、アイドリングストップをオフにして乗るというのも頭に入れるべき選択肢といえる。