韓国の教科書にはどんなことが書いてある?

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 日韓外交で多くの火種となるのが両国の歴史認識の相違だが、その根源を探るため、韓国の教科書で日本について何が書いてあるか検証してみる。

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 地理の教科書で目に付くのは、「独島(竹島の韓国名)」に関する記述だ。中高を問わず、詳しい地図や多数の写真とともに、植生や海底地形、現在の島の様子が図解され、「独島は韓国領」と説明する。

〈独島は我が国で最も東側に位置する島である。最近独島を訪問する人々が増えており、独島は一層私たちに近い島となっている。しかし日本は依然として独島を自分たちの領土と主張している。このような状況に効果的に対処できるように独島の価値をしっかり知って、独島を守護する意志を見せよう〉(『高等学校 韓国地理』ミレエヌ)

 社会の教科書でも独島についての記述は多数ある。

〈独島は我が国民が居住しており、政府は島を訪問した人に独島名誉住民証を発行している〉(『中学校 社会』ミレエヌ)

 このように韓国固有の領土だと主張する一方、やや矛盾を覚える記述もある。前出の『高等学校 韓国史』では〈独島のアシカは日本人漁師の乱獲によって絶滅の危機を迎えた〉という記述が登場する。これは日本が島で経済活動をしていたことを示す内容でもあり、日本の乱獲を批判的に記載することで、韓国固有の領土だという主張と齟齬が生まれているようにも読めてしまうのだ。

 韓国の教科書事情に精通する韓国人作家の崔碩栄氏が歴史や地理以外で注目するのは、「音楽」の教科書だ。

「40代の私が学校で習った童謡の多くが、教科書から消えています。例えば『故郷の春』は40歳以上の韓国人なら全員歌えるほどの国民的童謡ですが、今の音楽の教科書からは消えてしまった。理由は、作曲家が親日派だったからです」

 長年親しまれてきた楽曲や童謡の作り手まで、「親日派」の匂いが漂えば、教科書から消されるとの指摘だ。

「韓国の教科書は版元による違いがほとんどありません。国の検定で目次から記述内容まで細かく決まっていますから、出版社はそれに沿って書く。結果、どの教材にも同じような対日観が記され、多角的な視点が育まれない」(崔氏)

※週刊ポスト2019年10月18・25日号