エアロスミスのメンバーが解説する、ラスベガス公演セットリストの全貌
エアロスミスがラスベガスで行っているレジデンス公演「Deuces Are Wild」のセットリストを毎晩作るのは容易なことではない。彼らが半世紀に渡ってヒットを飛ばし続けていることに加えて、ファンのお気に入り曲、ディープカット曲(訳註:商業的に成功しなかった楽曲のこと)、大好きなカバー曲などを、約90分間のコンサートにすべて入れ込まないとダメなのだ。さらに、オリジナルメンバーが5人全員揃っているこのバンドは、それぞれのメンバーが公演を成功させるためのアイデアを持っている。ブラッド・ウィットフォードが説明する。「何度も行ったり来たりしている。30秒で決まることもあれば、メンバー全員が『この曲、やろうぜ。これはどうだ?』と10分間言い続けることもあるよ」と。
この夏、エアロスミスはラスベガス公演と同じ内容のコンサートツアーを東海岸で行ったのだが、9月21日からはラスベガスのパークMGMにあるパーク劇場に戻り、途中で休暇を挟みながら2020年6月までレジデンス公演を続けることになっている。
ある日の休暇時間に、ブラッド・ウィットフォード、トム・ハミルトン、スティーヴン・タイラーに最新セットリストの各曲について話してもらった。
「トレイン・ケプト・ア・ローリング」(ティニー・ブラッドショー/ヤードバーズのカバー、1974年)
テイラー:この曲は俺たちがバンドを始めて最初に覚えた曲の一つで、当時の観客の反応が俺たちの望み通りだった。今、この曲をプレイして、観客があの頃と同じ反応をするのを見ると、当時の興奮を思い起こすよ。エアロスミスの前にいくつかのバンドで活動していた頃、いつもヤードバーズを聞いていたから、エアロスミスを始めた頃に最初にちゃんと覚えたのがこの曲だった。
ハミルトン:ジョーも、スティーヴンも、俺も、10代の頃はヤードバードに夢中だった。ジョーと俺は14のときから、一緒にバンド活動するときは必ずヤードバーズの曲をプレイしていたものだ。この曲は俺たちがあの頃に無意識に選んだもので、文字通り、それ以来ずっとプレイしている。俺たちにとってはエンブレムみたいな曲だし、今でも演奏するのが楽しい。観客がびっくりして目を覚ますくらい激しいやつでライブを始めたいと、俺たちはいつも思うんだよ。
ウィットフォード:この曲にはたくさんの物語がある。バンド結成初日からこの曲をやっているけど、アルバム『飛べ!エアロスミス』に収録したものですら、何度か変化している。あれこれ手を入れたり、ちょっとだけ変えたり、スローにしてみたりして、最終的にあのアルバムに収録されたのがこのスロー・バージョンだった。そのあと、スピード・バージョンもやってみた。これはライブ録音という触れ込みだったが、実はライブ録音じゃない。(プロデューサーの)ジャック・ダグラスがスタジオで作り直して、大きなアリーナで録音したような音に加工したんだ。観客の歓声は、確か『バングラデシュ・コンサート』から拝借したものだと思ったな。つまりライブっぽく捏造したってこと。みんな、あれが実際のライブだと思っているようだけど、実は違うよ。
