ランボルギーニ 初の市販ハイブリッド・スーパーカー「シアン」発表 限定63台(既に完売済み)
チタン製インテーク・バルブが組み込まれたV12エンジンは、ランボルギーニ歴代最強の785馬力を発生。モーターと合わせると819馬力にもなります。ハイブリッド・システムの重量は34kgに収まっているため、パワー・ウエイト・レシオは1馬力あたり1kg台という驚異的な数字を達成しました。エンジン+モーターで4輪を駆動するシアンは、0-100km/hまで2.8秒で加速し、最高速度は350km/hに達します。

ドラッグレースだけでなく、高いギア/低いエンジン回転数でクルージング中から一気に加速する際などにモーターの恩恵が感じられるはず。ランボルギーニによれば、このハイブリッド・システムを搭載しない場合と比べると、加速は10%、3速ギアのトルクも最大10%、より高いギアで低速走行している際には20%もトルクが向上したといいます。
スーパーキャパシタへの電力チャージは、回生ブレーキによって行われます。ブレーキを踏むと減速エネルギーを電気に変換して蓄え、加速時にはそれを使ってモーターを回し駆動力を増幅させる仕組みです。

エクステリアのデザインは、1970年代の初代「カウンタック」を源流とするランボルギーニ・スーパーカーの最進化型と言えるでしょう。Y字型のライトは米国マサチューセッツ工科大学と共同開発した電気駆動のコンセプトカー「テルツォミッレニオ」から受け継いだもの。フロントフードの切り込みや、ルーフ中央部の凹み、そして3連テールランプには、初代カウンタックへのオマージュも見受けられます。
また、リアのアクティブ・ベーンと呼ばれるエンジン冷却用の可変翼は、最新の材料科学によるもので、排気システムから発生する熱によって展開します。これはランボルギーニが特許取得済みの技術で、自動車に応用されたのは世界で初めてとのことです。

ランボルギーニ・アウトモビリのステファノ・ドメニカリCEOによれば、シアンは同社にとって「電動化への道を切り開く最初の一歩であり、次世代のV12エンジンを促進させる」といいます。つまり、現行フラッグシップ「アヴェンタドール」の後継モデルは、このシアンを量産化したハイブリッド・スーパーカーになると推測できそうです。そのいわば先行開発プロトタイプのようなクルマを、稀少価値で釣り上げた超高値でマニアに売りさばき、その利益をさらに開発費の足しにする。そんな商売が可能な自動車メーカーは地球上にいくつも存在しないでしょう。

限定生産される予定の63台は、正式発表前に知らされたランボルギーニの上得意客が既に全車予約済み。1台ずつオーナーの好みに合わせ、独自の内外装で仕立てられることになっています。9月10日に開幕するフランクフルト・モーターショーでは、ゴールドのクリスタルやフレークを含む特別な塗装を何層も重ねた「ヴェルデ・ジェア」と呼ばれるグリーンのシアンが展示されます。
ちなみにシアン(Sián)という車名は、イタリア・ボローニャ地方の方言で「稲妻の閃光」を意味し、ランボルギーニ初の電動化モデルを象徴するとともに、本社のある土地との強いつながりを再認識する意図があるそうです。トヨタのカローラ「レビン(Levin)」と同じ意味ですね。
