ナイアンティック、改変ポケモンGO開発グループ20人を提訴。『ハリー・ポッター:魔法同盟』もハック済み
ゲームアプリのナイアンティックが『イングレス』や『ポケモンGO』、『ハリー・ポッター: 魔法同盟』の非公式な改変バージョン、つまり海賊版を配布していた"Global++"なるグループのメンバーを訴えました。ナイアンティックはこれらハッキングされたアプリは著作権侵害だけでなく、プレイヤーの不正行為を助長し「ゲーム体験の完全性を損なう」と述べ「ビジネスを妨害する」と主張しています。3つのアプリの中でもナイアンティックの稼ぎ頭といえる『ポケモンGO』は、2016年のリリース以来様々な不正行為が行われてきました。たとえばたまごを早く孵化させるため、プラレールの車両にアプリを起動したスマートフォンを乗せて家中を走らせるという一発ギャグのようなハッキングから、サーバーにアクセスしてレアポケモンの出現位置や種類、時間などをマップ上に表示するツールであったり、位置的な制限をなくすためにスマートフォンのGPS情報を改変するものなど多岐にわたります。

Global++は、ナイアンティックのアプリを改変したIngress++、 Poke Go++をリリース。そして少なくとも5月10日以降、まだリリース前である『ハリー・ポッター: 魔法同盟』の改変版、Potter++を開発していると、SNSやYouTubeチャンネルを通じて公然と宣伝していました。

ナイアンティックは、リーダーであるRyan "ElliotRobot" Huntを筆頭にYouTubeチャンネルを扱っていたAlen "iOS n00b" Hundur、そして名前を特定していないもののGlobal++に所属するメンバー総勢20人を対象に訴えを起こし、「仮差止命令」を求めました。これによりGlobal++は、ハッキングしたアプリの配布を直ちに中止し、Nianticの公式コードのリバースエンジニアリング作業もただちに中止しなければなりません。

ナイアンティックは訴えにおいてPotter++に対し「ナイアンティックは『ハリー・ポッター: 魔法同盟』の立ち上げを米国での複数年、数百万ドルの投資の集大成だと考えており、その成功が被告の違法行為によって脅かされている」としました。

Global++は訴えに対して直接声明を出してはいないものの、法的義務の尊重のためとしてウェブサイトとゲーマー向けチャットDiscordのサーバーを"無期限に"停止、Global++のサービス終了を告知しています。

Global++は明らかにNianticのアプリを修正する許可を得ていないうえ、一連のアプリにサブスクリプションを導入し収益を得ていたとされることから訴えられて当然とも言える行為を働いていたと言えるでしょう。こうした訴訟は不正アプリ開発者だけでなく、それを使ってズルをしようと考えるユーザーにも抑止効果を持つ対策と言えるかもしれません。