高原書店の店舗(帝国データバンク撮影)

写真拡大

 (株)高原書店(TDB企業コード:983389842、東京都町田市森野1-31-17 、代表高原陽子氏)は、5月8日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は高木洋平弁護士(東京都中央区銀座3-13-19、LM法律事務所、電話03-6281-5505)。

 当社は1974年(昭和49年)に高原坦氏が創業し、1985年(昭和60年)5月に法人改組した古書店。法人化と同時期に小田急線町田駅北口至近に約600平方メートルの床面積の大型古書店「ブックバザール」を開店し、いわゆる「新古書」も扱い人気店となった。その後、横浜市戸塚区や東京都新宿区にも進出し、1997年5月期の年売上高は約2億7800万円を計上していた。代表の出身地である徳島県に2ヵ所の倉庫を設けて200万冊以上の在庫を誇り、自社サイト「高原サーチ」に約30万冊を出品するほか、同業者やネット通販経由でも販売していた。小説家の三浦しをん氏が一時期、当社本店でアルバイトするなど文化人とも交流は深かった。

 しかしこの間、大手古書店チェーンとの競合は厳しさを増し2001年に現所に移転。インターネット通販に軸足を移す中、2005年に創業者の高原坦氏が逝去。出版不況に加え個人用フリマアプリの普及もあり、昨今の年売上高は1億円を下回るまでに落ち込んでいた。在庫処分による倉庫の返却などのリストラにも取り組んでいたが、大型店を多店舗展開する際に借り入れた有利子負債の負担が重く、3月末で閉店し今回の措置となった。

 負債は1億2000万円の見込み。