「3」という数字によって、恋人や夫婦は関係性が動くと言われている。

美人は3日で飽きる、3年目の倦怠期などの言葉が表すように、3には男女の心境を大きく変化させる意味があるのだ。またそれは3ヶ月である“四半期(クォーター)”にも当てはまり、この時期にはなにかが起こり始める。

今回の主人公、祥子31歳・独身は、地元の福岡から東京に出てきて早8年。中堅広告会社で働きながら東京生活を日々生きている。

ここ最近の彼女は、いつもクォーターで恋を終わらせてしまい、少々アクティブな一面を持っているようだ。そんな出会いの数だけ別れがある東京で、クォーターラブを繰り返しながら、運命の人を探す祥子の恋愛を追いかけていく。

これまでにセンスがなくて好きになりきれなかった太一、義母が強烈過ぎた御曹司の貴幸、3ヶ月で突然連絡が取れなくなったジョナサン、温泉旅行でダメだと気がついた陽一、アプリで出会ったがただの浮気相手にされた浩二、束縛男の亮太とのクォーターラブを経験してきた。




何となく合わないタイミング


「今週木曜日、ご飯行かない?」

月曜日の昼休みに、先日飲みに行った『Bar霞町 嵐』で出会った雅史から連絡が来た。生憎木曜日は同期との飲み会が入っている。

「ごめん、木曜日は先約があって。土曜日は?」
「土曜日は先輩の結婚式二次会入ってるなぁ。来週は?」

こんなやり取りが続く。

雅史は不動産関連会社に勤める34歳。普段バーなどで声を掛けられても無視してしまうが、彼は何かが違った。お互い友達と二人ずつで来ており、どちらかと言うと雅史の友達が積極的に声を掛けてきて、雅史は友達の後ろで小さく「こいつ、酔っ払ってて。ごめんね。」と言っていた。

そのどこか控えめな感じに引かれ、気がつけばお互い連絡先を交換し、そこから連絡を取り合っている。

しかし出会った日と、その後一度ご飯を食べに行って以来中々タイミングが合わない。お互い会える日を提出し合うのだが、大概どちらかがNGで、結局会えずにいる。

「タイミング合わないね。」

と残念そうなLINEをお互い送り合うが、会えないものは仕方ない。

大人になると、仕事もあるし所用もある。デートだけに生きてはいられない。4人以上集まる女子会なども、1ヶ月以上前に日程を決めておかなければ皆集まれない。

東京に暮らす女子は忙しいのだ。

「来週いつが空いてる?」

先日から雅史とこんなやり取りばかりだなぁと苦笑いをしながら返信を打つ。


何となくタイミングが合わない相手...結局それはうまくいくのだろうか?


1ヶ月ぶり、3回目のデート


「何だか久しぶりだよね。」

待ち合わせた表参道のイタリアン・レストラン『Riva dedli Etruschi』で向かい合わせになりながらお互い照れ臭そうに笑い合う。3回目のデートをするまでに、気がつけば1ヶ月かかっていた。

合うのは3回目だが、連絡は取り合っていたせいか何度ももう会っているかのような錯覚に陥るほど、雅史とのデートは自然だった。結婚してもこんな感じで自然に時が流れていくのかな、とふと思う。中々タイミングが合わないこと以外、他は完璧だ。

「お互い1ヶ月先のスケジュール抑えておかないとね。」と、冗談交じりに言いながら、祥子も雅史もスマホアプリでスケジュールを見つつ、1ヶ月分の予定を出して日程を調整した。




タイミングの重要性


一生懸命お互いスケジュールを合わせて何度か会う毎に、祥子は雅史に更に惹かれていった。中々会えないが、少しでもいいから会いたいと思い、会える時間は二人で思いっきり楽しんだ。

「男と会えない時間は、女を磨け。」

と色々な恋愛ハウツー本に書いてあることを祥子は忠実に守り、会えない時間はヨガに行ったり女友達とご飯に行ったりと祥子なりに楽しく過ごしていた。

世の中にはタイミングが合う人と合わない人がいる。デートの約束の日時だけでなく、恋愛や結婚に関しても、タイミングが合わない人とはうまくいかない。

しかし雅史とは、会えないけれど連絡を取り合っており、半分彼氏彼女状態だと思い込んでいたのであまり気にしていなかった。

また、きちんと連絡をくれてスケジュールを合わせようとしてくれる雅史に誠実さを感じており、二人の関係は今後ゆっくりと進んでいくと思っていた。


連絡は取り合っているので幸せだと思っていた祥子。しかしそれは実は「優しいフェードアウト」だった...!?


徐々に少なくなる連絡


「次のデート、いつにしよう?」
「ごめん、ちょっと今月は仕事の見通しが立たなくて... 」

元々毎日のように会っていた訳ではないが、2ヶ月経った辺りから少し違和感を感じ出した。前まで具体的な日程を出してきてくれたが、日程が合わない時に代替案が出てこない。

雅史と会える回数が更に減っているような気がした。
しかし全く連絡が来ない訳ではなく、適度には連絡が来る。

信じて雅史を待っていたが、会う頻度に比例し、連絡を取る頻度が毎日から2日に1回になり、3日に1回になり、そして1週間に1回になって、3ヶ月目で来なくなった。

ぱたりと連絡が来なくなって、ようやく初めて祥子はフェードアウトされたことに気がついた。




その優しさに女性は傷つく


一度深い仲になり、それ以降も連絡がコンスタントに来れば、女性は今後も続くことを期待する。完全に遊ばれているのが分かれば直ぐに離れられるが、中途半端な優しさと距離感は、婚活女子にとって一番の敵だ。

30歳過ぎた女子は以外に純粋で、可能性があると思うと淡い“結婚”という言葉を思い浮かべながら、信じて待ち続けてしまう傾向がある。

雅史サイドからすると、会えない間に徐々に気持ちが薄れて行っていたしまったのが原因だった。しかし祥子が悪い訳でもなく、自分が悪者にもなりたくない。申し訳ないと思う気持ちも加わり、突然ではなく徐々にフェードアウトしていく方法を選んだ。

しかしそんな優しさはいらない。

それまで普通に連絡を取っており、喧嘩をした訳でも何か大きなキッカケがあった訳でもない。

だからこそ、「忙しいだけかも」と無駄に僅かな期待を抱いてしまう。徐々に消えゆくフェードアウトではいつ終わったのかも分からない。

突然連絡が取れなくなったジョナサンの方が実はまだ良かったのかも、と雅史の連絡先を消しながらふと考える。無駄な期待を持たせ、3ヶ月間待っていたこの時間は何だったのだろうか。会えなくて冷めたなら、そうハッキリ言ってくれればいいのに。

大人の恋、しかも時間が無い婚活女子にとって「無駄な優しさの塊であるフェードアウト」という終わり方が実は一番キツイのかもしれない。

【これまでのクォーターラバー】
Vol.1:四半期で相手の価値がわかる!? 30歳独身女とセンスのない男
Vol.2:逃げ切れない義母問題。強烈な義母を持つ御曹司と結婚はできるのか!?
Vol.3:遊びか本命か?恋の賞味期限が決まる勝負の期間が最初の3ヶ月
Vol.4:アリかナシかの判断は3回目で決まる? 意外にハードルが高い温泉旅行の罠
vol.5:運命の人はアプリで出会える!?3ヶ月で発覚する相手のリアルライフ
vol.6:運数回だけでは判断不能。隠れジェラ男&束縛男の兆候はいつ現れる!?