暑い季節になると、特に気になるのが、汗。じっとりと肌に貼り付く汗の不快感は、やっぱり嫌なものです。では、現代のような消臭剤や制汗剤がなかった時代はどんなふうに汗を抑えていたのでしょうか。今回は、江戸時代の「汗の臭い対策」についてのお話です。


汗の臭いに効く「江戸時代のデオドラント剤」とは?



楽しい楽しい夏。でも、体にまとわりつく汗はちょっと嫌ですよね。
自分の不快感だけじゃなく、「汗くさいかな?」とまわりのことも気になってしまいます。
もちろん、江戸時代の人々も暑ければ汗をかきました。
そして清潔好きの江戸っ子は、その臭いも大変気にしていたようです。

当時の人々が、どんな「汗の臭い対策」をしていたのか……。
そのヒントは「別府」にあります。
別府にある「明礬(みょうばん)温泉」。
ここの温泉は、あせもや水虫、アトピー性皮膚炎にも効果があると言われており、さらには汗やワキガなどの臭いにも効果があるのだそう。
その効果の理由は、名前にもなっている「明礬」にあります。

明礬は漬物の発色剤などに使われる添加物。
かつて日本では中国から輸入し、染め物などにも使われていました。
江戸時代に渡辺五郎右衛門という人物が国産の明礬づくりに成功し、それをきっかけに明礬温泉が作られたのです。
明礬の効果には殺菌作用があり、その後、戦時中には軍人たちにとって、なくてはならないものにもなりました。

さて、そんな明礬。先ほども言ったとおり「制汗剤」や「消臭剤」としても優れています。
汗に含まれるニオイの元となる成分と、明礬に含まれる金属が反応し、臭いを消してくれるのです。
特にアルカリ性であるニオイ成分「アンモニア」に対する消臭作用があるので、汗の消臭にはもってこい。
現代の制汗剤にも含まれていますが、ここは江戸時代のように「明礬風呂」に浸かってみるのはいかがでしょうか。

まずはスーパーなどでも売っている市販の明礬を準備します。
次に1.5リットルのペットボトルを準備し、その中に水を入れて明礬を50g入れてください。
よく混ぜれば原液の出来上がり。
お風呂に入るとき、浴槽にこの原液を30ccほど入れば「明礬風呂」の完成です。

江戸からの知恵、明礬風呂。
夏の嫌な臭いとオサラバしてくださいね。

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「江戸流消臭法、明礬風呂」として、7月21日に放送しました。

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