生物学者が書いた本の中には対象のフィールドを興味深く書いたものが多い。本書『アリ語で寝言を言いました』(扶桑社新書)は、音声でコミュニケーションするアリがいるという驚くべき内容の本だ。農業をするアリをパナマで研究著者の村上貴弘さんは九州大学持続可能な社会のための決断科学センター准教授。研究テーマは農業をするアリ、キノコアリだ。巣の中に畑を作り、そこで育てた菌類を女王や幼虫のエサとする。250種類