アノテーションの効果的な使い方とは?YouTubeクリエイターハンドブックを読み解くシリーズ第2弾!

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第1回では「スキップされない動画の秘訣とは?」をテーマに、視聴維持率の大切さや動画の冒頭部分の重要性を見てきました。第2回は「視聴者に行動してもらう」ポイントをお届けします。

特に「アノテーション」は使い方次第で視聴者の行動を左右する、YouTubeならではの機能です。このアノテーション機能をマスターして動画視聴後にユーザーに「望む行動」をしてもらいましょう。

まずは「ユーザーにしてほしい行動」を決める

「行動」といっても、様々です。まずは、ユーザーにどのような「行動」をとってもらいたいのか発信者である企業が把握し、ユーザーを導くことが大切です。

クリエイターハンドブックでは「行動の種類」を以下のようにまとめています。

  • チャンネル登録: 視聴者にチャンネル登録するよう促します。チャンネル登録のメリットを視聴者に伝えます。
  • 他の動画の再生: 次のエピソード、新しい動画、再生リストなどに視聴者を誘導します。
  • 高評価/共有: 視聴者に動画を高く評価したり共有したりするよう促します。高評価や共有は動画を他のユーザーに広めるきっかけになり、さらなる視聴者を呼び寄せることができます。
  • コメント: コメントを投稿するよう促します。具体的な質問を投げかけると、コメントが増えるきっかけになります。

<行動を促すフレーズより抜粋>

企業にとっては他にも「ランディングページへの誘導」「自社サイトへの誘導」などが重要な行動として含まれてくるでしょう。
このような行動を促す方法の一つとしてクリエイターズブックでは「ユーザーへの呼びかけ」などを提示しています。

オンラインで動画を再生する視聴者は、動画に対して反応したり、投稿者や他のユーザーと交流したりできます。
コンテンツクリエイターの成功は視聴者の反応にかかっていますが、大半の視聴者は呼びかけない限り行動しません。

動画には、具体的な「行動を促すフレーズ」が必要です。行動を促すフレーズは最小限かつシンプルなものにします。あまりに多くのフレーズを投げかけると混乱のもとになります。できるだけ簡単に視聴者が行動を起こせるようにします。

直接自分が登場し、ユーザーとのコミュニケーションを日頃から行っているYouTubeクリエイターにとって、「よびかけ」は当たり前のように行われていることですが、企業からの呼びかけとなると一気にハードルが上がります。企業は視聴者を惹きつける動画コンテンツを用い、「自然な流れ」でユーザーに次の行動に移してもらうことが大切になってくるでしょう。

企業活用の多いアノテーションで誘導する

そこで活躍するのが「アノテーション機能」です。
アノテーションとは動画にかぶせて表示できる、クリック可能なエリア(テキストなど)です。これにより、動画自体はそのままで、関連コンテンツへリンクさせたり、ストーリー選択型のインタラクティブな動画(参考記事)にすることなどが可能になります。

それでは、実際に企業における「アノテーションの使い方」事例を見ていきましょう。

EC×そのまま商品に飛べるアノテーション

NY発のオンラインショップ「Fab.」では、ブランドのイメージビデオ内に出てくる商品を、画面の右側でアノテーションにてリンクし、視聴者が直接商品ページへ飛べる仕掛けをしています。

今年3月に発表された米国の約1000人を対象とした調査結果によると、73%の消費者は『動画を観ることで商品を購入する傾向が高まる』と回答しています。このことから、動画から直接商品ページに飛べることは『ユーザーが動画で見た商品が欲しいと思った時に、サイト内で商品を検索する』という時間を省くことができ、購買意欲が高いまま商品ページへのアクセスを促すことができます。
(参考:「欲しい!」欲求最大化の瞬間を逃さない、ショッピングビデオとは。)

HowTo動画×頭出し再生で快適な視聴

Redkenはプロフェッショナル向けヘアケアブランド販売などを行っているNYの企業で、YouTubeチャンネルでは自社製品を使ったヘアスタイルチュートリアルを公開しています。チュートリアルは、実用性を考えると通しで一回のみ視聴するのではなく、見たいパートを何回か繰り返しみることになるでしょう。そんなユーザーの行動を考え、各パートをアノテーションにて頭出し再生できるようになっています。

HowTo動画導入によって、大きな効果を得られていることがレポートでも報告されており、過去のロレアル社オンライン販売の事例でも以下のような結果が出ています。

・動画視聴者10人のうち9人以上が、How to動画をほぼ最後まで(90%)視聴。
・製品動画の視聴者は購入可能性が約2倍向上。
・動画視聴者の平均注文額は、視聴しなかった人より1.2倍多い。

このような効果的なコンテンツに、更にアノテーションによって工夫を施すことで、より魅力的なコンテンツに仕上げています。
また、Redkenでは、オンライン販売は行っていないため、動画の最後の画面でアノテーションを活用し、「どこで購入できるか」を検索できるページへしっかりと誘導しています。

>>まだまだアノテーションの有効活用事例&注意点もチェック!

旅行×インタラクティブ性で「自分だけの旅行プラン」を作る

世界的な映像キャンペーンを行った英国政府観光庁。「Sound of GREAT Britain」と名付けられたこのキャンペーンの映像では再生中に現れる選択肢を選びながら、自らの旅行プランをたてることができます。英国に溢れる「音」とそれに伴う美しい映像がだんだんと重なりあい、ひとつのプロモーションビデオとなっていく様子はアノテーション機能ならではの体験です。

英国政府観光庁のマーケティング部長、Joss Croft(ジョス・クロフト)氏は、今回の取り組みについてこのように、コメントしています。
「この動画はユーザー自らがオーダーメイドの英国旅行広告のディレクターになることができる、初めての場です。そして、自分で旅を創造することにより、それぞれの関心やインスピレーションに応じた各々の旅を、実際に英国にて体験してみたいと感じていただけることでしょう。 また、この広告は従来のものとはちょっと違います。なので、こういった手法をとることにより、“現代の自信に満ちた英国のユーモアと個性”をユーザーに届けられると考えています。」

動画自体もアノテーションの性質を上手く使い、大変魅力的なものに仕上がっていますが、さらに仕掛けがあります。
動画の最後にはアノテーションにて誘導をされ、

LoveWallを選択すると公式サイトへとび、映像で選んだ「旅行プラン」が自動的に生成されており詳細を見ることができるという仕組みです。

Lovewallでは選んだ旅行プランをPDF形式で自動生成してくれるので、「動画からサイトへの誘導、実際の旅行時に使える印刷用PDF」と一貫して、旅行者を誘導する仕組みづくりがなされています。

アノテーションの種類

今まで紹介した事例で使われているアノテーションは全て「スポットライト」と呼ばれるアノテーションを用いていおり、企業での利用としても一般的ですが、他にもアノテーションは数種類あります。

  • 吹き出し: テキストを表示する吹き出しを作成します。
  • メモ: テキストを表示するボックスを作成します。
  • タイトル: 動画のタイトルを表示するテキスト オーバーレイを作成します。
  • ラベル: 動画の特定の部分を呼び出して名前を付けるラベルを作成します。
  • スポットライト: 動画内の領域をハイライト表示します。ユーザーがこの部分にマウスを移動すると、あらかじめ入力しておいたテキストが表示されます。

▼こちらの動画で分かりやすくどのようなものかご覧いただけます

また、アカウントの状態が良好なユーザーのみが使える『InVideoチャンネル・動画紹介ツールを利用したアノテーション』もあります。
このアノテーションは、動画内で自身のチャンネルや特定の動画をアノテーションとして表示させ、宣伝できます。

InVideoチャンネル・動画紹介ツールでできること

  • チャンネルを紹介 - チャンネル ロゴをアノテーションとしてすべての動画に追加できます。ロゴをクリックすると、チャンネルのトップにリンクします。
  • 特定の動画を紹介 - 動画のサムネイルをアノテーションとしてすべての動画に追加できます。サムネイルは動画の再生ページにリンクします。

例えば、今後チャンネルのブランド イメージを変更することになった場合、すべての動画に対して一括でチャンネルロゴの画像を表示でき、動画が再生されるたび視聴者にチャンネルの新しいブランドを印象付けることができます。
<日本版 YouTube クリエイター ブログより抜粋>

InVideoの機能を工夫をし「別アングルで撮ったビデオ」として挿入することで、以下のような表現も可能です。

単純に他の動画の紹介をするだけでなく、Invideoでも様々な工夫ができそうです。

アノテーションの注意点

最後にアノテーションを利用する際の注意点をいくつか挙げてみましょう。

  • 2014年4月現在では「モバイル、タブレット、カスタマイズしたYouTubeクロムレスプレーヤー、TV デバイス」ではアノテーションは表示されない。
  • アノテーションで外部サイト(自社サイトなど)へリンクするにはいくつか条件がある。前提として、チャンネル利用状況が良好な状態であること。
    設定では「収益受け取り」と「外部アノテーション」が有効化されていること。
    ウェブマスターツールとYouTubeチャンネルの関連付けがされいてること。
  • 動画の下部は、クローズド キャプション(字幕)やオーバレイ広告で隠れてしまう可能性があるので、アノテーションを配置するには注意が必要。
  • 何らかのインセンティブを与えて視聴者の行動を促す(たとえば、動画へのリンクやお気に入りへの追加に対する見返りとして景品や賞品を渡す)行為は、YouTube 利用規約とコミュニティ ガイドラインに違反する。

第2回 まとめ

今回は「動画を視聴させるだけではなく、ユーザーに行動させる」ということについて解説しました。そのためには、「どんな行動をしてほしいのか」をまずは明確化し、どのような方法でその行動をとってもらいたいのかを策定することが大切です。

その方法はアノテーションだけではありませんが、今回は最も一般的で有効性の高いアノテーションの有効活用を見ていきました。中には「コンテンツをきちんと見てもらう」ための工夫をしているアノテーションも多く見られ、ただの「リンク」としてだけでなく、アノテーションは幅広く活用できることが見て取れたと思います。

事例では海外事例を取り上げましたが、国内でも多く見られるようになったアノテーション動画。是非、事例などをヒントにアノテーションで一工夫した動画を制作してみましょう!

次回は、「動画の最適化ーメタデータ」、いわゆる動画SEOについて見ていきます。

今回、アノテーションの設定方法などについては触れませんでしたが、「こんなことが知りたい!」等ございましたらTwitterやFacebbook、お問い合わせページからリクエストもお待ちしております。

[参考]

アノテーション - YouTube:http://www.youtube.com/yt/playbook/ja/annotations.html

行動を促すフレーズ - YouTube:http://www.youtube.com/yt/playbook/ja/calls-to-action.html

動画のエンディングはあなた次第!ストーリー選択型ムービー:http://www.movie-times.tv/overseas/147/