「メタボ」より怖い?「ロコモ」の脅威

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 いまや「メタボ」という言葉は誰でも知っていますが、厚生労働省が次に認知度を高めようとしている言葉が「ロコモ」です。事実、最近テレビ番組の特集で「ロコモ」という言葉を耳にするようになり、今年の健康キーワードになるかもしれません。
 『姿勢を変えてロコモ対策超入門』(中野ジェームズ修一/著、扶桑社/刊)によると、「ロコモ」とは「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)の略。筋肉や関節、骨などの衰えにより、立ったり階段を上がったりといった日常生活がスムーズにできなくなり、将来“要介護者”になるリスクが高まった状態を指します。
 これは高齢者だけの問題ではありません。まだ若くて元気な年齢から、運動器の機能低下は始まっているのです。
 たとえば、こんな運動ができなかったら、あなたは「ロコモ」予備軍かもしれません。

■簡単にできる「ロコモ」危険度チェック
1.高さ40cm程度の椅子や台に座って、腕を胸の前で組み、片足を伸ばして前傾姿勢をとります。

2.その状態で反動を使わず片足で立ちあがり3秒間キープします。この動作でぐらついたり、上げていた足をついてしまった人はバランス能力・筋力が低下しており、「ロコモ」予備軍だといえます。

※40cmという椅子の高さは40〜50代の目安です。20代の方は20cm、30代の方は30cmほどの高さの椅子でチャレンジしてみてください。

■日頃からできる「ロコモ」対策
 「ロコモ」を招く原因が筋力の低下である以上、「ロコモ」を防ぐためには筋肉を増やすことが必要となります。
 筋肉を増やすためにはハードなトレーニングが必要だと思われがちですが、そんなことはありません。中野氏によれば、日常生活で効果的に体を動かして、「生活活動強度」を上げることで、筋力トレーニングの役割は十分に果たせるそうです。
 たとえば、いつもより速いペースで歩いてみたり、エスカレーターやエレベーターを使わず階段を使ったり、電車の中で座らずに立つなど、“いつもやっていること”をいつもよりきついやり方で行うことで、体力・筋力は向上するのです。
 また、筋力の低下は姿勢の崩れを誘発するため、筋力を鍛えることは、姿勢を正しく整えることにもつながります。



 全国に4700万人いると推測されている「ロコモ」予備軍は、今後も増えていくことが予想され、いずれは40代以上の5人に4人が将来的に要介護者になる可能性が指摘されています。
 本書には、「ロコモ」を防ぐエクササイズや、姿勢の悪化を予防するストレッチの方法が紹介されていますので、前述のチェックができなかった方や、体力低下が気になる方は、本当に困ったことになる前に「ロコモ」の対策を始めておいた方がいいかもしれません。
(新刊JP編集部)