子どもへの「自分でやりなさい」が逆効果になる理由・ワースト1
親に必要なことは、子どもをじっくり観察することだ。
「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が大好評発売中だ。「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅しているのが特徴だ。
そこで今回は、教育評論家の親野智可等先生にインタビューを実施。本記事では、本書の内容をもとに、子育て中の親が疑問に感じやすいテーマについて話をうかがった。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・佐藤里咲)
子どもの発達段階に合わせて判断する
――大人になる過程で、「自分で季節に合った服を選べる」ようになることが求められると思います。小学校入学前後から練習させるのは、少し早いでしょうか?
親野智可等氏(以下、親野) これは実は非常に奥が深い問題です。
結論から言うと、「子どもによる」ということになります。
同じ6歳、7歳でも、生まれつきの資質による違いがかなりあり、本当に個人差が大きいです。
子どもがその日の天候状況を理解して、その日の活動を考えて、それに合った服装を選ぶというのは大人が思う以上に高度なことです。
早熟な子ならある程度できるかもしれませんが、そういう子ばかりではありません。
「男の子脳」「女の子脳」という言い方がありますが、誤解を招く可能性がある言い方なので、私はそれを「晩熟脳」と「早熟脳」と言い換えています。
私の経験ですと男子の8割と女子の2割が晩熟脳です。晩熟脳の子は、自己管理力、言語能力、空気を読む力、やるべきことをやる力、物の管理をする力などの発達がゆっくりです。能力がないわけではありません。ただ、目覚める時期が遅いのです。
ですから、まだそうした力が十分育っていない子に対して、「自分で服を選びなさい」と求めすぎると、親も子も苦しくなってしまいます。
自分で服を選んでみよう
親野 一方で、すでにそうした力が育っている子であれば、自分で天気を見て服を選ぶ経験はとてもよい学びになります。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』でも、「てんきに あった ふくを えらぼう」というおやくそくが紹介されていますね。
・あついひは すずしいふくを、 さむいひは あたたかい ふくを きよう。
・あめのひは レインコートを きて ながぐつを はくよ。
・ひざしが つよいひは ぼうしを かぶろう。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
親野 大事なのは、「何年生だからできるはず」と考えないことです。
実際、幼稚園の頃から自分で服装を考えられる子もいますし、小学校高学年になっても難しい子もいます。
そのくらい個人差が大きいのです。
ですから、年齢を見るのではなく、わが子を見ることが大切です。
服選びだけの話ではなく、朝の支度でも、持ち物の管理でも、何でも同じです。
これは子育てや教育において常に気をつけるべき大事な視点であり、冒頭で「非常に奥が深い問題」と言ったのはそういう意味なのです。
わが子の今の状態に合わせて、少しずつステップ・バイ・ステップで進めていく。
それが一番大事です。
「みんなができているから」「もう○年生だから」と考えるのではなく、「この子には今、どこまでできるかな」という視点で考えてほしいですね。
(本記事は『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)
