吉林大学が開発した青銅器の年代や分類を調べることができるSNS「微信(ウィーチャット)」アプリ用AIミニプログラム「吉金識弁」。(スクリーンショット、長春=新華社配信)

 【新華社長春6月5日】中国の吉林大学(吉林省長春市)コンピュータサイエンス・テクノロジー学院の劉穎(りゅう・えい)教授は月末になると授業評価レポートを受け取る。同大が開発した教育評価大規模モデル「知新」が生成したレポートで、劉氏が担当する「AI(人工知能)と人の生活」の授業を分析している。

 「知新」は誕生から1年余りで既に全学6千以上の講義を「聴講」し、授業の問題点の指摘だけでなく、改善案も示した。同モデルは、中国の大学が進める「AI+(プラス)教育」の代表事例の一つと言える。

 AIは同大図書館の古籍特別収蔵センターでも文化財修復と文化解読の担い手として活躍している。所蔵する40万冊(点)の古籍、中でも修復が必要な希少本にとって修復師の経験は大きな価値を持つが、そこにAIが加わることで作業効率がさらに高まった。

 膨大な古籍のデジタル画像や修復事例の深層学習(ディープラーニング)を通じ、AIは断片的な文字の照合や結び付けを提案するほか、紙質や色あせた文字を分析、鮮明化し、専門家を科学的にサポートする。これにより、文献をより迅速かつ正確に修復できるようになった。

 吉林大学考古学院は人工知能学院と連携し、青銅器の年代や分類を調べることができるSNS「微信(ウィーチャット)」アプリ用AIミニプログラム「吉金識弁」をリリースした。スマートフォンで青銅器の写真を撮影してアップロードするだけで、ミニプログラムが年代推定や型式分類を行い、考古学的な解説もしてくれる。

 吉林大学図書館の徐昊(じょ・こう)館長は「古籍の修復から文化財の識別まで、AIは歴史と現在をつなぐ技術の架け橋となりつつあり、文化財の保護と文化の継承に新風を吹き込んでいる」と語った。(記者/孟含蒞)