アンソロピックがIPOを申請、時価総額1兆ドル超の可能性…早ければ今秋にも上場へ
【ニューヨーク=木瀬武】最新のAI(人工知能)モデル「クロード・ミュトス」などを手がける米新興企業のアンソロピックは1日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請したと発表した。
早ければ今秋にも上場する見通しだ。上場時の時価総額が1兆ドル(約160兆円)を超える巨額のIPOになる可能性がある。
IPOの手続きに必要な届け出書の草案を同日付でSECに提出した。財務情報や売り出す株数、価格などは現時点で開示しておらず、SECの審査終了後に明らかにする。
アンソロピックは声明で「我々はSECの審査完了後に上場の選択肢を得る。(上場の時期などは)市場環境やその他の要因次第となる」と説明した。
アンソロピックは投資家による企業評価額が5月時点で9650億ドル(約150兆円)に達した。ライバルの米オープンAIの8520億ドル(3月時点)を抜き、未上場のAI新興企業では世界最高の評価とされる。法人向けを中心に事業を急拡大しており、オープンAIに対し、稼ぐ力で優位にある。
オープンAIも近く申請へ
米メディアによると、オープンAIも近くIPOを申請する見込みで、6月上場予定のイーロン・マスク氏が率いる宇宙企業スペースXと並んで時価総額で1兆ドルを上回る史上最大規模の上場が続く見通しだ。各社ともAIモデルの開発やインフラ整備に巨額資金が必要で、上場で資金を柔軟に調達できるようにする。
米ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブス氏は「アンソロピックとオープンAIはAIの覇権を巡って激しく争っており、IPOは資金力と成長戦略を大きく後押しすることになる」と指摘する。
一方、上場で短期的な利益を求める投資家の圧力が強まり、AIの安全性に対する取り組みが後手に回る懸念もある。
