経済

写真拡大

 M&A(企業の合併・買収)の適正化のため、経済産業省は「企業買収における行動指針」の内容を補足する。

 企業経営者は、価格だけで買収提案の受け入れを判断するのではなく、従業員や取引先などへの影響を考慮すべきだとの考えを明示する。

 補足文書として指針に追加する。2日に開く有識者会議で公表し、7月に正式にとりまとめる。

 2023年に策定した指針では、合理的な買収提案に対し「真摯(しんし)な検討」を行うべきだと指摘した。この結果、企業の間では、高値の買収提案は拒否することができないとの受け止めが広がった。補足文書は、こうした「不十分な理解または認識の乖離(かいり)」を是正するものとして公表する。

 高値の買収でも「望ましい買収」になるとは限らないと強調し、受け入れの可否は、将来の企業価値向上を基準に判断すべきだと記載する。取締役会が買収を拒否しても「広い裁量をもって経営判断」したとみなすことができると明記し、訴訟リスクを恐れて経営陣が判断を左右されないようにする。

 買収提案に経済安全保障上の懸念がある場合は、将来、企業価値への悪影響が生じる可能性があることを指摘。アクティビスト(物言う株主)が事前に買収者と連携していることが疑われる事例は「透明性の観点や株主平等の観点から問題」との認識を示す。

 このほか、外国為替及び外国貿易法(外為法)や独占禁止法など当局の許認可が得られる見込みの低い提案は「合理的でない」との見方を打ち出す方向だ。