【清水 芽々】「元AV女優」と結婚した男性…”出演作品”を見つけた会社の部下から告げられた「衝撃の言葉」
両親の借金をきっかけにAV出演
アダルトビデオ出身の女優のなかには、引退後、インフルエンサーとして活動し、若い女性から高い支持を集めている人も少なくない。だが、世間にはまだまだ「元AV女優」に対して批判的な目を向ける人も多いようだ。
「私自身、ここまで偏見の目で見られるとは思っていませんでした」
そう苦笑いするのは、茨城県在住のトラックドライバー・稲田俊司さん(仮名・44歳)。彼には5年前に結婚した葵さん(仮名・39歳)という妻がいるが、実は葵さんは元AV女優である。
そのことが同僚に知られてしまったことで、俊司さんは以前勤めていた会社を退職する羽目になったという。
「葵とは6年前に婚活パーティで知り合いました。当時、彼女は一般企業の事務員として働いていました。私は38歳で葵は33歳、年齢的なこともあって交際当初から結婚を意識しており、付き合い始めて1周年のお祝いの時にプロポーズをしたんです」(俊司さん。以下鉤カッコ内は同)
俊司さんが指輪の入ったケースを掲げ、膝をついて「結婚してください」と告白すると、葵さんはその場にしゃがみこんで泣き出してしまったという。
「最初は嬉し涙だと思ったんです。でも葵はずっと顔を伏せたままで指輪を受け取ろうともしない。いったいどういうことなのかと不思議に思っていたら、葵が『プロポーズを受ける前に話しておかないといけないことがある』と言い出しました」
それが「元AV女優」という告白だった。
「AVを始めた理由はご両親の借金だったそうです。自己破産寸前まで追いつめられ、経営していた会社も家もすべて失いかけて、ご両親はノイローゼになった。そんな両親をなんとか助けたいと、葵はメンズエステでアルバイトをするようになり、そこでAV関係者にスカウトされたと言っていました」
メンズエステとは、個室で女性のセラピストからマッサージなどの施術を受ける形態が一般的だが、葵さんが働いていたのは「ヌキ」と呼ばれる性的サービスが常態化しているサロンで、時には本番行為に至ることもあった。
「そんな店で働くうちに感覚が麻痺していった葵は、『1本15万』というAV出演の高額報酬に目がくらんだと言っていました」
部下が偶然発見
葵さんが出演した作品は5本。すべて複数の女優が登場する、いわゆる「企画モノ」だった。
「私はAVに詳しくないのですが、聞けば、葵が特に注目されていたというわけではなさそうだし、出演していた期間も1年ほどとのことでした。10年前に引退していたので、私は『過去の話』として受け止めていました」
俊司さんと葵さんは結婚し、第一子も誕生。親子3人で幸せな生活を送っていたが、運命のいたずらとしか思えない「偶然」が水を差した。
「私が勤めていた不動産会社が管理するアパートの賃借人が、家賃を滞納した挙句に夜逃げするという案件が発生しました。そこで後始末のために私の部下・Xが当該物件に向かったんです」
荷物が散乱する部屋を片付けていたX氏は、賃借人が残していったと思われる大量のアダルトビデオを見つけ、たまたま手にとったパッケージに見覚えのある女性が写っていることに気づいてしまう。
「それが葵だったわけです。Xとは家族ぐるみの付き合いをしていたので、彼は葵の顔をよく知っていたんです」
片付けを終えて会社に戻って来たX氏は、周りに誰もいないタイミングを見計らい、俊司さんのところにやって来て「これを見つけました」とAVのパッケージを差し出した。
「私はそこに写っている女性のひとりが葵だということにすぐ気づきました。とはいえ、10年前の写真ですから、『似ているだけの別人』ととぼけることもできたのですが、Xは葵を指さして『これ奥さんですよね』と断定的な言い方をしたんです」
「何でそう思った?」と聞く俊司さんに対し、X氏は「声とか話し方が葵さんそのものだったし、手首にある特徴的なホクロも一緒でした」と話した。
「つまりXは中身を観たということです」
社内で知れ渡った
動揺のあまり、否定するタイミングを逃がした俊司さんが黙り込むと、X氏は「知らん
ふりをしようかとも思いましたが、一応お知らせしたほうが良いと思ったんです」と頭を下げ、その場でパッケージをシュレッダーにかけた。そして、「本体のほうはもう砕いて捨てました」と打ち明けた。
「私が『気を使わせて悪いね。ありがとう』と言うと、Aは『余計なことでしたら申し訳ありません。僕は見なかったことにしますので、稲田さんも忘れてください』と言って部屋を出て行きました」
この日のことを俊司さんは葵さんに言わずにいた。
「Xの言う通り、忘れようと思ったんです。Xと私、何より葵のためにもなかったことにしよう、と」
だが、「なかったことにする」はずだったこの事実は、数日後社内で知れ渡ることになる。
「私のLINEに『稲田さんの奥さんが元AV女優!?』という女性部下からのメッセージが届いたんです。誤送信だったようですぐに削除されたんですが、私は自分の目でしっかりと確認してしまいました。背筋が冷たくなるのを感じましたね」
他人の口に戸は立てられない……そう考えながら、俊司さんはX氏の顔を思い浮かべたそうだが、原因はX氏ではなかった。
後編記事『妻が「元AV女優」の男性、噂が広まり上司から呼び出しまで…会社を「辞めるしかなかった理由」』に続く。

