中古住宅を購入予定です。「建物が古いほど固定資産税は安い」と聞きましたが、新築と中古では具体的にどれくらい差が出るのでしょうか?
固定資産税は土地と建物に分けて考える
固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人にかかる税金です。税額は、市区町村が決める「固定資産税評価額」をもとに、住宅用地の特例などを反映して算出された「課税標準額」で計算されます。一般的な税率は1.4%ですが、自治体によって異なる場合があります。
住宅の固定資産税を考えるときは、土地と建物を分けて見ることが大切です。土地は建物のように古くなるものではないため、築年数がたっても固定資産税が大きく下がるとはかぎりません。駅に近い、商業施設が多い、人気エリアにあるといった土地は、中古住宅であっても税額が高くなることがあります。
一方、建物は年数がたつほど価値が下がると考えられます。そのため、同じ広さや構造の住宅であれば、新築よりも中古住宅のほうが、建物部分の固定資産税は安くなりやすいです。
ただし、固定資産税全体で見ると、土地部分の影響も無視できません。そのため、建物が古くなって評価額が下がっていても、土地の評価額が高ければ、税額全体が思ったほど安くならないことがあります。
建物が古いほど固定資産税は安くなりやすい
建物部分の固定資産税は、築年数がたつにつれて下がりやすくなります。これは、建物の価値が年数とともに減っていくと考えられているためです。
例えば、新築時の建物評価額が1200万円の住宅があるとします。税率を1.4%として単純に計算すると、建物部分の固定資産税は年間16万8000円です。築年数がたち、建物評価額が600万円まで下がれば、固定資産税は年間8万4000円になります。この場合、建物部分だけで見ると年間8万4000円の差が出ます。
ただし、建物が古くなっても、建物部分の固定資産税が必ずゼロになるわけではありません。築30年、40年の住宅でも、建物が残っているかぎり課税対象です。また、リフォームや増築をした場合は、建物の評価が見直され、税額に影響する場合もあります。
こうした点を踏まえると、中古住宅を選ぶ際は、「古いから固定資産税は築年数だけで判断せず、建物の評価額がどれくらい残っているかを確認することが大切です。
新築は軽減措置により最初の数年だけ安くなることがある
新築住宅は建物の評価額が高いため、本来であれば中古住宅と比べて固定資産税が高くなりやすいです。ただし、新築住宅には一定期間、建物部分の固定資産税が2分の1になる軽減措置があります。
一般的な一戸建て住宅では軽減期間は新築後3年間で、認定長期優良住宅に該当する場合は、5年間に延びます。また、3階建て以上の中高層耐火住宅(主にマンション)では、一般住宅が新築後5年間、認定長期優良住宅が7年間です。そのため、購入直後の数年間だけを見ると、新築のほうが中古住宅より固定資産税が安くなるケースもあります。
例えば、建物評価額が1200万円の新築住宅では、建物部分の固定資産税は「1200万円×1.4%=16万8000円」です。軽減措置が適用されると、対象期間中は「上記税額の2分の1=8万4000円」になります。
一方、築10年の中古住宅で建物評価額が800万円の場合、建物部分の固定資産税は「800万円×1.4%=11万2000円」です。単純計算ですが、この例では軽減期間中にかぎれば新築のほうが安くなります。
しかし、軽減期間が終わると税額は本来の水準に戻ります。購入後すぐの税額だけでなく、4年目以降や6年目以降にどれくらい負担が増えるかも考えておきましょう。
中古住宅の固定資産税は購入前に実額を確認しよう
中古住宅は、建物が古いほど固定資産税が安くなりやすい傾向があります。ただし、税額は築年数だけでは決まりません。土地の評価額や建物の状態、新築時の軽減措置などによって、新築と中古で固定資産税額にどれくらい差が出るかは変わります。
中古住宅を購入する前には、売り主の納税通知書や課税明細書を確認し、実際の固定資産税額を把握しておきましょう。事前に毎年の負担を知っておけば、住宅ローンや修繕費も含めた資金計画を立てやすくなります。新築か中古かを選ぶ際は、物件価格だけでなく、固定資産税額や修繕費など購入後にかかる費用も含めて考えましょう。
出典
総務省 固定資産税の概要
国土交通省 新築住宅に係る税額の減額措置
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
