巨人・阿部監督

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 DeNAが正捕手の山本祐大を交換要員に、ソフトバンクの尾形崇斗と井上朋也を獲得する1対2の電撃トレードを敢行したことは大きな波紋を呼んだ。衝撃的なトレードは今後も続く可能性がある。注目されるのが巨人だ。先発のコマ不足が大きな懸案事項になっており、V奪回に向けて出血覚悟で即戦力投手の獲得に動く可能性がある。

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大きな誤算

 巨人は、18日現在、23勝18敗の3位。ヤクルトと阪神に必死に食らいついている。

 その巨人にとって、大きな誤算だったのがエースの山粼伊織だ。昨季は11勝4敗とチーム唯一の2ケタ勝利をマーク。今シーズンも大黒柱としての活躍を期待されたが、右肩のコンディション不良で開幕前に離脱を余儀なくされると、リハビリを経て1軍復帰を目指した。が、今月3日のファーム戦・広島戦(ジャイアンツタウン)に先発し、2球目を投げた後、右肩の異変を訴えて降板。実戦復帰のメドが立たない状況となった。

巨人・阿部監督

「山粼は東海大4年の時に右肘のトミージョン手術を受けたため、社会人野球に進むとみられていました。その中で巨人は将来のエースと高く評価してドラフト2位で指名した経緯があります。1年目はリハビリに専念して2年目から1軍の戦力になり、その後は先発の中心に成長して3年連続140イニング以上を投げています。右肩のコンディション不良は勤続疲労の影響が考えられ、実戦登板で再び右肩に異変が発生したことは重く受け止めなければいけません。これからの野球人生を考えると無理は禁物です。今年1年は戦力として計算しない方がいいでしょう」(スポーツ紙デスク)

環境を変えれば輝ける可能性が

 大黒柱不在の先発陣で、ドラフト1位の竹丸和幸が5勝をマーク。ベテランの田中将大、楽天からFA移籍で加入した則本昂大、新外国人右腕のウィットリー、7年目左腕の井上温大が奮闘しているが、長いシーズンを考えると先発の層が厚いとは言えない。復活を目指す戸郷翔征が5月に1軍昇格したが、2試合登板で防御率7.20と本来の輝きには程遠い。

 巨人は昨年5月に若手のホープだった秋広優人と左腕リリーバーの大江竜聖を放出し、ソフトバンクのリチャードを獲得している。巨人を取材するスポーツ紙記者は「トレードに積極的な球団なので、今年もシーズン途中の補強に動く可能性が十分にある」と分析した上で、こう続ける。

「先発のコマとして最も欲しい投手はオリックスの山岡泰輔でしょう。19年に13勝をマークして最高勝率のタイトルを獲得するなど先発で稼働していました。昨オフにFA権を行使せずにオリックスと1年契約でサインしましたが、今年は1軍登板がなく開幕からファームで調整しています。キャリアがある投手ですし、30歳とまだ老け込む年ではないので環境を変えれば輝ける可能性がある。共に現在は2軍ですが、2ケタ勝利をマークした実績がある松本航(西武)、192センチの長身から球威十分の直球が魅力の河村説人(ロッテ)も有力候補になります。しかし即戦力投手の観点でもっとも計算できるのは山岡です」

1軍の座が保証されていない

 ただ、実績がある先発投手をトレードで獲得するのは簡単ではない。巨人サイドも1軍のレギュラー級の選手を交換要員にする必要があるだろう。巨人OBは語る。

「山岡クラスの投手を獲得するなら、門脇誠や浅野翔吾がトレード要員になるのでは。門脇は1年目に坂本勇人を押しのける形で遊撃の定位置をつかんだが、2年目以降は攻守に精彩を欠いて、今は泉口友汰の後塵を拝しています。今年は二塁の吉川尚輝が両股関節の手術で4月下旬まで不在でしたが、代役で起用されたのはプロ2年目の浦田俊輔でした。門脇は守備固め、代走が主な役割で1軍の座が保証されていない立場になっている。身体能力が高く、野性味あふれる選手なのでくすぶっているのはもったいない。オリックスは二遊間が手薄なのでチャンスは十分にある」

大田泰示放出の過去も

 浅野はドラフト1位で獲得して今年が高卒4年目。トレードで放出することは考えにくいが、前出の巨人OBの考えは違う。

「巨人に入団してから年々輝きが失われている感じがします。昨年は4月に打撃の状態が上がらず3軍降格を経験し、その後も右手の骨折で離脱するなど29試合出場で打率.187、2本塁打とふるわなかった。今年は肉体改造で体重を95キロに増やしましたが春季キャンプ早々に右ふくらはぎ肉離れで戦線離脱。こういうケガは首脳陣の印象が良くありません。秋広にも共通しますが、浅野は外野の守備に難を抱えていることもネックです。送球に不安があるため、守備力を重視する巨人の中でスタメン起用しづらい。高卒ドラフト1位で入団した大田泰示をトレードで放出した過去がありますし、浅野もトレードのコマになることが考えられます」

 浅野は故障から復帰してファームリーグで18日現在、30試合に出場し、打率.299、1本塁打、13打点をマーク。10日のロッテ戦で左越えアーチを放つなど打撃の状態が上がっている。が、15日に今季初めて一軍練習に合流したものの、昇格は見送られた。巨人の1軍の外野陣は来日2年目のキャベッジ、パンチ力のある佐々木俊輔、育成から支配下昇格で売り出し中の平山功太のほか、FAで加入した松本剛、ベテランの丸佳浩がいるなど、競争は激しい。中山礼都は打率1割台と打撃不振から抜け出せず、2軍に降格したが、外野の守備力は低くない。

 昨年のシーズン途中に獲得したリチャードは77試合出場で11本塁打といずれも自己最多の数字をマークし、長距離砲の片鱗を見せた。今年もシーズン途中のトレード補強を敢行するか。巨人の動向が注目される。

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デイリー新潮編集部