体操NHK杯に橋本大輝さんと岡慎之助さんによる金VS金の頂上決戦を見に行き、撮影許可証1000円で思い出を記録してきた件。
世界最高峰の直接対決を見ました!
今回はお出掛けの記録です。体操の第65回NHK杯に行ってきました。「NHK杯」という名前の印象だけだとローカル国内大会みたいな感じもしますが、体操界におけるこの大会の位置付けは、世界に送り込む日本代表を決める年間でももっとも重い大会です。ここの成否で人生が変わる、それぐらい緊張感にあふれた舞台。その緊張感に触れて、自分の気力を奮い立たせる癒しにしようそんな目論見です。
↓ということでやってまいりました東京体育館!高崎じゃないから近い!
この日は男子の決勝が行なわれるということで客足も好調。多くの人が開場間もなくから自由席の席取りなどを行なっており、当初は使用を予定していなかった北側スタンドも自由席として開放されました。お隣の国立競技場ではセイコーゴールデングランプリ陸上が開催されており、あのノア・ライルズさんが来日しているということで周辺一帯がちょっとした国際大会のような雰囲気も。「東京五輪のとき体操男子個人総合と陸上男子100メートル決勝のチケットどっちかくれるって言われたらどっち選んでたかな?」なんてことを夢想しながら、僕は体操のほうへインします。
場内では小規模ながら熱心にイベントなどが行なわれています。日本体操協会をトップスポンサーとしてご支援いただいているテーブルマークさん(※加ト吉だよ!)からは、何と!この食料品価格高騰で庶民のエンゲル係数が上がり過ぎて滅という世情を哀れんでか、来場者に「国産こしひかり」のパックを配布してくれたではありませんか。若干の「早く配り終わりたい」の気配を感じなくもないティッシュ並みのスピード感での配布、なくなる前にありがたくいただきましょう。
↓この日の晩御飯をいただきました!
↓マスコットキャラのコシノツヨシ君も元気にファンサ中!
各種売店も熱量高く運営されており、ラインナップもなかなか個性的で楽しませてくれます。大会運営サイドの店なのか、素性がよくわからなかったお菓子売店では、お菓子の詰め合わせ(1000円)を買うと体操ステッカーのおまけがもらえて、さらにNHK杯ポスターがついてくるというガバガバ設定のセールも実施されています。お菓子の時点で1300円相当が入っていると主張しているうえに、全付けのステッカーだけでは飽き足らずポスターまでつけてくるとは。むしろ1000円のポスターにおまけのお菓子がついていると言ったほうが相場感覚的に食指が伸びそうな気もしましたが(ポスターなら1000円はしますよねと思うけど、お菓子だと1000円はいらないって思う)、お菓子を売りたかったんでしょうね。
↓どうしてもお菓子を売りたい!という熱い気持ち!
グッズ系の売店では、大会によくある競技者向けの用具販売店(レオタード等)を売るお店があったり、日本代表グッズ(Tシャツ、キーホルダー等)を売るお店があったり、日本体操協会と鉄腕アトムとのコラボグッズを売るお店があったりと(※アトムの着ぐるみもいましたよ)、バラエティ豊かに展開されています。さらに、何らかのつながりで何らかのアパレルショップも出店しており、個性豊かな体操風味デザインのアパレルを販売しています。体操界のNEW ERAといった存在感で衆目を集めているようでした。
そんな売店群のなかでもひときわ大きな注目を集めていたのは体操ガチャです。注目選手たちの決めポーズを缶バッジにしたガチャは男女それぞれで展開されており、1回300円という良心価格。運営さんが両替まで対応してくれるということで、たくさんの人が列を成して5回ずつくらいまわしていました。僕も記念に男女1回ずつガチャりまして、谷田雅治さんと岸里奈さんをゲット。いい感じのお土産になりました。
↓買いませんでしたが、どこかに需要はありそうな気がするキャップ!
↓体操ガチャで缶バッジをいただきました!
そしてもうひとつ、今大会は買わなければいけないものがありました。チケットは家から持ってきたのですが、この大会は入場チケット以外に撮影チケットというものがあるのです。昨今問題視されるバカデカバズーカを持ってきて選手をいやらしい目線で撮影するような輩への対処と、それはそれとして世界のスターの写真を撮りたいという観衆の一般的な希望とに折り合いをつけるように、「スマホ限定での撮影許可証」というのを1000円(手数料別)で販売していたのです。
「お金払うならいいですー」というのが大半の人の心情かもしれませんが、僕などは一応観戦記として記録などもしておきたいですし、有料での撮影という経験もなかった気がするので体験としても興味があり、買ってみることにしました。1000円払って撮影許可証を買いますと腕にライブの入場券みたいなテープが巻かれ、それをつけていると競技中の撮影なども可能になるということのよう(※競技終了後のグリーティングタイムでは無料撮影が解禁されていました)。
実態としては、まぁあんまり徹底はされていないというか、腕章ナシで撮影していても誰かが止めにくるわけではないので「正直者が」系の施策という感じはしなくもありませんでしたが、バカデカバズーカを振り回している人は確かに見かけませんでしたし、全体的にスマホ撮影をしている人も減っている感じはしました。どれだけ端末性能が向上しようが、スマホに入るレンズである以上は身体の一ヶ所を超拡大みたいな撮り方はできませんし、記念撮影にはスマホでも足りるでしょうから、悩める団体には検討の価値がある施策かなと思います。
こちらとしても、撮影ガイドラインなどは毎回大会公式サイトを巡って探す部分でもあり(※用意されていないことも多い)、有料という本気度で運営側もファン側も撮影需要に向き合うのは悪いことではないなと思います。無料でやってくれるほうがエンゲル係数的にもありがたいですが、「有料ならやる気が出る」ということであれば折り合える範囲なのではないでしょうか。体操界ではこの類の施策を数年来ちょこちょこ更新しながらやっておりますが、その知見や実感がよりよい世界の実現に活かされるといいなと思いますよね。ビーチバレーの撮影許可証が1万円とかで売り出されたりすると、それはそれで世界&買ってるオジサンに対して「きっつぅ…」となるかもしれませんが。
↓「各競技の魅力や芸術性を共有する」目的でお願いします、とのことです!
↓そんな高尚な意識はないですが、広い意味で「魅力の共有」に該当するはず!
↓令和には若干刺激強めの徳洲会体操クラブの価値観も魅力的だったので共有しておきます!
そして迎えた競技開始の時間。選手たちの入場の際には、場内の照明が落とされ、器具のまわりには青いライトが灯ったり、大型ビジョンに各選手思い思いの紹介映像が流れたり、選手たちがスポットライトに照らされてスモークのなから現れたりと派手な雰囲気。選手たちは緊張感のなかにも高揚を覚えているようで、いい表情をしています。
↓これじゃよくわからないと思いますが暫定トップの橋本大輝さんの入場です!
最大の目標となる世界大会の代表争いという意味では、この大会を終えての順位(※全日本選手権との合算)で上位3名が世界選手権の代表にまず決まります。そのうえで、その3名と組んだときに団体戦で優位になるように残る2名を決めるという流れ。ちょっと現地観戦では残る2名のほうまで計算しながら見るのは難しいので、まずは上位争いに注目していこうかなというところ。
前日の予選までを終えての総合順位では、東京五輪個人総合金で世界選手権の個人総合を3連覇中の橋本さんが1位、そして1.181点差の2位でパリ五輪個人総合金の岡慎之助さんが追うという展開。3位の川上翔平さんとは4点から5点の差がついていましたので、1位争いという意味では事実上橋本さんと岡さんの一騎打ちとなっています。そんなことで橋本さんと岡さんの第1班を見つつ、各種目に目配せしていく感じで見守ることに。
1班最初の種目はゆか。先に演技した岡さんは、前日は伸ばし切れなかったこの種目で着地のビタ止めを連発する美しい演技。最後の着地でもビタ止めによる0.1点の加点をゲットし、14.466点のいい滑り出しです。一方、1班最後に演技した橋本さんは両足ラインオーバーなども出てしまい、13.966点にとどまります。スタート時点で1.181点差あった両者の差が、ゆかだけで0.5点縮まりました。
並行して行なわれていた種目別鉄棒で前田楓丞さんがマラス、デフなどを含む高いDスコアの構成から15点を超える世界最高クラスの演技を見せたのにドヨめきつつ、第1班は大過失が怖いあん馬へ。ここも先に演技する岡さんは、ブスナリも加えつつしっかりまとめて13.666点。橋本さんはひとつ移動技を抜くなど抑えめの構成ながら、こちらも13.633点。わずかに岡さんが差を詰めますが、両者とも大過失は回避しました。
↓橋本さんは途中の倒立でチカラを使っていたので、その辺もあったかもしれませんね!
岡さんとしてはここで少し詰めておきたい3種目めのつり輪。構成としてはそこまで高い内容ではないものの、ここも着地をビタ止めでしっかり0.1点の加点を取って14.000点と14点台に乗せてきました。橋本さんは着地で小さく一歩動いてしまうなどEスコアで岡さんに上回られ13.500点。この時点で両者の差は0.148点差に。かなり僅差になってきました。
僅差になってきたことで、どういう選択になるかな?となったのは4種目めの跳馬。先に跳んだ岡さんはロペスを見事に決めて14.400点。岡さんが迫ってくるなかでの橋本さんの演技、リスクを嫌うなら同じロペスでリードを守りたいところですが、橋本さんの選択はロペスをさらにひねった大技ヨネクラでリードを広げることでした。橋本さんはこの大技を大きく1歩踏み出しながらも「立って」見せました。この勇気・この選択・この実施には、この技の名前を歴史に刻んだ米倉英信さんもゲスト解説席から満足そうな表情を見せました。橋本さんは14.666点として、リードを0.414点に広げます。
残りは2種目。両者とも得意とする平行棒ではDスコアは同じながらも、倒立姿勢の決め、棒の握り直しの有無など、わずかなところでの出来栄えの差で岡さんが上回りました。先に演技した橋本さんの14.633点という高得点に対して、14.900点(※当初14.800点の採点を異議申し立てが認められ修正)を突き返すという高得点での殴り合い。全体のDスコアで上回る橋本さんが選考上は有利ですが(※Dスコアの合計に応じて国内限定の追加加点がある)、点差自体は0.147点とあってなきがごとしの状態。最後の鉄棒は落下のような大過失はもちろん、わずかな乱れでもEスコア減点が大きい種目ですので、演じ終えるまで勝負はまったくわかりません。
↓ちなみにその頃、つり輪では49.600点の高得点が表示され、場内がザワつきました!
これが本当のスコアならこの1種目だけで代表決定なんですけどね!
Dスコア4.200点を42.000点と間違って入力した模様です!
第1班の最終種目は鉄棒。演技順では前日までトップの橋本さんが最終演技者で、岡さんがその手前で演じます。先に演じた岡さんは、カッシーナ、コールマン、リューキンと手放し技をいずれも回転がまったく淀まない美しい実施で決め、着地も加点ゲットには至らずもその場で踏み止まる素晴らしい出来栄え。追加加点分も加味すると鉄棒で0.4点ほど橋本さんを上回る必要がありますが、十二分にその可能性がある14.633点の高得点を出しました。
先に全種目を終えた岡さんは、橋本さんにタッチして最終演技を見守ります。ほかの班の演技もすべて終わり、場内でただひとり残った最終演技者&決着を見守る至福の時間。ここで橋本さんは、得意技でもあり落下の危険もある手放し技リューキンで左手がしっかり届かずに落下してしまいます。それ以外はしっかりまとめてきましたが大きな減点となって得点は13.100点にとどまることに。落下の時点で勝敗を全員察していたわけですが、だからこそ、演技を再開し、最後まで演じ切った橋本さんには世界の王者を讃えるあたたかい拍手が送られていました。これがそのまま五輪の決勝でもなんら不足はない、素晴らしい戦い、素晴らしい勝負でした。
↓最後まで諦めず6種目を演じ抜いた岡さんが大逆転で頂上決戦を制しました!
美しい追い上げ、そして逆転でした! pic.twitter.com/BBxNqoPjDT
- フモフモ編集長 (@fumofumocolumn) May 17, 2026
ちなみに、今回購入した撮影許可証では、動画は10秒まででYouTube等動画サイトへの投稿は禁止とのことでした!
10秒が1動画あたりなのか、合計で、なのかはよくわかりませんでした!
そんなことで大興奮のなかで決着したNHK杯。頂上決戦を演じた岡さんと橋本さん、涙の代表決定となった3位の川上翔平さんが順位で世界選手権の代表となり、さらに鉄棒で超高得点を出した前田楓丞さんと、ゆか・あん馬で強みを見せた土井陵輔さんが代表入りを果たしました。岡さんと橋本さんは9月のアジア大会の代表もつとめるということで、ハードな日程とはなりますが頑張ってもらえたらいいなと思います。代表決定の瞬間を見守ったことで、アジア大会への熱量もジワリ高まってまいりましたので、そちらも楽しんでいけたらいいなと思います!
高倍率でAIが賢いスマホがあれば、撮影許可証ももっと活きるんでしょうね!
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