「高血圧」が続くと「動脈硬化」を発症しやすくなるのはどうして?【医師監修】

成長ホルモンの分泌を増やすサプリメントとは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「成長ホルモンを増やす方法」はご存知ですか?増やす食べ物やサプリメントも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

「成長ホルモン」とは?

成長ホルモン(GH)は、骨の長さが長くなること、身長が伸びることに最も影響を与えている重要なホルモンです。しかし、身長だけではなく他にも重要な役割があります。

成長ホルモンはどこから分泌されるの?

成長ホルモンは脳内にある下垂体から分泌されます。

成長ホルモンの働き(役割)

成長ホルモンは、骨に対して成長させる、骨量を保つように働きかけること以外にも働きがあります。この働きについて詳しく解説しましょう。

成長促進作用

成長ホルモンの作用の多くはソマトメジン(IGH-I)を介して発現されます。GH、IGH-Iの作用により骨端で軟骨細胞を増殖、石灰化させることで骨を伸ばします。

ソマトメジン(IGH-I)分泌促進

成長ホルモンは肝臓で産生されるIGH-Iの分泌を促進させる働きがあります。このIGH-Iを介して様々な作用が発現されます。IGI-Ⅰは成長促進作用の主体であり、骨、筋肉、内臓や造血系などあらゆる細胞の増殖・分化を促進します。

糖代謝に対する作用

GHは糖代謝において抗インスリン作用を持ち、筋細胞や脂肪細胞においてグルコースの取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を促進させます。このため、血糖値が高めとなりやすいです。

脂肪分解促進作用

GHは、脂肪組織での中性脂肪の分解を促進し、その結果として遊離脂肪酸が増加します。

電解質代謝への作用

GHは、腎臓でのリン酸塩の再吸収を促進し、腸管からのカルシウムの吸収を促進させます。これらの作用により、血中カルシウム濃度を上昇させます。

成長ホルモンの分泌を増やすサプリメント

成長ホルモンは、大人になってから食品や生活習慣で極端に増えるものではありません。アミノ酸などは食品から摂取することが望ましいですが、不足する場合の補助としてサプリメントを考えると良いでしょう。

アルギニン

成長ホルモンは、アミノ酸摂取により増加することが分かっています。この中でもアミノ酸の一種であるアルギニンは体内でGHの分泌を調整しているソマトスタチンの分泌を抑制することで、GHの分泌を促します。また、GH放出ホルモンの分泌も促進し、これらの作用によりGHの分泌が多くなると言われています。
アルギニンが多い食材は、大豆や豚肉、マグロ、鶏卵、ウナギなどです。基本は食品から摂取することが望ましいですが、十分に摂りづらい人では、サプリを使用するのも良いでしょう。しかし、過剰に摂取すると腹痛や嘔吐、下痢などの胃腸障害がみられることがあります。また、妊娠時、腎不全など体の状態により勧められないこともありますので、主治医に確認をした上でサプリメントを服用するか考えましょう。

アミノ酸

アルギニンやリジン、グルタミンなど数種類のアミノ酸が含まれるアミノ酸のサプリも販売されています。摂取後にGHの分泌が増えることが報告されていますが、一過性の上昇であり限定的な効果と言えます。前述したアルギニンのサプリと同様に食事で不足しがちな方は、サプリで補うことも良いでしょう。

亜鉛

亜鉛のサプリは、GHそのものではなく、ソマトメジンの上昇を促すことが報告されています。大人の亜鉛欠乏には有効であり、またソマトメジンが上昇することにより骨などへのGHと類似の作用が期待できます。

成長ホルモンの分泌を増やすトレーニング

成長ホルモン(GH)の分泌を増やすトレーニングは、高強度レジスタンス運動とHIIT(高強度インターバル)です。

高強度レジスタンス運動

短時間で筋肉に強い負荷をかけるレジスタンス運動(スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなど)を行うことでGHの分泌が増加すると報告されています。しかし、負荷が強い運動は、心肺機能に強く負荷がかかるため、心疾患などの病気がある方は必ず主治医に確認をして行いましょう。

高強度インターバル運動(HIIT)

短時間で負荷が強くかかる運動と短い休憩を繰り返すトレーニング方法です。これをHigh-Intensity Interval Training(HIIT)と呼びます。短時間で効率的に脂肪燃焼や心肺機能、体力の増強を期待できる運動で、この運動でもGHの分泌を高めると言われています。
しかし、心肺機能への負担も強いため、病気がある方では注意が必要です。

「成長ホルモンを増やす方法」についてよくある質問

ここまで成長ホルモンを増やす方法について紹介しました。ここでは「成長ホルモンを増やす方法」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

成長ホルモンを増やすツボについて教えてください。

伊藤 陽子(医師)

成長ホルモンを増やすツボについては、はっきりとした効果が示されたものはありません。もし、成長ホルモンの分泌が低いのではないかと考えた場合、どのようなことが気になっているのかを含め、まずは医療機関で相談をしてみましょう。

まとめ 成長ホルモンの分泌には十分な睡眠と運動が大切!

成長ホルモンは、骨の成長を促し身長を伸ばすほかにも、脂肪を分解して利用し、体脂肪の増加を防いだり、タンパク質の合成を促進して筋肉量を維持する役割もあります。また、骨密度を維持したり、免疫機能や認知機能、精神を安定したりする作用もあるため、成長期を過ぎても重要なホルモンと言えます。

この成長ホルモンの分泌を維持するためには、十分な睡眠、タンパク質などの栄養分の摂取、肥満の予防、運動習慣が重要です。生活リズムを整え、気を付けて生活するようにしましょう。

「成長ホルモン」と関連する病気

「成長ホルモン」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

内分泌系

成人成長ホルモン分泌不全症

成長ホルモン分泌不全性低身長症

下垂体性成長ホルモン分泌亢進症

下垂体腫瘍

糖尿病高血圧

成長ホルモンの分泌が多すぎても少なすぎても異常が生じます。成長ホルモンが少ない場合には低身長となりやすく、また分泌が多すぎる場合には手足の肥大や顔つきの変化などが起こり、また糖尿病や高血圧を合併しやすくなるため注意が必要です。これらが気になる場合には、内分泌内科で相談をしてみましょう。

「成長ホルモン」と関連する症状

「成長ホルモン」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法なくについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

疲れやすい

集中力の低下

うつ状態

性欲の低下

体脂肪の増加

骨塩量の低下

筋肉量の低下

耐糖能異常

上記の様な症状はいずれも成長ホルモンが低下している時に現れる症状です。逆に分泌が増加している場合には、異なる症状が出ます。いずれにしても、気になる症状がある場合には、内分泌内科を受診してみましょう。

参考文献

日本内分泌学会.成長ホルモン分泌不全性低身長症

難病センター.下垂体性成長ホルモン分泌亢進症.

日本内分泌学会.成人成長ホルモン(GH)分泌不全症