オリックス、銀行譲渡で株価急騰…5年前に100万円投資していたら今いくら?「配当利回り」も驚異の数字に
4月27日にオリックス(銘柄コード:8591)がオリックス銀行の株式100%を大和証券グループ本社に譲渡すると発表した。この発表を受け、翌日は株価が大幅続伸。前日比+9.83%で引けた。オリックスはM&Aや事業売却に長けている印象がある。そして、株主還元にも熱心だ。オリックスにたった5年前に投資していたら、株価は何倍になっているだろうか。また、取得配当利回りはどのくらいだろうか。
著書『 資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全 』(PHP研究所)が好評な桶井道(おけいどん) 氏が解説する。桶井氏はオリックス株を長年保有しており、出版した書籍でも紹介した実績がある。
オリックスとは
オリックスとはどんな会社でしょうか。はじめに事業内容を紹介しましょう。ひとことでいえば、国内最大手のリース会社です。とはいえ、リース業は祖業に過ぎません。いまは金融の枠を超えた事業ポートフォリオを有しています。
リース事業は、「金融」と「モノ」の2つの専門性を必要とします。お金の知識だけでは成り立ちません、モノの知識だけでも成り立ちません。両方を必要とします。リースを起点とした「金融」の専門性は、現在では融資、事業投資、生命保険、銀行(今回、オリックス銀行の売却を発表)、資産運用事業への拡大に寄与しました。
「モノ」の専門性は、産業、ICT機器、自動車、不動産、環境エネルギー事業へと広がりました。さらに、その「隣」へと事業を広げるなか、ホテル運営、空港運営、統合型リゾートにも関わります。いまや金融の枠を超えて「総合商社的な」事業ポートフォリオとなりました。事業の多角化はM%Aも寄与しています。買収するだけではなく、事業を育てた後の売却という出口戦略にも長けています。
熱心な株主還元
オリックスといえば高配当株で、かつては優待株でもありました。株主優待のカタログギフトは、全国の逸品から商品を選べるのでたいへんな人気でした。株主優待制度に否定的な立場を取る私でさえも、オリックスのカタログギフトは楽しみでした。
2024年3月期で株主優待を廃止、配当等による株主還元に集約する旨発表しました。そのとおり、この数年は実質的に累進配当政策を取っていると認識しても間違いなく、株主還元に熱心である姿勢を明確にした印象があります。配当予想を「配当性向〇%(2026年3月期は39%)もしくは前期配当のいずれか高い方」とするようになりました。つまり、少なくとも減配はしないということを意味します。2026年3月期の配当予想は153.67円(当期純利益4400億円を達成した場合)としています。予想配当利回り(4月末現在)は2.91%です。少し遡りますと、コロナ禍でも減配していないことも評価できます。
業績推移は、しっかりと儲けている印象
業績はコロナ禍では減速しましたが、その後見事に復活・成長しています。
過去10年で見ると、増収増益傾向といえるでしょう。EPS(一株あたり利益)も成長しています。営業利益率は、長年にわたり、11〜13%台をコンスタントに維持しており、日本企業を評価する基準となる10%を超えています。コロナ禍でも10%を割らなかったことは評価して良いでしょう。当期純利益の年平均成長率は、2013年3月期から2025年3月期において10%と高い成長性を誇ります。
株価推移、5年前に投資していたら…
各年4月の終値を追っていきましょう。
※株式分割を考慮済み
2012年4月 768円
2013年4月 1496円
2014年4月 1477円
2015年4月 1854.5円
2016年4月 1586.5円
2017年4月 1701円
2018年4月 1924円
2019年4月 1571.5円
2020年4月 1289円
2021年4月 1757.5円
2022年4月 2374円
2023年4月 2300円
2024年4月 3241円
2025年4月 2851円
2026年4月 5275円
コロナ禍が明けてからの株価上昇は評価できるでしょう。たったの5年前に投資していたら、株価は何倍になっていたでしょうか?
2026年4月終値5275円÷2021年4月終値1757.5円=3.00倍
日本の有名株であるオリックスでも、5年で3倍クラスです。わざわざ独自に銘柄を「発掘」する必要が無いことがわかります。半導体株が派手に活躍しており、それに比べると霞んで見えるかもしれませんが、冷静になると5年で3倍は十分な成績です。100万円投資していれば、たったの5年で300万円になっているのですから。半導体株に比べるとボラティリティも安定しており、(比較的)安心安全な投資といえるのではないでしょうか。その評価を確かにするために、配当推移も見てみましょう。
配当推移、5年前に投資していたら取得配当利回りは…
配当推移を確認しましょう。
2015年3月期 36円
2016年3月期 45.75円
2017年3月期 52.25円
2018年3月期 66円
2019年3月期 76円
2020年3月期 76円
2021年3月期 78円
2022年3月期 85.6円
2023年3月期 85.6円
2024年3月期 98.6円
2025年3月期 120.01円
2026年3月期(予想) 153.67円(当期純利益4400億円を達成した場合)
連続増配ではありませんが、減配していないことは評価できます。先述のとおり、累進配当的な姿勢を取っていることは投資妙味を感じます。配当は、この10年(2016年3月期と対比)で約3.4倍、この5年(2021年3月比と対比)で約2倍です。
たったの5年前に投資していたら、取得配当利回りは何%になっているでしょうか?
2026年3月期配当予想153.67円÷2021年4月終値1757.5円×100=8.74%
10年前でも計算してみましょう。
2026年3月期配当予想153.67円÷2016年4月終値1586.5円×100=9.69%
ともに魅力的な数字になりました。簿価に対する配当利回りが超高配当化する、これが増配株の良さといえるでしょう。
このように、5年で株価は3倍、取得配当利回りは8.74%と、魅力的な数字が並びました。
この先のオリックスの展望
もっともこれは過去の数字だろうといわれれば、そのとおりです。投資は未来志向ですべきものですので、この先のオリックスの展望も見ておきましょう。
中期経営計画(2028年3月期までの3ヵ年計画)および長期ビジョン(2035年3月期の目標)を確認します。中期経営計画では、2025年3月期にROE8.8%だったものを、2028年3月期には11.0%とする目標を掲げています。さらに、長期ビジョンとしては、2035年3月期にROE15%としています。現状レベルでも合格ラインではありますが、2年で2桁に乗せて、9年後には15%まで伸ばして、経営の効率を上げようとする姿勢は評価できます。
より、分かりやすい数字を挙げましょう。2025年3月期に当期純利益3516億円だったものを、2035年には1兆円を目指す旨を掲げています。3倍近くになることを意味します。これが実現すれば、当然のこととして株価も配当もリンクしてくるでしょう。
今回、オリックス銀行の譲渡には個人的に驚きましたが、これら目標を達成するために冷静以上に冷徹とも取れる決断をしたように感じます。過去、現状、将来を俯瞰して見たうえで、オリックスへの投資には前向きな評価ができるのではないでしょうか。
* * *
増配株は、増収増益を背景に増配していることが多く、オリックスもそうです。超高配当化と、たっぷりの含み益とで、二度美味しい投資になりました。配当株投資といえば高配当株が注目されがちですが、増配株にも注目する価値があるといえます(現在のような相場では、配当利回り2.91%でも高配当株のうちとも思います)。
私はオリックスを永久保有とするつもりです。含み益が〇年分になったら利益確定するという考え方もありますが、事業成長→業績成長→増配&株価上昇という流れが変わらない限り、私には売るという考えは芽生えません。目先の譲渡益を取りに行った結果、逸失利益がそれ以上になることが目に見えているからです。当面の目標は、取得配当利回り10%です。そう遠くない将来に達成するだろうと期待しています。
投資判断は自己責任にてお願いいたします。
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