【中日】浮上のキーマンに待望の瞬間!ドラ1・中西聖輝が「3度目の正直」でプロ初勝利「待ちわびていた」自己最長7回9Kで虎を撃破

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◆JERAセ・リーグ 中日7−3阪神(4日・バンテリンドーム)

 仲間に背中を押され、ベンチの最前列でナインの祝福を受けた。中日のドラフト1位・中西聖輝投手(22)が、自己最長となる7回3安打3失点。チームが今季開幕から6戦全敗の阪神打線から9奪三振。3度目の登板でプロ初勝利を挙げた。「待ちわびていた日。勝ててよかった、の一言に尽きる」と余韻に浸った。

 課題の立ち上がりに苦戦した。初回2死満塁で、21年夏の甲子園決勝で対戦した前川に走者一掃の二塁打を浴びた。それでも、味方が逆転した2回以降はゼロを並べた。「初回を引きずらず、切り替えられた」と修正し、その後の6イニングは被安打1に抑えた。

 智弁和歌山高で1年春からベンチ入り。3年夏にエースとして甲子園優勝に導いた。負けず嫌いで、よくも悪くも頑固。青学大へ入学直前にトミー・ジョン手術を受けた。リハビリを経て、2年春からベンチ入りするも、特に打ち込まれた日は、同僚が好投しても素直に喜べなかった。その秋には、新チーム初日のダッシュで手を抜き、全体練習から外されたこともあった。エースにふさわしい力はあったが、まだ精神的に未熟だった。同大学の安藤監督は「一番、手がかかった子」と笑いながら懐古する。

 転機となったのは、初先発した3年春の駒大戦だった。試合前の円陣で「自分のできることを精いっぱいやります。なので、皆さん助けてください」と頭を下げた。壁にぶつかったことで、仲間を頼り、助け合う大切さに気づいた。結果は、7回無失点で初勝利。技術と人間性に磨きをかけ、プロへの道を切り開いた。

 この日も4回2死から失策で走者を出すも、後続を断った。「大学時代から、野手のミスは投手が絶対にかえすな、と教わっていた」と変わらぬポリシーでバックのミスを救った。

 井上監督は「これからがスタート」と記念球を見つめる右腕の肩に手を置いた。高校、大学で頂点を知る“優勝請負人”が、低迷する井上竜のホープとなる。(森下 知玲)

 ◆中西 聖輝(なかにし・まさき)

▼生まれとサイズ 2003年12月18日、奈良県出身。22歳。182センチ、92キロ。右投右打。A型

▼球歴 智弁和歌山では1年夏に背番号18で、3年夏にエースで甲子園出場。3年夏は3試合に登板し、智弁学園との決勝は6回無失点の好救援で優勝投手に。青学大では2年春にリーグ戦デビューし、通算32試合17勝3敗、防御率1・42。25年には春秋とも最高殊勲選手、ベストナインに選出された。

▼勝ち気な性格 「悔し涙は流したくない」と話すほどの負けず嫌い

▼好きな食べ物 チェーン店の豚しゃぶカレー。チーズトッピングで、福神漬けはつけない

▼座右の銘 自然の成り行きに身を任せる思いを込めて「行雲流水」