“親”はゴタゴタも伊勢ケ浜部屋は躍進止まらず 注目の新三段目・旭富士の年内幕内昇進は可能か
27日に行われた、大相撲5月場所の番付発表。先場所Vの霧島が大関に復帰し、1月場所で安青錦と賜杯争いを繰り広げるなど成長著しい熱海富士が新関脇となった。
優勝争いが一段と盛り上がりそうだが、そんな中、下から着実に番付を上げているのが熱海富士の弟弟子、伊勢ケ浜部屋のモンゴル出身・旭富士(23)だ。
1部屋1人の外国人枠に阻まれ、猛者が集う伊勢ケ浜部屋で4年半もの間、稽古だけに邁進。昨年11月場所の前相撲で初土俵を踏むと、1月場所と3月場所はいずれも全勝優勝。序の口、序二段の力士らをものともせず、5月場所は三段目だ。
幕下までの各段は原則、全勝優勝の時点で昇進できる。幕下16枚目以降だと、十両から落ちてくる力士や幕下上位の成績次第。それでも三段目を無傷で通り過ぎれば、「1場所昇進」の射程圏内である15枚目以内は確実だ。
すべて順調に行けば、7月場所で幕下、9月場所で新十両となり、11月場所は新入幕……。果たして可能なのか。
「最大の関門は十両です」と、角界OBが続ける。
「過去、十両の全勝優勝はたったの5人。2014年の栃ノ心が最後で、その前は06年の把瑠都。それ以前は1963年の元横綱北の富士までさかのぼる。しかも、新十両の全勝優勝は一人もいない。十両は下から上がってくる勢いのある若手、十両生活が長いヌシのような力士、返り入幕を狙う元幕内などがひしめく激戦区です。経験豊富な力士も多く、5月場所の番付では相撲巧者の佐田の海、元関脇の明生、長いリーチの押し相撲が武器の輝など、多士済々。さらに新十両にとっては、これまで1場所7日間だったのが15日間になるのもこの番付から。心身ともに負担が大きく、戸惑う力士も少なくない」
となれば、旭富士の年内幕内昇進は無理か。
「そもそも、初土俵から史上最速13場所で横綱に昇進した大の里ですら、幕下と十両では優勝できなかった。ただ、旭富士の強さは別格。今の時点で兄弟子の熱海富士と拮抗どころか、稽古場では圧倒しているくらいです。史上初の新十両優勝もあり得ない話ではない」(同)
師匠の弟子への暴力により、当面は部屋付きを含めた集団指導体制となっている伊勢ケ浜部屋。“親”がゴタゴタしても、“子”は育つ、ということか。
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ところで、弟子を殴った伊勢ケ浜親方の処分はフタを開けれみれば“激アマ采配”だったわけだが、協会内でも照ノ富士に同情の声が多く寄せられたことも大きく関係しているという。いったいどういうことか。水面下では何が起きていたのか。●関連記事 【もっと読む】元横綱照ノ富士に大甘処分のウラ側 では、それらについて詳しく報じている。
