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高齢者の運転といえば「おぼつかない」というイメージがありますが、実はそれだけではないようです。警察庁の分析によれば、75歳以上のドライバーによる交通死亡事故率は、75歳未満と比較して2倍以上という高い水準にあります。その要因は操作ミスだけでなく、感情の抑制が効かなくなる「路上の憤怒(ロード・レイジ)」も少なくないと指摘されています。
さらに、あおり運転への取り締まりは劇的に強化されました。かつては「運が悪かった」で済まされていたようなトラブルも、今や一発で免許取り消し、最悪の場合は刑務所行きとなる重罪です。

今回は、過去に反響の大きかった実録エピソードから、高速道路で執拗に軽自動車を追い詰めた「70代の男性」の事例を振り返ります。警察官を前にして語った、あまりに身勝手で驚愕の言い分とは――。感情的な暴走の果てに、男性が失うことになった「大きな代償」について考えます。記事の最後では、警察庁の膨大なデータを紐解き、数字が物語る「高齢運転者の本当のリスク」についてもさらに切り込みます。

◆70代ぐらいの老人に高速で煽られる

 会社員の大倉優太さん(仮名・26歳)も、“歪んだ思考を持つドライバー”から煽られて、冷や汗が止まらなくなった経験があるという。

「自分だけならまだしも、助手席に座る彼女の身にも危険が及ぶ出来事でした。今思い出しても虫唾が走ります」

 それは今から3年ほど前のこと。大倉さんには付き合って3カ月になる彼女がいた。買ったばかりの軽自動車で温泉旅行に向かったそうだ。

「高速を走っていると、白いセダンがピッタリ後をついてくるんです。ですが、自分がいたのは追い越し車線ではなく走行車線でしたし、ノロノロと走っている訳でもなく、煽られる理由がわからず……。相手が気になり、バックミラーで確認すると、ハンドルを握っていたのは70代ぐらいの老人でした。ニヤニヤと笑っていて、車をぶつける勢いで迫ってくるので、本当に怖かったです。でも、彼女を怖がらせたくないという思いから、あくまで平静を装って運転し続けていました」

◆無事逃げ切ったかと思いきや…

 しかし、白いセダンは今にもぶつける勢いだった。

「彼女に『ちょっと休憩しようか』と告げて、サービスエリアに入ることに。でも、白いセダンもついてきて……。混んでいるエリアで車を止めると、ようやく姿が見えなくなって心底ほっとしました」

 安心した大倉さんは、フードコートで昼食を摂ることに。しかし……。

「老人のことを半ば忘れた状態でサービスエリアを出ました。でも、少し走るとバックミラーに例の白いセダンが映っていて……。鳥肌が立ちましたね。しかも、なぜかそれまでより敵意を感じました。並走してこちらに車を寄せて来たりと、危険な運転を繰り返してくるんです」

◆“煽り老人”のまさかの言い分に唖然

「向こうは古いタイプとはいえ、普通車です。一方、こちらは軽自動車。必死に逃げましたが、スピードを出しすぎるのも怖くて、すぐに追いつかれてしまいました。彼女は『なんとかしてよ!』と叫んで、なだめるのにも必死でした。背後から迫る老人はニヤニヤと笑っていて………気が変になりそうでした」

 恐怖に耐えながら運転し、大倉さんはなんとかパーキングエリアに逃げ込むことに。

「それでも白いセダンは追ってきました。近くに停めて、こちらが発進するのを待っているようでした。もうあんな怖い思いはしたくなかったので、やむを得ず警察に連絡することにしました」

 大倉さんはやってきた警察官に被害を訴えた。

「ドライブレコーダーに映っていた煽り運転の様子を見せて説明すると、老人の車のところまで行って事情聴取をしてくれました。なんでこんなことをしたのか尋ねられて答えたのは、『クソガキが女を連れてノロノロ走ってやがるから腹が立った』という言い分で……。あんな危険な運転をした理由がヤンキーみたいな内容だったことに唖然としましたね」