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安達容疑者の行動の“疑問” 犯罪心理学の専門家らが解説

 京都府南丹市で小学生の安達結希さん(11)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄の疑いで逮捕された養父の安達優季容疑者(37)。遺体を数か所に移動させていた疑いもあるなか、「公衆トイレ」に一時的に遺体が置かれていた可能性が浮上しています。

【写真で見る】安達容疑者と結希さんの関係性 結希さんが「(容疑者が)嫌い」と漏らしていたとの話も

 こうした容疑者の行動や今後の捜査について、犯罪心理学が専門の関西国際大学・中山誠教授と、元警視庁刑事の吉川祐二氏が解説します。

◎中山誠:関西国際大学心理学部教授 専門は犯罪心理学 静岡県警科捜研で27年勤務
◎吉川祐二:元警視庁刑事 現在は警察時代の経験を生かし防犯コンサルタントとしても活躍

【目次】
・公衆トイレは「遺棄場所ではなかったのでは」
・ドライブレコーダーへの過剰な警戒心が背景に?
・「(容疑者が)嫌い」周囲に漏らしていた結希さん
・「現段階で動機を明らかにするのは早い」
・今の逮捕事実は『死体遺棄容疑』

なぜ?「公衆トイレ」に一時遺棄された可能性

 4月18日、警察は安達容疑者の自宅から約2kmにある「るり渓自然公園」近くの公衆トイレと、その周辺を現場検証しました。この場所に結希さんの遺体が一時遺棄された可能性もあるとみて調べています。

 関西国際大学の中山誠教授(犯罪心理学)は、公衆トイレが浮上したことについて「遺棄場所ではなく、一時的に置いた、あるいは隠した場所ではないか」と指摘します。

(中山誠教授)
「遺体発見現場では、結希さんの遺体は埋めもせず山林に置かれていた。その意図するところは、結希くんが1人で徘徊し事故死や行き倒れといったような形で発見されるのを望んでいたのだと思います」

「そうなると、結希さんが行方不明から数時間後に1人でこの場所までやって来るのは不自然。だから、最終的にここには置きたくなかったのだと推測します」

中山教授の推測:ドライブレコーダーへの過剰な警戒心か

 従来の死体遺棄事件では、遺体を遠くへ運んだり土の中に深く埋めたりするのが「定石」とされていました。しかし、遺体発見場所も今回の「公衆トイレ」も自宅から数kmの場所。この点について、中山教授は「ドライブレコーダーに対する過剰な警戒心が背景にある」と推測します。

(中山誠教授)「今はドライブレコーダーがあるため、遠くへ行ったり、山中で長時間車を止めて穴を掘ったりといった不自然な動きをすれば、すぐに記録に残ってしまいます。それを避けるために、あえて生活道路上を走り続け、埋める作業もしなかったのでしょう」

 元警視庁刑事・吉川祐二氏は、遺体発見前の捜索状況を踏まえて以下のような見立てです。

(吉川祐二氏)
「結希さんが行方不明となって3日後の3月26日に、警察が黒色の車について捜索を行っています。その時点で容疑者自身は捜査が自分の身に迫っていると確信したと思います。そのため遺体を自分の手元に置いておくのは危険だと判断し、転々とさせたという側面もあるでしょう」

「また、警察は聞き取りやスマートフォンの解析から移動状況も確認しているでしょう。今回の公衆トイレはきっかけに過ぎず、今後も数多くの関連場所の捜索が行われていくものと思われます」

「嫌いだった」周囲に漏らしていた結希さん

 結希さんの家庭環境や安達容疑者との関係性も少しずつ明らかになってきました。

 安達容疑者は事件当時、結希さんや結希さんの母親・祖母らと同居していましたが、複数の関係者によると、結希さんは友人に「(父親・優季容疑者が)嫌い」「家族旅行へ行きたくない」など“不仲”をうかがわせるような話を漏らしていたといいます。

 警察は虐待やトラブルの把握はしていないとのことです。

【結希さんの家庭状況】
去年3月まで:母親と南丹市内のアパートで暮らす 住人によると「安達容疑者は週3~4回来ていた」
事件当時:容疑者と同居 知人らによると「結希さんの母親・祖母らとも同居」

「現段階で動機を明らかにするのは早い」

 吉川氏は「犯行にいたる動機の解明は、計画性の解明や罪の重さに関わる」と指摘します。

(吉川祐二氏)
「警察がこれまで虐待などのトラブルを把握していなかったとしても、家庭内の問題は表に出にくい。親族への聴取を通じて、動機に繋がる“関係性”を調べているところだと思います」

 安達容疑者は死体遺棄容疑での勾留が続いていますが、逮捕前の聴取では「南丹市のどこかに連れて行き首を絞めつけて殺し、その場に遺棄した」という趣旨の供述もしています。

 吉川氏は「警察は死体遺棄だけで終わらせず、その先の殺人罪・傷害致死罪についても捜査しているだろう」と推測したうえで、5月上旬の勾留満期をめどに殺人容疑での逮捕という流れになる可能性が高いと見ています。

■今の逮捕事実は死体遺棄容疑

 一方で犯罪心理学が専門の中山教授は、現段階で動機についての見解を示すことに疑問を呈します。

(中山誠教授)
「今の逮捕事実は死体遺棄容疑なので、死体遺棄についての供述の裏付けとなる証拠や事実を積み重ねている段階です。この後、おそらく殺人罪での再逮捕、取り調べとなっていくでしょうから、現段階で動機を明らかにすることは警察も望んでいないでしょうし、少し段階としては早いかと思います」

(2026年4月20日放送 MBS『よんチャンTV』より)