『GIFT』©TBS

写真拡大

 堤真一主演の日曜劇場『GIFT』(TBS系)で、車いすのヤンキー青年を演じる本田響矢が、いま大きな注目を集めている。

参考:芳根京子&本田響矢は“直感派”? 『波うららかに、めおと日和』で発見した互いの魅力

 本田といえば、ドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)で江端なつ美(芳根京子)の夫・江端瀧昌を演じて大ブレイクし、一気に次世代の国民的俳優の筆頭格へと駆け上がったのが記憶に新しい。

 瀧昌は、黒髪に潤んだ瞳やきっちり整えられた髪型など、端正な佇まいが印象的な美青年だ。どこか昭和の香りをまとったクールな表情の奥に、ふっと浮かぶ照れや恥じらいがなんとも愛らしい。その初々しさが視聴者の心をつかみ、最終回にはSNSで「めおと日和ロス」という声が相次いだ。

 本田のルックスでいえば、凛々しい眉や澄んだ瞳といった端正な美しさがまず目を引く。だが彼の魅力はそれだけではない。一度視界に入ると、つい追いかけてしまうような独特の吸引力がある。

 『GIFT』で本田が演じるのは、瀧昌とはまったく違うタイプの、荒々しい口調が印象的なヤンキー青年だ。好青年から一転してヤンキー役に挑む本田は、このドラマでどんな新しい魅力を見せてくれるのか。

 『GIFT』は、車いすラグビーを舞台に、孤独でどこかエキセントリックな天才宇宙物理学者・伍鉄(堤真一)と、弱小チームが難題に立ち向かっていくストーリー。第1話ではまだ詳しく描かれていないものの、公式サイトによると、本田が演じる朝谷圭二郎は、かつては素直で熱い性格の青年だったらしい。ところが、高校時代のバイク事故をきっかけに車いす生活となり、夢を失ってしまう。

 画面に映る圭二郎は、金髪で口も悪く、どこか荒んだ空気を纏っている。黒髪の王子様のようだった瀧昌がいつも瞳を輝かせていたのに対し、圭二郎の瞳はまるで世の中を諦めたように翳っている。纏う空気もまったく異なり、「『めおと日和』の面影が一切ない」というより、もはや別人だ。あまりの変貌ぶりに、「本当にこの青年は、本田響矢なのか?」と思わず何度も見返してしまった。

 第1話では中盤から登場するが、「あー、お前ら逃げんの?」「金よこせ!」と乱暴な言葉を投げつけ、ガムをクッチャクッチャと噛みながら車いすを走らせる圭二郎の姿は、まさに街の不良そのものだ。

 けれど、圭二郎が車いすで走る場面では、「どけどけー!」と口を歪ませながらも、その瞳がきらりと瞬き始め、どこか生き生きとした表情を見せる。その一瞬に、彼の奥底に眠っていた「かつての熱」がふっと顔を出していく。

 その姿を見ていると、圭二郎はまだ完全にはくすぶっていないのだと気づかされる。もしかしたら彼は、何かきっかけさえあれば、もう一度立ち上がれるのかもしれない。そんな圭二郎の「未来への可能性」が、仄かに滲む瞬間だった。

 『めおと日和』から本田を知った人にとっては、「クールでウブな好青年」や「昭和の香りが漂う古風な男性」というイメージが強いかもしれない。けれど、本田の演技の幅は広く、作品ごとにまったく異なる表情を見せられることも、本田響矢という俳優の凄みである。

 『めおと日和』以前の出演作、ABEMAの恋愛ドラマ『私が獣になった夜~好きになっちゃいけない~』では、専業主婦の真理恵(二宮芽生)を誘惑する、大人になった元後輩・木原航を好演。鋭さと甘さが入り混じる眼差し、そしてコロコロ変わる表情はつかみどころがなく、まるで猫みたいに愛らしい。

 その姿は、気を抜くと一瞬でどこかへ消えてしまいそうで、気づけば目で追わずにはいられなくなった。その悪戯っぽい表情と漂う色気に、翻弄された視聴者も多かったはずだ。役によっていろんな表情を見せる本田は、まさに魅力の底が未知数だ。だからこそ、一度その姿を見ると、他の作品も目で追いたくなってしまうのかもしれない。

 『GIFT』第1話では、圭二郎が友人たちと談笑する中で、「あ、俺。次いいわ! お疲れー」と意気揚々と笑いながら、颯爽と車いすを走らせる姿が映し出される。

 どうやら圭二郎は「車いすで走る」瞬間にだけ、目が輝く。その様子から、彼にとって車いすを走らせることは、唯一心が動く行為なのだろうと察した。

 第1話の最後では、車いすラグビーチーム「ブレイズブルズ」が「シャークヘッド」に敗れた直後、シャークヘッドのコーチ、国見(安田顕)が「ブレイズブルズ」の選手たちに「ブレイズブルズが輝いていた時代はもう終わったんだ」と言い放つ。しかし、伍鉄は「奇跡は起きる。宇宙は偶然という名の奇跡に溢れているから」と、意味深な言葉を残す。

 第2話の予告では、「金よこせよ!」と荒々しい口調で叫ぶ圭二郎の姿が映り、画面には「300万円で雇う? 新エース登場」という挑発的なテロップが踊る。この予告から考えると、圭二郎は「ブレイズブルズの新エース」として、そして「金のために」動き始めるのかもしれない。それにしても、あれほど荒々しい青年が、なぜここまで「金」に固執するのか。単なる不良の金銭欲とは思えず、その裏には何か理由が潜んでいそうだ。

 公式サイトによれば、伍鉄はコーチの日野(吉瀬美智子)とともに、車いす生活を送る圭二郎の自宅を訪ねることになるという。崖っぷちのブレイズブルズにとって、はたして圭二郎は救世主となり得るのか。(文=みくまゆたん)