トランプ米大統領とローマ教皇レオ14世の主な発言

写真拡大

 【ワシントン=栗山紘尚、ヨハネスブルク=高木文一】米国のトランプ大統領とローマ教皇レオ14世の対立が先鋭化している。

 米国の対イラン軍事作戦に反対し、平和を訴える教皇に対し、トランプ氏が教皇批判を繰り返し、異例の応酬が繰り広げられている。

 「世界は一握りの暴君たちによって荒廃させられている」。ロイター通信によると、教皇は16日、訪問先のカメルーンで、異例の厳しい口調で演説した。「破壊は一瞬だが、再建は一生かかっても足りないという事実に知らないふりをしている」とも述べた。

 この日の演説は、トランプ氏がSNSで、教皇の「核兵器への弱腰な姿勢」を批判したわずか数日後に行われた。「暴君」発言は、トランプ氏を念頭に置いたものとみられている。

 一方、トランプ氏は16日、ホワイトハウスで記者団に、「教皇にはイランについて単純な事実を理解してもらわなければならない」と切り出し、「イランは核兵器を保有してはならない。世界は危険にさらされる」と強調した。教皇との面会の可能性を問われると、「必要ない」と一蹴(いっしゅう)した。

 米大統領と世界のカトリック信徒約14億人を束ねる教皇との対立は異例だ。移民政策などで意見の相違がみられても、批判の応酬には至らず、互いに一定の「配慮」があった。こうした関係が崩れたのは、米国による対イラン軍事作戦が始まってからだ。

 教皇は3月29日、トランプ政権が軍事作戦でキリスト教を持ち出していることを念頭に、「神は戦争を仕掛ける者の祈りを聞かない」と批判。トランプ氏は4月12日、自身のSNSに「(教皇は)米国人というだけで選ばれた。私がホワイトハウスにいなければ、バチカンにいなかっただろう」と投稿し、教皇選出が自身の功績であるかのように主張した。教皇は翌13日、「私はトランプ政権を恐れていない。今後も戦争に強く反対する」と訴えた。

 トランプ氏と教皇の応酬を巡っては、イタリアのメローニ首相が、トランプ氏の振る舞いを「受け入れられない」と反発するなど波紋が広がっている。