1日わずか30分の「ゴールデンタイム」を狙え。少額資金の個人が「大口投資家のいない場所」で着実に資産を築くための銘柄と時間の選び方

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 デイトレードで勝つには、金融の高度な専門知識や相場の経験が不可欠だ——多くの人がそう信じて疑わないだろう。しかし、証券マンから専業トレーダーになった経歴を持つ山下氏は、「証券会社時代の経験はむしろ邪魔だった」と断言し、金融未経験者にこそ勝機があると語る。同氏に、デイトレードを「究極の守りの手法」と位置づけ、知識ゼロから相場で生き残るための生存戦略と、初心者が踏み出すべき第一歩について伺った。全3回の第3回。



 みんかぶプレミアム連載「デイトレード 最短で億り人を目指す!」第3回


ボリンジャーバンドを捨て、移動平均線だけに辿り着いた理由



 山下氏がデイトレードで使う指標は、移動平均線とVWAP(出来高加重平均価格)だけだ。かつてはボリンジャーバンドやMACDなど様々な指標を試したが、今はほぼ使わない。



「ボリンジャーバンドって、2シグマの範囲に収まるって言われますよね。でも、収まるのは最終的にそうなるというだけで、その瞬間は突き抜けることもある。それを『そのうち収まるはずだ』という言い訳に使って損切りを遅らせてしまう。だから、デイトレードにおいてはあまり意味がないと思って、やめました」



 一方で移動平均線を重視する理由は、シンプルだ。「みんなが見ている指標だから」。



「デイトレードをしている人の中で、5分足を見ている人が一番多い。そして移動平均線を使っている人も多い。だったら、その5分足の移動平均線で多くの人が反応するポイントが生まれやすい。みんなが見ている指標を意識することが、相場で起きることを予測するうえで合理的だと思っています」



 VWAPについては「その日買っている人たちの平均値」として機能するため、節目として意識しやすい。加えて3000円、5000円といった多くの人が意識しやすいラウンドナンバーも重要な節目として意識しているという。



大口投資家が入り込めない「聖域」を狙う。少額資金だからこそ勝てる銘柄選定術



 山下氏が主戦場としているのは、時価総額が比較的小さく、流動性が限定された銘柄だ。理由は明確で、「大口投資家が入りづらいから」である。



 機関投資家や大口資金は、売買のインパクトが大きいため、どうしても大型株や流動性の高い銘柄に集中する。一方で小型株は、資金量が少ない個人投資家でも値動きを捉えやすく、短期的な需給の歪みが生まれやすい。



 この「歪み」こそが、デイトレーダーにとっての最大のチャンスになる。大口が入りにくい領域、いわば“聖域”にポジションを取ることで、個人でも優位性を持てるのだ。



1日中トレードする必要はない。プロが最も重視する「ゴールデンタイム」の正体



 初心者ほど「長時間画面に張り付くことが勝ちにつながる」と考えがちだが、山下氏はこれを否定する。



 実際に値動きが活発になる時間帯は限られており、特に重要なのは「寄り付き直後」と「前場の序盤」だという。市場参加者が一気に増え、需給が大きく動くこの時間帯に集中することで、効率よく利益機会を捉えることができる。



 逆に、後場や引けにかけては値動きが鈍くなるケースも多く、無理にトレードを続けることで無駄な損失を積み重ねるリスクが高まる。重要なのは「どれだけ長くやるか」ではなく、「どこでやるか」だ。



「同じ間違いを繰り返さない」。損切りできない人への処方箋



 デイトレードで最も重要なのは、勝つことではなく「負けをコントロールすること」だ。



 損切りができない人の多くは、「次は戻るはずだ」という期待にしがみついてしまう。しかし、相場は個人の願望とは無関係に動く。



 山下氏は、損切りを「ルール」として機械的に実行することの重要性を強調する。同じミスを繰り返さないためには、感情ではなく仕組みで動くしかない。



 「自分の判断が間違っていたと認めるのは苦しい。でも、その小さな負けを受け入れないと、大きな負けになる。それを何度も経験してきたからこそ、今は迷わず切れるようになりました」



 デイトレードとは、相場を読むゲームではない。自分をコントロールするゲームなのだ。