「俺の460万円、返してくれよ!」13年間、実家に入れ続けた“月3万円”…35歳息子からの返還要求に母「タダで暮らせると思ってたの?」

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実家暮らしの社会人が、家にお金を入れる。一見当たり前のようですが、その意味合いは家庭によって異なり、親子間で起きた“認識のズレ”が思わぬ衝突を生むことがあります。「親は使わずに貯めておいてくれているはず」と、実家に渡していたお金を“貯金”のように考えていた男性が直面した事態とは?

実家に入れていた月3万円、一人暮らしを期に「返還要求」

都内で働く会社員・五十嵐さん(仮名・35歳)は、大学卒業後も実家で暮らし続けてきました。就職を機に、親に毎月3万円を渡すようになり13年。その総額はおよそ460万円にのぼります。

結婚の予定もなく35歳になった五十嵐さんは心機一転、一人暮らしを決意。引っ越し費用や新生活の準備には、これまで渡してきたお金をあてにしていたといいます。というのも、五十嵐さんの中では「親にお金を預けている」という感覚だったからです。

「一人暮らしをしたいから、これまで渡してたお金返してもらえる?」

何の迷いもなく、母に伝えた五十嵐さん。すると、母は驚いたように、こう言ったのです。

「何言ってるの? 返すもなにも、ここで暮らすための生活費でしょ。あのね、3万円なんて、本当は全然足りてないのよ」

驚いたのは五十嵐さんも同じです。

「いや、親は貯めてくれてるもんでしょ。友達もそう言ってたし」

母はため息をつきました。

「まさか“貯金”だと思っていたの? 長々住んだうえに、まったく、この子は呆れちゃうわね……」

「貯金400万円が消えました…」悪意のない“すれ違い”

「社会人になっても実家にいる場合、家にお金を入れるのが当然」という価値観は、多くの家庭で取り入れられています。しかし、そのお金をどう扱うかについては、家庭ごとのルールに委ねられています。

五十嵐さんが主張したように、子どもからもらったお金を使わずに貯めて、自立や結婚などのタイミングでまとめて渡す親もいます。

しかし、食費や水道光熱費などのコストは確実に発生します。一般的に、実家に入れるお金は“預けるお金”ではなく、“その家で暮らすための対価”と捉えるべきでしょう。それを貯めておくかどうかは、あくまで親の善意に委ねられているに過ぎません。

結局、五十嵐さんの手元に“貯金”と思っていたお金が戻ってくることはなく、母からは「一人暮らしの足しに」と30万円だけが手渡されました。

「僕としては、貯金400万円以上が消えた感覚なんですよ。でも、家を出るといったら、『ようやく手が離れる』と両親は大喜びだったので、いまさら実家にいさせてくれともいえず……。これから必死で貯金しなきゃなりません。想定外の一人暮らしの始まりになってしまいました」
 

家族であっても、お互いの考えが違っていることは少なくありません。「親が貯めてくれている」という期待をしているなら、五十嵐さんのように、“あてにしていた貯金が消えた”とならないよう、一度言葉にして確認しておきましょう。