「アルテミスII」のオリオン宇宙船が捉えた美しい景色たち
おかえりなさい。
2026年4月11日の午前9時7分(日本時間)、NASAの月探査ミッション「アルテミスII」を終えた有人宇宙船「オリオン」が米カリフォルニア州サンディエゴ沖に着水し、地球に帰還しました。
1970年代に行われたアポロ計画以来初となる低軌道を離脱した有人宇宙船として、人類史上最も地球から遠く離れた地点まで到達した乗組員たち。約10日間に及ぶ深宇宙への旅の過程で、膨大な量の写真を撮影し、地球にいる私たちへ届けてくれました。
その一部をピックアップしながら、アルテミスIIの偉業を振り返ってみましょう。
地球のトワイライトゾーン
4名のクルーを乗せたオリオン宇宙船は、フロリダ州にあるケネディ宇宙センターから、日本時間の4月2日午前7時35分に打ち上げられました。その後、約6分間の噴射により、オリオンは月周回軌道と、地球へ帰還する自由帰還軌道に乗りました。
その操作が完了すると、アルテミスIIのミッション司令官、リード・ワイズマン氏はオリオンに設けられた4つの窓のうちの1つから外を眺め、我々が住む地球の素晴らしいポートレートを撮影しました。この写真は、地球の昼と夜の境界線である明暗境界線を美しく捉えています。コントラストによって、地球のダイナミックな大気の細部が強調され、深い青色の地表に渦巻く雲が際立っています。
三日月型に輝く地球
4月6日、オリオン宇宙船は月の重力圏に入りました。7日には月の裏側をスイングバイし、4名のクルーは7時間かけて月面を観測。地球と月が同じ視野に収まる写真を撮影することに成功しました。この写真は、地球が月の地平線の下に沈む「地球の入り」の約6分前に撮影されたものです。
三日月形の地球を見るのは、実に驚くべき光景です。地球の暗い側は夜になり、太陽の光が当たる側は昼になっています。昼側のオーストラリアとオセアニア地域では、雲が渦巻いています。そして、手前にあるクレーターの多い月の表面をよく見ると、「二次クレーター列」と呼ばれる小さな窪みの列が見えます。これは、激しい小惑星の衝突によって噴出した物質から形成されたものです。
オリオン、月、地球
月面接近飛行中、オリオン宇宙船の太陽電池パネルに搭載されたカメラの一つが、オリオン、月、地球を一枚の写真に収めることに成功しました。NASAのロゴもきれいに収まっています。太陽の光のおかげで、オリオン宇宙船は鮮明に写し出され、遠くには三日月形の月と地球が浮かび上がっています。
この写真は、アルテミスIIの偉業がいかに大きいかを美しく伝えています。地球がほんの小さなかけらとして写っていることで、アルテミス2号が地球からどれほど遠くまで旅したかが改めて実感できます。月面フライバイの際、宇宙飛行士たちは人類が地球から到達した最長距離の記録を更新しました。これまでの最長距離は、1970年にアポロ13号のクルーが地球から400,171キロメートルの距離で樹立したものです。
月の裏側のクレーター
月面を詳しく見ていきましょう。筆者が最も楽しみにしていた月の裏側の特徴の一つは、オリエンターレ盆地でした。38億年前に形成されたともされるオリエンターレ盆地は、驚くことに月面で最も若く、保存状態の良い大型衝突クレーターの一つです。アルテミスIIの乗組員たちは、この盆地全体を肉眼で見た最初の人類となりました。
この高解像度画像では、オリエンターレの3つの同心円状の環がはっきりと確認でき、その中で最大の環はマサチューセッツ州の幅の3倍にもなります。NASAによると、ある研究では、これらの環は、直径64キロメートルの衝突体によって約320万1236立方キロメートルの噴出物(五大湖の総体積の約135倍)が空中に吹き飛ばされ、その後月の表面に落下した際に形成されたと考えられています。
アルテミスIIの皆既日食
月面接近中、オリオン宇宙船は月が太陽を完全に遮る地点にも到達しました。これにより、54分間の皆既日食を観測することに成功。写真では、暗い月の円盤の周りに輝く光輪が浮かび上がっています。NASAの月科学チームは、この現象が太陽コロナによるものなのか、遠くの粒子による太陽光の散乱によるものなのか、あるいはその両方の組み合わせによるものなのかを調査しています。
日食の影のおかげで、アルテミスIIのクルーはいくつかの星を捉えることにも成功しました。これらの星は通常、暗すぎて見えません。特に明るい3つの点は、実は惑星です。中央の赤みがかった星は火星で、人類の太陽系探査における次の目的地です。この写真に月と火星の両方が写っていることは、人類がどれほど進歩してきたか、そしてどれほどまだ道のりが長いかを改めて実感させてくれます。

