「あいちてる」投稿も…美人ギャルママが夫を刺殺 “キラキラSNS”に映らない「過酷な現実」

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SNSに残る「幸福な家族の記録」

千葉市中央区村田町の集合住宅で夫の胸を包丁で刺したとして、千葉中央署は3月30日、殺人未遂の疑いで妻の黒川まみ容疑者(27)を逮捕した。その後、夫の黒川真稀(なおき)さん(28)は搬送先の病院で死亡が確認され、同署は容疑を殺人に切り替えて捜査を進めている。

事件直後、長男を連れて現場を離れたまみ容疑者が、わずか4時間後にタクシーで自宅に戻り逮捕されるという異例の経過を辿った今回の事件。凄惨な結末とは対照的に、真稀さんのSNSには交際から結婚、出産へと至る「幸福な家族」の記録が残されていた。

事件が発生したのは3月29日の夜10時前。真稀さんの実妹が、

「義理の姉が兄を刺した」

と110番通報した直後、凶器の包丁を室内に残したまま、まみ容疑者は現場から姿を消した。パトカーや覆面車両が周辺を走り回り、緊迫した捜索が続く中、事態が急展開を迎えたのは日付が変わった30日の午前1時22分だった。

アパートの前に一台のタクシーが停車。降りてきたのは通報内容と一致する白い半袖Tシャツに白い長ズボン姿のまみ容疑者だったのだ。その腕には、2歳くらいの長男が抱えられていた。

捜査関係者が、その瞬間の状況をこう説明する。

「本人と特定できる容姿で、問いかけにも反応を示したため、パトカー内で緊急逮捕に至りました。彼女は『私が刺しました』と容疑を認めています」

まみ容疑者は犯行後に現場を離れた理由について、

「冷静になろうとした」

と供述。警察の調べに対し、

「生活費のことで口論になり刺した」

と語ったが、夫の真稀さんのものとみられるInstagramアカウントには夫婦不和とは無縁に見える「幸福な記録」が並んでいる。

’22年末から二人の親密さを強調する投稿が始まり、’23年の元日には、まみ容疑者の写真をアップし、

〈2023年もよろしくね だあいちてる(原文ママ)〉

と真稀さんは綴っていた。

その後も熱海や八景島シーパラダイスへの旅行を「#毎日仲良し」「#毎日がhappy」といったハッシュタグと共に公開。同年5月の二人の記念日には、焼き肉店での写真を投稿。

〈これからもよろしくね まみお〉

と愛称を添えて祝っていた。

「夫が育児を全く手伝わない」

家族形成の過程も、SNS上では順調に進んでいるように見えた。’23年10月にはエコー写真と手作りの結婚指輪を披露し、

〈これからも夫婦仲良くやっていきましょうね♪〉

と投稿。’24年3月5日には、新生児を抱くまみ容疑者の写真に、

〈本当に母子共に頑張ってくれました。ありがとう〉

〈これからは家族3人犬1匹と楽しく暮らしていきます〉

と、新たな人生の門出を祝うメッセージを残していた。

しかし、現実はキラキラしたSNSの投稿とは異なる方向に進んでいた。

事件の引き金となったのは、まみ容疑者の善意だった。「生活を少しでも支えてあげたい」と、真稀さんの実家へ帰省した際、義理の両親に数万円を渡したことに真稀さんが「何勝手なことをやってるんだ」と激昂。

まみ容疑者は、自身の善意を否定されたことに加え、以前から抱いていた「夫が育児を全く手伝わない」という不満が爆発し、カッとなって包丁を手に取ったという。

近隣住民の女性は、当夜のすさまじい様子をこう証言する。

「夜の9時50分ごろでした。テレビでドラマの日曜劇場を見ていたら、最初に女の人が泣き叫ぶ声が聞こえたんです。『どうしよう』『助けて、助けて』という声を上げながら走っていくのが見えました。その後、サイレンの音がすごくなって、警察が何十人も走り回っていました」

別の住民は、まみ容疑者の外見について、

「ネイルも派手でピアスもして、背中に入れ墨が見える『ギャル』っぽい印象だった」としつつも、「『おはようございます』と挨拶もちゃんとする人だった」と語った。

命を落とした真稀さんは、’25年4月に建設会社「関棟建業」を創業したばかりの経営者。中学時代の同級生は、

「いわゆるヤンキーで、みんなから『クロ』と呼ばれて親しまれていた。髪を染めたり眉を細くしたりして外見は派手でしたが、優しい男でした。弱いものいじめをするような奴ではなく、性格は良かった」

と明かす。

地元中学を卒業後、千葉県内の高校へ進学するものの中退。その後は建設業に身を投じ、一生懸命に働いていたという。

真稀さんが代表取締役を務める会社のホームページにある挨拶の欄には、

〈従業員一同、力を合わせて成長してまいります〉

と、未来を見据えた決意が記されていた。

千葉県警はSNSに残された幸福な光景と、密室で起きた「生活費のトラブル」という重い現実の矛盾を埋めるべく、慎重に捜査を継続している――。