お茶を始めて4年目!弁護士ドットコム株式会社・元榮太一郎社長の休日の過ごし方
2万9000人以上の弁護士が登録する「弁護士ドットコム」などのポータルサイト、クラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」等を展開。創業者の元榮太一郎氏(50歳)の休日の過ごし方とは?
(撮影/西粼進也)
弁護士ドットコム株式会社
代表取締役社長
元榮太一郎
75年、米国シカゴ生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。99年、旧司法試験合格。01年、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。05年、独立してAuthense法律事務所開業。弁護士ドットコム創業。14年に東証マザーズ市場上場。16年から22年まで参議院議員。近著に『世界は法律でできている』(日経BP)。
まさか自分がお茶を習うことになるとは
お茶を始めて4年目に入りました。今年の初めての茶事「初釜」は、私のお茶の先生のさらに先生に当たる裏千家の家元のご親戚から、ホテルニューオータニの「なだ万本店山茶花荘」にご招待いただきました。
和装に着替え、朝10時から3時間ほど。まずは濃茶という濃いお茶をいただき、その後、点心という軽食を食べて、最後は薄茶をいただく。
今年は光栄なことに、招待客の中で主役に当たる「正客」の役をいただきました。正客には役割があって、掛け軸や茶花、また茶器や香合など道具について質問したり、いただいたお茶への感想を伝えたりします。
事前に先生にお手本を見せていただき、かつ当日もそばで指南していただきながらでしたが、やはり容易なものではありませんでした。お茶の世界は、とても奥深いんです。
お茶は日本の伝統文化が凝縮されたものだと感じています。単にお茶をいただくだけでなく、茶器、掛け軸、茶花、扇子など、お茶に関わる道具は数多い。
また、寒い時期は炉に釜を置きますが、暑い時期には風炉にしたり、季節とも密接に関わる。まさに日本を感じます。
静岡県沼津市にある沼津倶楽部というホテルの敷地内に、登録有形文化財で100年を超える歴史を持つ全室茶室の数寄屋造りの建物があり、ホテルの経営難により、これを誰かが譲り受けないと取り壊されてしまう、という話を聞いたんですね。それで、日本の伝統文化を一緒に守ろうと4人の経営者有志で譲り受けることにしました。
せっかくなら、みんなでお茶を習おうということになり、始めたんですが、まさか自分がお茶をやることになるとは夢にも思いませんでした。
毎月、習いに行って、年に何度かの茶会に出ます。お点前を披露する機会も、すでにいただいています。
帛紗(ふくさ)で道具を清めたり、一式やるべきことがあるわけですが、もちろんすぐにはできない。ただ、回を追うごとに体に染み付いてくる感覚があります。そして、長年お茶をされている方のお点前を見ると、本当に味わい深いことが改めてわかるんです。
食事管理で6kg減った。今はボディメイクに取り組む
昨年、お亡くなりになった裏千家の前家元、千玄室さんは大宗匠と呼ばれていました。102歳。戦時中、特攻隊も経験され、生き残りとして平和を訴え続けられたことでも知られています。
お点前を撮影した映像を見せてもらったことがあるのですが、何かが違う。神は細部に宿ると言いますが、本当にそう思いました。一通りのことはできてもいわゆる通り一遍で、そこから自分の世界に持っていくのは、本当に一生をかけてたどり着くものなのだろうな、と感じています。
そしてこれは、やっぱりやってみないとわからない。簡単にできるものではありません。
実は昨年、大宗匠にお会いする機会がありました。とてもお元気だったので、お亡くなりになったニュースには驚きました。
あと、お茶でいいのは、情報社会のデトックスができることでしょうか。時計もスマートリング(指輪)も外し、スマホも持ち込めない。そうした引き算の中で、お茶に向き合う時間も、また新鮮です。
ビジネスの世界とは違う、また新たな人とのつながりができたこともうれしいです。
他に今取り組んでいるのは、パーソナルトレーニングです。コロナの時期に太ってしまい、体重は6kgも増えてしまいました。このままボディメイクをすると、ムキムキになって、今あるスーツが着られなくなってしまうので、まずは身体を絞るところから始めました。
食事管理で腹八分目を心がけていたら、体重はスルスルと減りました。出されたものは全部食べることが美徳と教えられてきましたが、心を鬼にして残す勇気を実践しました。会食が多いので、もちろん可能なら、事前に量を減らしてもらうお願いも重ねました。
今は6kg減って、10年前くらいの体重まで戻りました。身体も軽く、とても調子がいい。ここから、パーソナルトレーニングで、ボディメイクに挑み始めるところです。
経営者もそうですが、視覚情報が重要だという「メラビアンの法則」にあるように、見た目はとても大事です。ビジョンを語るとき、私がダブついていたら、ビジョンもダブついて見えてしまう。
そしてある程度、ストイックであること、己を律しているということをビジュアルで表現することは、とても大事だと思っています。
契約がオンラインで完結する「クラウドサイン」が成長
弁護士ドットコムは、昨年創業20周年を迎えました。困っている人と弁護士をインターネットでつなぐポータルサイト「弁護士ドットコム」には、今や日本国内の弁護士の6割を超える約2万9000人が登録。
無料で法律相談ができるQ&Aサービス「みんなの法律相談」の相談実績は累計147万件を超え、月間1717万人が訪れる国内No.1の法律相談プラットフォームになっています。
2015年からスタートした「クラウドサイン」は、紙と印鑑をクラウドに置き換え、契約作業をオンラインで完結させることができる電子契約サービスです。導入実績は250万社、累計送信件数は4000万件を超えています。
契約は双方向ですから、ネットワーク効果があり、クラウドサインの知名度はどんどん上がっていくことになりました。今は国内トップシェアのサービスに成長しています。日本の契約インフラとして、さらに充実させていきたいと考えています。
また、アジアの国々には、日本を参考にしている法体系の国が少なくありません。ビジネスのグローバル化が進む中、契約も国を超えますから、クラウドサインも世界に出ていかなければいけないと考えています。すでにグローバル戦略室を作り、さまざまな検討を推し進めています。
創業以来、リーガルやプロフェッショナルの民主化を目指してきました。創業期の弁護士ドットコム、10年後のクラウドサイン。そして、次の10年の構想は生成AIを使ったリーガルAIエージェント、名称は「リーガルブレイン」です。
生成AIのテクノロジーを活かし、AIネイティブプロダクトを昨年から続々とリリースし始めています。弁護士も、ビジネスパーソンも、個人もサポートできるサービスを作り上げていきます。
生成AIの企業版、生成AIの弁護士版、生成AIのコンシューマー版のようなもの。それをさらに進化させたようなものをイメージいただければと思います。
法律はどうしても文章が難しく、また長くなる。それをサマライズして大事なポイントだけチェックするようなこともできる。
企業法務や契約についてはもちろん、SNS経由の投資詐欺やロマンス詐欺のアラートなどにも使えるようになります。AIとテクノロジーを活用して、一人ひとりに最強の顧問弁護士がいるような世界を作る。
AIには、法律領域でも大きなポテンシャルが潜んでいるんです。
社長の月曜日
半年ほど使用しており、重宝しているのがスマートリングの「オーラリング」。睡眠、ストレス、心臓の状態などが計測できる指輪です。アプリでデータを見られるんですが、睡眠スコアの精度がかなり高い。睡眠時間、入眠時間、レム睡眠などが測られ、トータルスコアが出て、この数値が高いとやっぱり調子がいいんです。数値が低いときは、昼寝などの提案をされて、実行すると褒めてくれたり。利用者急増中のようですよ。
