「リーダーシップに欠け、ベンチワークにも失敗した」侍ジャパン「井端弘和」監督 次の「中日監督」の可能性は?
WBCの決勝戦が3月18日に行われ、ベネズエラが米国を3−2で下して初優勝を飾った。大会史上最多のメジャーリーガー8選手を擁した侍ジャパンは、準々決勝でベネズエラに5−8で敗れた。ベスト4に進出できなかったのは今回が初。敗因は何か。そして指揮官・井端弘和監督(50)の今後は。
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ブルペンは入れ替わり立ち替わり
世界一に輝き、喜びを爆発させるベネズエラのメンバーを見て、米国で取材する日本人ライターが漏らした。
「侍ジャパンがベネズエラに準々決勝で敗れた際に『力負け』という論調が多かったですが、それだけではありません。ベネズエラはヒットエンドランや小技を駆使し、個々の能力に頼らない点の取り方をしていた。この野球は日本を見習ったものです。作戦面でも日本と対戦した際に先発の山本由伸(ドジャース)や他の投手を徹底的に研究し、低めの変化球を捨てて高めに浮いた球を捉えることに集中していた」

一方で、侍ジャパンは、
「無策でした。大谷翔平(ドジャース)、鈴木誠也(カブス)、吉田正尚(レッドソックス)など長打力のある選手に依存した戦いぶりで、戦略面に工夫が見られなかった。彼らがいなかったら1次予選で敗退しても不思議ではなかった。ベネズエラ戦の継投もブルペンで入れ替わり立ち替わり投手が準備して、吉見一起投手コーチがベンチ内であわただしく動いていた。役割分担や試合のビジョンがはっきり見えないので、選手たちが戸惑う。ベンチワークの差が試合の勝敗を分けたと言っても過言ではない」
采配に疑問符
ベネズエラ戦を振り返ってみよう。3回に佐藤輝明(阪神)が同点適時打を放ち、負傷交代した鈴木に代わって途中出場した森下翔太(阪神)が勝ち越し3ランを放ち、5−2でリードした。ところが、5回から継投策に入ると隅田知一郎(西武)が2ランを浴び、6回に伊藤大海(日本ハム)も逆転3ランを浴びた。
セリーグ球団の投手コーチは、井端監督の采配に疑問符をつける。
「先発の山本が4回まで2失点に抑えましたが、相手打線は高めに浮いた球を狙っているのが明白でした。捕手の若月健矢(オリックス)は高めの直球と低めの変化球のコンビネーションで配球を組み立てていましたが、隅田の直球は140キロ台中盤とメジャーの打者から見れば打ちごろです。ベンチから指示を出して配球の組み立てを変えるべきでした。伊藤も直球が140キロ台とまったく走らず、故障を疑うレベルでした。韓国戦で被弾した時に不調のサインが出ていたのに、首脳陣は実績を信頼して起用法に柔軟性がなかった。結果論ではなく、ベンチが試合の流れをつかめば展開がまったく変わったと思います」
栗山英樹氏の後はやりにくい
井端監督にも同情すべき点がある。23年のWBCで世界一に輝いた後に栗山英樹監督が勇退し、次期監督の選定で実績のある名将たちに相次いで断られた。
「栗山さんの後はやりにくいというのがあったでしょう。負ければ叩かれるし、重圧が計り知れない。NPBで指導経験が少ない井端監督に託されましたが、選手に対して遠慮があったように感じます。国際試合を重ねても、どういう野球をやりたいのか、カラーがなかなか見えてこなかった。24年のプレミア12で決勝戦に台湾に0−4で敗れた際は『監督を代えるべき』という声が外部から出ましたが、監督を引き受けてくれた井端監督に対して侍ジャパン強化委員会が負い目を感じていたのかもしれない。解任論が大きなうねりにならず、続投になりました。シビアな見方になりますが、本気でWBC連覇を目指すならこのタイミングで監督交代に踏み切るべきだった」(侍ジャパンを取材したスポーツ紙記者)
宮崎合宿での違和感
WBC本戦に向け、大きな誤算は平良海馬(西武)、石井大智(阪神)、松井裕樹(パドレス)とリリーフ陣に故障者が相次いだことだった。ただ、主力選手の想定外の戦線離脱は他の強豪国でも起きている。先のスポーツ紙記者は、本戦前の宮崎合宿中の光景に違和感を覚えたという。
「侍ジャパンのアドバイザーを務めたダルビッシュ有(パドレス)に、投手たちが助言を求めてコミュニケーションを図っていた一方で、メジャーでプレー経験がない吉見投手コーチはピッチクロックやピッチコムの経験がないので遠慮気味に振る舞っていました。松井秀喜さんが宮崎合宿を2日間訪問した際も、野手陣は目を輝かせて質問していましたが、松田宣浩野手総合コーチは野球理論に精通しているわけではないので、選手と会話の内容が深いとは言えなかった。コーチ陣だけでなく、井端監督も存在感が薄かった。表に立って目立ちたくない性格があるかもしれませんが、リリーバーに故障者が続出して重苦しい雰囲気になる中、『このメンバーで絶対勝てる』とメディアに発信してリーダーシップを発揮するべきだった」
今後のキャリアは
井端監督のNPBでの指導経験は、巨人の一軍内野守備走塁コーチを2年間務めたのみ。吉見コーチ、松田コーチに至っては指導経験がない。極限の緊張に襲われる国際舞台で勝利に導くことを求めるのは荷が重かったかもしれない。井端監督は今大会限りで退任が濃厚となっている。侍ジャパンが常設化された2012年以降、NPBで監督経験がなく、侍ジャパンの監督に就任したケースは2例ある。小久保裕紀監督はソフトバンクでコーチ経験を積み、24年シーズンから監督に就任してリーグ連覇を飾っている。21年の東京五輪で金メダルに導いた稲葉篤紀監督は日本ハムのGMを経て現在は2軍監督を務めている。井端監督はどのようなキャリアを歩むのか。
現・井上一樹監督の後の古巣・中日の指揮官が有力との報道もあるが、
「侍ジャパンの監督の負担を軽減するため、編成面でサポートする役職につく可能性があります。現役時代に中日と年俸面で折り合いがつかず退団し、巨人に移籍した経緯を考えると、中日が監督のオファーを出すことは考えづらいですね」(スポーツ紙デスク)
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デイリー新潮編集部
